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Zakkan  作者: 波暮
22/27

眠れないから

眠れない 眠れない 眠れない

何度も呟く

 やはり眠れない


微睡みに押し潰されるように

気づいたときには、眠りかたを忘れていた


目蓋を閉じても

 暗闇ではない

灯りを落としても

 それはまだ明るい


柔らかい布団に包まれていても

お腹が幸福に満たされても


眠れず


それでも

魂は眠りを求めている



身体は常に重力に逆らい

 星の垂直を保とうとする

聖夜の暖炉のように

 火を灯して動く命は


懸命に、そこに生存している


あまりにも過酷な旅路

宇宙は厳そかに試練を課す

 一つ、また一つと

 階段を積み上げるように


生は短く、

 生きることの苦難に対して

 幸福は泥中の砂金のように僅か


骨折りばかりが重なって

自らに鞭を打って、喘ぐように床につく


ひと時の眠りと優しい夢が

唯一の、たしかな幸福



…それでも眠れないのは、

…それでも眠れないのは。


まだ、やるべきことがある


心残りはないか

為すべきことを果たしたか


言いたいことは、ちゃんと言えたのか


正直(せいちょく)に、誠直(せいちょく)に、

あなたはあなたを生きていたか


魂は安息を求めている

身体は安寧を欲している

眠りと夢だけを幸福に

懸命に今日を生きた


それでも、


眠れないから、と呟いて

あなたはあなたを全うする

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