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凍りつく
雨の中を列車が走っていた。
窓の外、街並みがひとしきり濡れ鼠。
街灯が雨を反射して虹のような燐光を描く。
黒く塗りつぶされた街道を、花咲くように傘が行く。
体温を奪われる。
雨に、熱を奪われていく。熱情が底冷えしていく音がする。
――胸の奥から、凍った意思が目を覚ます。
情熱だけが、炎だけが、命宿す意志であると、誰が決めたのだろう。
冷えれば冷えるほど、冷徹な感情が喚起される。
全身の血が凍っていく。
パキパキ、と音を立てる。霜が降り、雪が積もって、凍りつく。
あるいは吹雪を超えた極寒の晴天のような。
炎によって動く体があるように、氷によって動く意志がここにあった。




