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大剣の冒険者  作者: beck2026


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第四十章:覇王との対峙

『砂塵の覇竜デザートレクス』の巨躯が、陽光を反射して赤黒く不気味に輝く。

その一歩は、これまでの魔物とは次元の違う質量となって、砂の海を文字通り爆ぜさせていた。

 

「ガ、ルゥァァァァッ!!」

 

覇竜がその巨腕を真横に一閃した。

ただの爪の薙ぎ払い。しかし、それによって生み出された凶悪な砂の刃が、レイたちの視界を完全に遮るように襲いかかる。

 

「ボルグさんっ!」

 

「おおおおおっ、任せろッ!」

 

ボルグが死力を尽くして大盾を砂の底へと突き立てた。

ズガガガガガッ! と盾の表面を無数の砂礫が削り取り、火花が散る。

ボルグの腕の骨が軋む音とともに、激しい砂の弾丸は何とかその強固な壁によって防がれた。

 

しかし、本命はその直後にやってくる。

砂煙を突き破り、覇竜の太い尾が、ボルグの盾ごとすべてを圧殺せんと上空から振り下ろされたのだ。

 

(そこだ――!)

 

レイはボルグの背後から跳躍するように前に出た。

砂に足を取られる環境など、もう意識の外だった。

沈むなら沈むままに。流れる砂のことわりに身を委ね、大剣の重みだけを己の軸の中心に据える。

 

天高く掲げられた鉄塊。

全身のバネを、ねじ切れるほどの効率で一気に解放した。

 

振り下ろされる大剣の軌道と、上空から迫る覇竜の尾が、空中で真っ向から交差する。

 

――ドゴォォォォォォンッ!!!!

 

これまでで最も激しい、天地がひっくり返るかのような激突音が荒野に炸裂した。

衝撃波によって、周囲の赤砂がすり鉢状に吹き飛び、剥き出しの岩盤が姿を現す。

 

「ギ、チ……ッ!?」

 

覇竜の紅い瞳が、驚愕に揺れた。

いかに圧倒的な肉体を誇る亜竜といえど、完璧な軸の制御から放たれたレイの『質量の一撃』は、その尾の軌道を完全に弾き飛ばしたのだ。

大きく体勢を崩し、覇竜の巨躯が右側へと傾く。

 

「アレンさん、今ですっ!」

 

レイは手のひらから血を流しながら、大剣を地面に突き立てて叫んだ。

 

「よくやった、レイ! お前ら最高だぜッ!」

 

砂煙の影から、疾風のごとき速度でアレンが飛び出した。

完全に無防備となった覇竜の懐。その柔らかい逆鱗の隙間めがけて、アレンの双剣が目にも留まらぬ速さで突き立てられた。

 

新星の大剣使いが作り出した一瞬の隙。

仲間との絆の刃が、ついに荒野の覇王の肉体へと深く突き刺さった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

レイの大剣使いとしての旅、そして成長を

これからも応援していただけると嬉しいです。

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