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女神様の祝福という名の呪い(涙  作者: 佐々木 梓
第1部 女神様の祝福という名の呪い に振り回されているナナ
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第02話:第1部 第1章 プロローグ 後編

第1部 第1章 プロローグ 後編


なぜそこまでして小国連合が戦争の準備を進めているのかといえば、理由はただ一つ。


私が以前、城の書庫に引きこもって調べた古い知識と、独自の偏見から言わせてもらえば、彼らの戦争の動機は「胸を焦がすような激しい嫉妬」だな。


もともと、その国はレガリア帝国とグラン・セレスティア山脈の間にある小国連合に所属していたけれど、煙たがられていて、大飢饉でも食糧援助をハブられてしまった。


(私が住む)この帝国に だいたい20年前位に援助を求めてきたから、当時の皇帝(現陛下のお父様)は 小国の東の グラン・セレスティア山脈のふもとにある かつては大陸一の規模を誇っていた鉱山の跡地 を対価に食料援助をすると打診した。


なんの役に立たない廃坑だったので小国はすぐに、廃坑を差し出し、潤沢な食料援助を受け取った。


今では、事実上の属国である。


しかし、属国とはいえ繁栄している帝国の一部となった事でとても豊かになった。


かつての仲間だった他の小国は嫉妬で怒りまくった。


そこで、今回の開戦準備である。


帝国本土はまずいけど、かつての裏切者の小国ならいける、と。アホかと思うけどなぁ。


ちなみに 帝国が属国の小国を守る理由は 超貴重なミスリル鉱山があるから(小国連合の方はミスリルの価値が理解できていないので、事の次いで程度の感覚)。


小国の東にあってかつて大陸一といわれた鉱山は 帝国に差し出す10年以上前に採掘しつくして廃坑になった。


差し出された後、帝国の高度な技術で再調査すると 「少し深い所に超貴重なミスリル鉱石の大鉱床がある」と判明した。


それから長い時間をかけ、大鉱床まで掘り進め、ミスリルの採掘を始めたのが今から約10年前。


今では大陸唯一で過去最大の「ミスリル鉱山」として有名になりつつあった。


元廃坑のミスリルの採掘開始前に、細々と採れていてそれまで大陸唯一だった鉱山からはミスリルが採掘できなくなっていた。


武器になりうる大きさのミスリルは 10年より前では 伝説級だ。


矢じりの大きさならば1個、2個はなんとか可能だったが、今よりも貴重だったミスリルを使い捨ての矢じりに使用する度胸のある奴はいない。


大鉱山があるのでミスリルが豊富にある帝国でも 金の50倍の価値はある貴重な金属である。


ミスリルは武器にも装飾品にもなる超1級品だ。金は武器には向かず、装飾品のみに利用される。


帝国外では、王様の配偶者位しか、ミスリルの装飾品は所持できない様だ。


帝国では、伯爵夫人でも十分に入手可能だ。


ダガー程度でも武器に加工できる大きさのミスリルは他国への持ち出しは固く禁止だ。破れば、全員 「処分!」 確定 だ。


もっとも、もともと ほそぼとした流通だったのに 20年前には ついに採掘できなくなり 今では 帝国外でミスリルの加工技術は存在しないので、他国では加工不可能だ。


現在の潤沢にあるミスリルでも ミスリル武器は、ごく一部の帝国の近衛兵や、ごく一部の精鋭部隊 が所持しているくらいだ。


ミスリルの武器はやべー性能で、ミスリル以外の金属では受ける事はほぼ不可能、鉄の武器で受けると紙みたいに切断される。


ミスリルを持った普通の兵士は、鉄を持った敵精鋭部隊に楽勝だ。


ミスリル武器を持った精鋭部隊に、ミスリル以外の金属鎧や盾を使用していると、精鋭部隊といえど動きの遅いただの「的」になる。


ミスリルの矢じりでも同様だ。


――と、ここまでが私の脳内にある小国連合とミスリルのすべてだ。




開戦したら、腹黒君が総司令官で出陣となるから、それまでに、結婚してしまいたいのでしょうね。


腹黒君の考えそうな事でw


まぁ、ミスリル武器を持った精鋭部隊が加わると思うので敗戦はないと予想できる。


(腹黒君を心配しているお姉様に後で魔法ハトを送っておこう)


というか、楽勝だろうな。


ただ、連合の小国群は占領してもかけらの利がないからなぁ。


面倒な後処理になりそうだわ。


腹黒君がんばw




危惧した通り、お父様は突貫で翌日に帰ってきた。


私が迎えに出ると、すげー驚いていた。私の方が驚いているわよ。


置いて行かれた護衛の方々の苦労が目に浮かぶわ。


まぁ、お父様はミスリルのチェーンメイルを見えない様に着ているから遠距離での暗殺はほぼないのは、いいんだけど。


頭の防御がないから、それだけが心配ね。


あ、違う。


お父様に向かって声をかける。


「おかえりなさい、お父様。それで、お話はどうなりましたか?」


え、お父様、なんで挙動不審なの?




「。。。」


私は お父様の顔をみて混乱している え、え、え、?


「えっと、まず最初に、お前の婚約が決まった」


お父様は、苦虫をかみ潰したような顔で すげーいやそうに さらに怒りの籠った声を絞りだした。


ぎゃーーーーーーーーーーーーー。と思いつつ、スマイル、スマイル。




お父様の、その顔を見ていると 前にも見た様な気がして、記憶をさぐる。


すると 止まった馬車の前で 小さい子供の様な誰かがお父様に土下座をしながら声をだしている姿がぼんやりと目に写った。その時抱っこされながら見たお父様の顔だった。


お父様の怖い顔が心の記憶に深く刻まれていた それに子供の姿も。


その他はぼんやりしている。その前後の出来事も...


あれ、その小さい子供は今のモニカを子供にした感じにすげー似ている。


土下座で地面をみている様で顔は見えないのでわからないが モニカか?


え、まさか!?


子爵あたりの次女だったはずでは?


あれ???


は、首を振って現実に戻りお父様の顔を見ながら続きを待っていると、


「お相手は、第2皇子殿下だ。」あ、へ、第2皇子殿下は婚約者がいたのでは?


「うん、わかっておる。以前の婚約は破棄された。有用な人材を引き留めるのは当然だそうだ」


あー、お父様 しゃべったのか、げろされたのか、現腹黒(陛下のこと)めー(怒


「それで、結婚式と開戦準備についてだが」


「待ってください、そのお話、私は断固として拒否します(きりっ」


思わず、私は言ってしまった。


「...。気持ちは判るが、結果は変わらない。むしろ、私が、怒り狂っているんだ。判ってくれ。(小声で)(本来ならば拒否できるのだが2歳の時に使ってしまった。隣国の王太子め...くそっ)...それとも、陛下と一戦するか?」


怒りの、気持ちはこれかー。


すげー、勝ち誇った顔で言われても ミスリル装備の精鋭部隊と!?


ご冗談を...


「あー、反逆で一族なんちゃらは、遠慮しますー」


「すまん、無力な父で。だが、どうしてもというなら、逃げる手伝いはするぞ。逃げる位は陛下も、目をつぶってくれるだろう。(ごり押ししてすっとぼけてみせる)」


「うん、お父様に苦労をかけそうなので、逃げません。諦めます。」


私は遠い目をしながら そう呟くように言った。




まぁ、政務と公務は 次期腹黒さんとお姉様に丸投げして、私は、引きこもって研究していようと。


あれ、第2皇子って、腹黒の弟だわ。腹黒と同じくイケメンで、ちょくちょくあっていたと思うのだけど思いだせないなぁ。


なんでさ?と考えていると、お父様は続けた。


「ラナの結婚式は、来月15日に開催することになった。」まじ?おーい、一か月ないぞ!!


「本来は大陸中の国に招待状を送る関係で準備期間を設けるのだが、今回は王太子の強い要望で国内の一部のみ参加となり、陛下もそれを承認した。」へー、そうなんだー(遠い目


「お前が情報源だから、理由は知っているだろう。開戦準備だが、まず、小国連合の首相に警告を送って様子をみる事になった。」あー、敗戦処理が面倒になったから投げたいんだな


私は「はい」と つづきをはよー、と 考えながら そう言ったが、ふと気が付く。


「あ、お父様、続きは着替えて執務室でしましょう」


「そうだな。すまん、埃まみれで」


えー、そんなこと思っていないから...


焦って着替えに行くお父様の背中を苦笑いで見送りながら、私はこれからはじまるであろう怒涛の面倒事に、そっと遠い目を向けたのだった。


ホントに面倒。はぁ。



読んでくださり、ありがとうございます。


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