表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、王国を支えていたのは私でした。辺境から始める最強国家建国記  作者: 谷本遥叶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/19

第16話 創造の力

第16話 創造の力


 ズガァァァァァン!!


 バルゼウスの剣が大地を切り裂く。


 一本の斬撃だけで、数百メートル先まで巨大な亀裂が走った。


 巻き上がる土煙。


 衝撃波で王国軍の兵士たちは立っていることすらできない。


「これが……四天王。」


 ダリルの額から冷や汗が流れる。


 これまで戦ってきた魔物とは、存在そのものが違う。


 圧倒的。


 その一言しか思い浮かばなかった。


 バルゼウスは巨大な剣を肩へ担ぎ、退屈そうにアリアを見下ろす。


「創造王の血を継ぐ者。」


「貴様が、どこまで楽しませてくれるか。」


 その瞬間、バルゼウスの姿が消えた。


「なっ!?」


 誰も目で追えない。


 次の瞬間には城壁の目前。


 巨大な剣が振り下ろされる。


「防衛障壁、最大出力!」


 アストラが叫ぶ。


 都市全体を包む黄金の結界が展開される。


 ドォォォォォォン!!


 激突。


 空気が爆発し、衝撃で周囲の森が一瞬にして吹き飛んだ。


 だが結界は、ひび割れながらも持ちこたえていた。


「防いだ……!」


 エマが安堵した、その瞬間。


『防衛障壁耐久率、六十八%。』


『同規模攻撃をあと二回受ければ崩壊します。』


 全員の表情が凍りつく。


 たった一撃で三割以上の耐久を失ったのだ。


 バルゼウスは愉快そうに笑う。


「少しは骨がある。」


「だが、その程度か。」


 再び剣を構える。


 今度こそ、城壁が砕ける。


 誰もがそう思った。


「主様。」


 グランディアが前へ出る。


「私が時間を稼ぎます。」


「だめ!」


 アリアは即座に叫んだ。


「あなたを失うつもりはない!」


「ですが……。」


「みんなで勝つ方法を考える。」


「一人も犠牲にしない。」


 その言葉を聞いたノクスは、小さく目を見開いた。


「……やはり。」


「創造王と同じ答えですか。」


 アリアは王核へ手を伸ばす。


 すると、黄金の紋章が眩く輝き始めた。


 都市中の魔力が彼女へ集まっていく。


『管理者権限を確認。』


『創造権限、一部解放。』


 アリアは首をかしげる。


「創造……?」


 アストラも困惑していた。


「そんな機能、記録にはありません!」


 王核が再び光る。


『戦闘支援機能ではありません。』


『創造王固有権限を確認。』


『創造権限を起動します。』


 アリアの頭へ、膨大な知識が流れ込んできた。


 武器。


 建築。


 魔法陣。


 古代技術。


 知らないはずの知識が、まるで最初から知っていたかのように理解できる。


「これ……。」


 彼女の視線が、防衛塔へ向く。


 壊れた魔力回路。


 劣化した結界。


 すべてが見える。


「直せる。」


 アリアは思わず呟いた。


 右手をかざす。


 黄金の光が防衛塔を包み込む。


 次の瞬間。


 パキッ――。


 壊れていた古代魔法陣が、自ら組み替わっていく。


 砕けた回路が修復され、止まっていた装置が再び鼓動を始める。


 アストラは目を見開いた。


「修復……した?」


「一瞬で?」


 防衛塔だけではない。


 傷ついた城壁。


 結界。


 ガーディアン。


 都市全体が黄金の光に包まれ、次々と修復されていく。


『防衛障壁耐久率、百%。』


『全施設、完全修復。』


 バルゼウスの笑みが初めて消えた。


「……創造。」


 その低い声には、わずかな警戒が混じっていた。


「その力を使える者が、まだいたとは。」


 ノクスは静かに呟く。


「やはり、あなたこそ……。」


 しかし、その瞬間だった。


 王核の光が突然赤く変わる。


 アストラの表情が一変する。


『緊急警告。』


『創造権限の使用により、第二都市が反応。』


『封印解除信号を受信。』


「第二都市……?」


 アリアが息を呑む。


 フェルド以外にも古代都市があることは聞いていた。


 だが、今まで眠っていたはずだ。


 王核は無機質な声で告げる。


第二都市アルカディアが管理者を要請しています。』


 そして、最後に一行の文字が浮かび上がる。


『現在、第二都市は敵勢力に占領されています。』


 その場にいた全員が、言葉を失った。

 千年間眠っていたはずの古代都市は――すでに、何者かの手に落ちていたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ