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大剣の冒険者  作者: beck2026


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第三章:最初の依頼(クエスト)

ギルドの重い木製の扉を押し開けると、中はさらに強烈な熱気に満ちていた。

 

酒と汗、そして金属が擦れ合う特有の臭い。

 

大勢の冒険者たちが、掲示板に張り出された羊皮紙を血眼になって睨みつけている。

 

レイは壁際に沿って歩き、ようやくの思いで受付へとたどり着いた。

 

背中の大剣がカウンターに軽く当たり、ごとり、と重苦しい音を立てる。

 

「……あの、新人の登録と、依頼を受けたいんですが」

 

受付にいた年配の職員は、レイの顔と、その背中の大剣を交互に見つめ、深くため息をついた。

 

「おいおい、本気かい?

 その体でその得物は、自殺志願者と言っているようなものだぞ」

 

「分かっています。でも、これでやりたいんです」

 

レイの視線はまっすぐだった。

 

その瞳の奥にある譲れない光を見て、職員はそれ以上引き止めるのを諦めたらしい。

 

「……分かったよ。規約だから止めはしない。

 だが、新人が最初に受けられるのは、街の裏手にある薬草園の害獣駆除だけだ。

 現れるのはせいぜい、大ネズミくらいなものだが……油断するなよ」

 

渡された一枚の羊皮紙。

 

そこには、レイの冒険者としての第一歩となる依頼が記されていた。

 

「ありがとうございます」

 

レイは依頼書を大事に懐にしまい、ギルドを後にした。

 

街の裏手へと続く、日の当たらない薄暗い路地。

 

薬草園へと近づくにつれ、人の気配は消え、代わりに奇妙な獣の鳴き声が響き始める。

 

ガサリ、と前方の茂みが大きく揺れた。

 

薄暗闇の中から姿を現したのは、子供の背丈ほどもある、巨大な牙を持った大ネズミだ。

 

「――来た」

 

レイはごくりと息を呑み、背中から大剣を引き抜こうとする。

 

しかし、そのあまりの重量に、腕の筋肉が悲鳴を上げた。

 

「くっ、上がれ……っ!」

 

地面に刃先をこすりつけながら、なんとか大剣を構えたときには、すでに大ネズミがその鋭い牙を剥き出しにして、こちらへと跳躍していた。

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