表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大剣の冒険者  作者: beck2026


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/37

第十九章:限界を超えた一閃

空間が静止したかのような錯覚。

 

迫り来る変異種の巨大なハサミが、レイの鼻先をかすめる。

 

しかし、レイの軸は微塵もブレていなかった。

 

頭のてっぺんから爪先まで、一本の強固な芯が通っている。

その芯を起点として、天高く掲げられた鉄塊が、自重のすべてを乗せて一気に振り下ろされた。

 

力を入れるのは、当たるその一瞬――。

 

――ドガァァァァァンッ!!!

 

先ほどの甲虫とは比較にならない、天地を震わせるほどの破壊音が坑道内に炸裂した。

 

レイの大剣は、変異種の脳門を真っ向から捉えていた。

赤黒い、岩のように頑強だった変異種の外殻。

それが、レイの放った圧倒的な質量の前には、ただの脆い土塊に過ぎなかった。

 

バリバリと音を立てて、外殻が粉々に砕け散る。

衝撃波が坑道の壁を削り、激しい砂塵が周囲を包み込んだ。

 

「ガ、ァ…………ッ」

 

変異種は、その巨大なハサミを力なく開いたまま、巨体を激しく痙攣させた。

端正な殻に覆われていた怪物は、その圧倒的な重圧に耐えかねて地響きを立ててその場に崩れ落ち、二度と動かなくなった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ, はぁ……っ!」

 

静寂が戻った暗闇の中で、レイは大剣を地面に突き立て、かろうじて身体を支えていた。

 

両腕の筋肉は引き千切れんばかりに熱を持ち、手のひらからは血が滴り落ちている。

全身の気力が底をつき、今にも意識が遠のきそうだった。

 

しかし、レイは確かに、自分の足で立ち続けていた。

 

「……やった、のか……?」

 

崩れ落ちた怪物の巨体を見つめ、レイは震える声で呟いた。

まぎれもない、彼自身の力でもぎ取った、圧倒的な勝利の証だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ