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次元守護者の任務執行記〜《疾風の魔導師》が試験部隊と共に魔術と科学の混合メカで因果律『災厄』を吹き飛ばすまで  作者: 麻の葉りり
第6章 聖女の呪い

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第1話 聖女にかけられた呪いを解け

魔術が発達した世界その2


周りを見渡し斃れている同胞達を目にする。ソレをした存在に戦慄しつつ魔王は口を開く。


「異界の魔術師達よ、この者が主犯だ。好きにしてよいからこれ以上の破壊は止めてほしい」


情けないと自嘲して。何故こうなったか。


話は数日前に遡る。



「アリーシェ殿下主催のお茶会、色々凄かったわね」


「俺は最後楽しかったぞ」


「ランカス殿下達も参加したのは予想外だったけど。最後の手合わせは凄かった、確かに。

ジークハルト師団長相手にあそこまでとはね」


オトハ、イジュン、アルマートが話す。


5日前、アリーシェ主催のお茶会が開かれ参加した。

婚約者となった子息も参加し和やかだった。


だが帰ったかと思っていたランカスがお茶会に途中参加し、

アルマートの過去や黒歴史を話したり、イジュンがジークハルトと手合わせをしたりと途中から普通のお茶会ではなくなった。


「その間に取り憑かれてた子息も回復して本部に移送。

で僕達は次の任務。その説明の為に軍医さん呼んできたなんて」


ビックリなんだけどと言うアルマートの目の前には、ブロンドに薄青の瞳の男性軍医が立っている。


「私は任務の説明の為には誰でも使うわ。

看護師をしている大尉も医者の資格持ちだから彼がここにいても問題はない。


次の任務は『惑星ミューラで聖女を呪うモノを探し出して捕縛。呪いを解かせろ』


現地の魔術師では呪いの解呪が不可能だそうで、ヴァータイト大尉に協力要請が来ている。

ミューラ支部と各国が原因を調査中。もう少しで原因は突き止められそうとの事。


その前に惑星ミューラの簡単な説明をと思って呼んだの。エスパーダ中佐、大丈夫?」


名前を呼ばれた男は顔を青ざめさせたが頷く。


「はい、大丈夫です。軍医ルドヴィク・エスパーダから説明を」


そう言うと中央にあるテーブルのパネルを操作し、ミューラの地図を出す。


「惑星ミューラはレンネスと同じ、魔術が発展した世界。だが違う点がいくつかある。


複数の神がいるレンネスと違い、創造の女神ヴェラニスーン1柱(ひとはしら)を祀り、祈りを捧げる星である事。

魔力は皆持っているが魔術を使用するには一定の素質と魔力量が必要である事。

実際に使用できるのは国の人口の3~7割ほどだ。そして最大の違いがこれ」


そう言うと中佐の右手に片手杖が、左手に青みがかった大きく重そうな本が現れる。


「”グリモワール”と呼ばれる魔術の術式が書いてある魔導書、それが必須であること。

媒介は簡単な魔術なら必要ない。あと国によって媒介と得意な魔術が違う」


「あら大きい」


レンが言う。


「重さは感じないよ。魔術師は皆持っており、聖女様も所持している。

”グリモワール”に記されていない魔術は使用不可能。これは絶対のルールだ」


魔術で栄える国はいつくか存在し、ルドヴィクの祖国もそうだと言う。


「そして惑星ミューラには聖女様が存在する」


「聖女!」


反応する女性陣。

イジュンは肩をすくめ、アルマートは女性陣が興味を示した事に対して以外そうな顔をする。

”媒介”と”グリモワール”を仕舞うと、パネルを操作し1つの国を拡大させるルドヴィク。


「聖女様は特別な存在で、女神ヴェラニスーンの信仰心が高い国である、ここスヴェニ聖教国(せいきょうこく)にしか産まれない。何故かは私は知らない。

女神様から授けられる「加護」や「恩恵」、他の星では「スキル」と呼ばれるものだな。

その中の特定の「加護」が高い女性達が就任する、特別な職業」


「レンネスは聖魔術が得意な女性が過去1度任命されたくらいで、職業として存在していません」


アルマートが口を挟む。


「ミューラには聖女がいて、世界を守っている。それが1番の違い。聖女様は聖教国にしか現ない」


確認するようにレンが呟く。


「その聖女様・・・役割が違う方が複数存在するのでしたっけ?」


とオトハが口を開く。


「そう、別々の「加護」を持つ方が3名。

・・・全員が呪われたのですか?」


ルドヴィクがターニャに聞く。


「いいえ1人だけ、「結界」の聖女だけが呪われたと。

そのせいで、維持している結界も脆くなっているそうよ」


「魔物から護ってくれる「結界」を張れる聖女を狙うねぇ。

でも聖女には呪いって効かないはず。女神の加護で弾くって聞いたけど?」


アルマートが呟く。


「女神の加護自体が弱くなっているそうなの。

神の声が聞こえる者達曰く、「雑音が酷くて聞き取りにくい」と。

聖なる術である”神聖術”も効果が弱くなってきていて、それでヴァータイト大尉にも協力が」


「ミューラでも有名人なのですか?」


オトハが呟く。


「ミューラとレンネス、魔術の交流があるからね。

自分達の魔術に何か取り入れられないかって研究してるし、ミューラからレンネスに魔術師が来たり、その逆もしてる。


僕は成人前の時に実際にミューラに行って、魔術の勉強をしたんだ。

女神に認められて”グリモワール”も授かたし、"媒介”もあるよ」


そう答えるアルマート。


「ヴァータイト大尉って凄いのね」


レンが呟く。


「ありがとうございます。

ちなみに女神の信仰心が一定値を突破すれば他の星の人も”グリモワール”を授けてもらえるし、

聖なる術、”神聖術”も扱えるよ」


さらりと告げたアルマートに驚くオトハ達。イジュンは知っているのか黙っていた。


「”神聖術”は聖教国のトップである教皇や、聖騎士と呼ばれる近衛聖騎士団、

魔術師団長も扱え、私も少しだけなら使用できる。

神に祈りを捧げ、信仰心を対価に発動させるもの。


魔術とは違う」


ルドヴィクが引き継ぐ。


「ヴァータイト大尉は聖女の呪いの原因を探り、私達は現地のDSEAが持っている情報を元に原因を捜し出す。


魔物由来なら民の避難誘導をしつつ、最悪戦う事になる」


ターニャが言う。


「最初はスヴェニ聖教国に行くのでしょうか?」


黙っていたルーファスが手を上げ質問する。


「ええ、教皇猊下に挨拶をしてそれから情報を元に捜す事になるわ」


ターニャが答える。


「もう少しで突き止められそう、という事は心当たりがあるのでしょうか?」


レンが質問する。


「怪しい場所がある、とだけ報告が。向こうもバタバタしているみたいで着いたら連絡をと」


「人じゃなくて場所?どういう事だ?レンネスの魔力だまりと同じなのか?」


ルーファスが言う。


「分からないわ。そこの所も含めて現地から報告を受ける事になっているから。

ああ、到着したわね」


外を見ると、白亜の横に長い外壁が見える。


「スヴェニ聖教国の国境に到着よ。皆準備をして。今回は私も同行します」


荷物を持ち出発する。


艦を降りる途中でアルマートの魔導書と媒介を見せて貰う。

文庫本サイズの魔導書で、緑の魔石がはめ込まれた腕輪。


ちなみにレンネスの”グリモワール”所持者は、現在大尉と魔導王国の国王と王太子、

公爵家当主と時期当主。《創造の魔導師》様とエルフの女王陛下だそうだ。


「魔術の国の人間だから、ミューラのグリモワールや媒介を持つ事が必須みたいになってるんだよね。王家や公爵家は」


いつからだったかは忘れたと言う。


「エルフの女王陛下と《創造の魔導師》は好奇心で取得したんだよ。僕も似たようなモノだけど」


行った先で目を付けられたのは誤算だったな、と言いながら空を見るアルマート。


「好奇心で別系等の魔術を習得って・・・」


規格外の天才っているのねとどこか達観した顔でオトハが呟き、皆が頷いた。



惑星レンネスと惑星ミューラは別の次元(銀河)に存在するします。

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