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涙降る
雨が降っていた。
しとしとと水滴がしたたり落ちるたびに、体温が奪われていく。
年齢不詳の賢者は言う。
「雨は、涙を流せない誰かのものだ」
泣ける誰かは涙を流し、泣けない誰かは雨を降らす。
そうして、この世界の水量は均衡を量っているのだという。
おとぎ話の好きな賢者は雨が降るたび、この話をした。
遠くで、誰かの泣き声がした。
雨風などものともせず、雷鳴にも負けぬほどに張り裂けた声。
ああ、賢者の言うことは真だった。
泣けない誰かが涙声に寄り添うように、共に雨を降らしていた。
雨が降っていた。
しとしとと水滴がしたたり落ちるたびに、体温が奪われていく。
年齢不詳の賢者は言う。
「雨は、涙を流せない誰かのものだ」
泣ける誰かは涙を流し、泣けない誰かは雨を降らす。
そうして、この世界の水量は均衡を量っているのだという。
おとぎ話の好きな賢者は雨が降るたび、この話をした。
遠くで、誰かの泣き声がした。
雨風などものともせず、雷鳴にも負けぬほどに張り裂けた声。
ああ、賢者の言うことは真だった。
泣けない誰かが涙声に寄り添うように、共に雨を降らしていた。