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次元守護者の任務執行記〜《疾風の魔導師》が試験部隊と共に魔術と科学の混合メカで因果律『災厄』を吹き飛ばすまで  作者: 麻の葉りり
第5章 婿探しに暗雲

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第5話 警備確認と侵入者


「アイザワ少尉は会ったことある?もしかして。一時期訓練校に出張していたの思い出した」


アルマートが言う。


頷くオトハ。


「魔術の授業を受けたときに臨時の教師として来ていて、教えて貰ったから魔術の師匠と言えるかも。

魔術具の事も、色々教えてくれたわ」


私の魔力量はファンクォーツの平民レベルって言われたし、銃や剣の方が向いているって言われたから魔術を使用する事はないけれど。

資質で言うと、大地を癒やしたり、補助や回復などの後方支援が向きだから。


『後方支援の任務の時に、適任者がいない場合に使用すればいい』って言われた。

優しい女性だったわ。


「後方支援型か。ファンクォーツの平民レベルでも魔力量はそれなりにあるはずだし。

万能型なんだね、少尉は」


感心するアルマート。


ルベルトに向き直り、質問を始めるイジュン。


「当主という事はもしかして、大尉の子供の頃をご存知で?」


すると食いつくオトハ。


「国に戻った後の話聞きたい」


少し聞いたかと言われて頷く。


「13の時に戻って来てからは基礎はすさまじいスピードで終わらせて、普通に卒業した。

高等教育と大学にあたる部分は飛び級して終わらせた」


その後は親世代や国が色々手伝わせていて、これは聞いたのか。

その前から色々知りたいと頼み込んで来てたから簡単なのは手伝わせてた。

同世代の友人はほとんどいないな。


飛び級もあったが、良くも悪くも有名人だから、近寄れる者がいなくてな。

今より身分も高かったから。成人前までは公爵家子息の身分だったから。


ルベルトをジトっと見つつアルマートが話出す。


「人との接触は人脈作りの為でしかも最低限しかしませんでした。

1人の方が多かったですよ。友人はあいつくらいかな。

兄上と同世代と親世代、あと王族の方々にはお世話になりました」


「君の友人、今は魔術研究所の魔導具開発部門のエースですよ」


ジークハルトが言い、アルマートが良かったとこぼす。


「これは我が国の伝統である各国を回る慣わしも、DSEAに入るからと次元巡りになっていたから、

この星自体にいる事も少なかった気がするな」


ファンクォーツでは成人前に、国を回って旅をする慣わしがある。

身分を隠して世界を回って、人生経験する意味で行われる。

王家と上級貴族が行うだけで、中級下級貴族と平民階級は隣国への短期間の留学。

お金の問題もあるから。


そんなのあるんだ、と感心していると、そこに警備の指揮官が現れる。


「失礼。声を掛けようかと思ったのだが・・・」


「ああ、すみません! DSEA本部所属 レン・クリハラ大尉です。今日は宜しくお願いします」


慌てて敬礼するレン。アルマート達も敬礼する。

ブロンドの肩に付かない髪に青い瞳の男性が挨拶する。


「いえいえ。スピリタス近衛師団長エーデルムート・ハドレットです。

今日は警備をよろしく頼みます」


「こちらこそ。早速なのですが・・・」


持っていた紙を近くのテーブルに広げ話を始めるエーデルムート。


「国王によるいくつかの質問の後、

殿下は候補者の方と2人だけで1時間ほどこの庭を回りながら話をされます」


殿下専属の侍女はすぐ近くで待機。我々精霊国は庭園入り口と中。

ファンクォーツは出口を見張ります。


精霊達も見張っていますから何かあれば知らせてくれます。

ファンクォーツの方々も、ランカス殿下以下見える方が中心なので。魔術で監視もします。


「DSEAの方々は、《疾風の魔導師》様以外全員機体に乗り待機をお願いします。

あっすみません!ヴァータイト大尉でした」


謝るエーデルムートにいいですよ別にとアルマート。


レンが質問をする。


「候補の方々は?」


「1時間後に到着されて、国王陛下の御前に」


「ではすぐ配置に付きますね。行くわよ皆」


「了解」


と敬礼する。


ふとアルマートが眉を上げ、不思議そうな顔をした直後に目の前に精霊が。

緑の服を着た少女。オトハとイジュンが驚く。


「さっきと輪郭が違うわ」


「別の精霊か?色が同じだから属性は同じだろうが」


それを見て、感心するルベルトにジークハルト。


「ほう、視えるのだな。珍しい」


「そうですね。1人はハッキリ、もう1人はぼんやり。

本部総司令が寄越したわけですね。その子は風属性の下級精霊です」


「いきなり現れるとは。何かあったか?」


ランカスが驚く。その横でライオネルとエーデルムートが話し合う。


「俺も視えるけど、珍しいんですよね?」


「そうですね。我々スピリタスの者や、ファンクォーツ魔導王国のは視える方は多めですが

他の星の方はさらに稀だと聞いた事があります」


レンが割り込んでくる。


「私はさっぱりで、隣にいるホワイエ少尉は気配を感じる程度です」


エーデルムートが誉める。


「視えないのが普通ですからね。気配を感じるだけでも大したものですよ」


その会話を聞きつつ精霊に尋ねるアルマート。


「どうしたの?何かあった?」


すると精霊が口を開く


「アリーシェに会いに人間が来た。この間までいた人間」


「この間?最終選考前までいた人って事?」


コクリと頷く精霊。


「そう。最後に落ちた人間。帰ったはずなのに来た。嫌なモノ憑いてる」


「分かった。教えてくれてありがとう。他の人には伝えた?」


「伝えに行ってる。アリーシェにも」


「ありがとう。良かったらこれ。あめ玉」


そう言って2つべっ甲色のあめ玉を渡す。


「僕とファンクォーツの人はここにいるって伝えてくれる?他の警備員や護衛達に。

あとそこの4人は『きどうへいき』に乗りに行くとも伝えて」


お願いね。というと頷き姿を消す。


イジュンが聞く。


「この前外れた婚約者候補がやって来たと?嫌な空気を纏わせて」


「そうみたい。最終選考前に外れた人だね」


アルマートが返す。


「今は祖国にいるはず」


エーデルムートが首を傾げ、それを聞き配置に着くとレンが言おうとした瞬間。


紫色の髪と瞳を持った男性がいきなり現れた。アルマートを含めて皆が驚く。


魔術発動の痕跡なし。それにこの気配は・・・。


顔を険しくするアルマート。王子達も険しくなっていく。


「殿下はまだここでは無かったか。部屋か、王の間? そこに行くか」


踵を返そうとする男性に空間から杖を取り出したアルマートが詠唱して魔術を放つ


「動きを止めるは縛りの鎖 彼の者を留めよ拘束(フェッセルン)」


光の帯が拘束する。が、黒いナニカが現れバリバリと音がして破られる。


「エイルーク王国の公爵家子息である私に、いきなり何を」


レンが反応する。


「エイルーク王国?」


「帝国との関係が微妙な国。第4王子が最後まで残ってる」


簡単にアルマートが説明する。


「それも知らないとは。平民の侍女か。ん?その制服、DSEAが何故ここに」


首を傾げている男性。警戒しつつ答えるアルマート。


「アリーシェ殿下の婿入り選考会の警備をお願いされました。

精霊王の警告と、スピリタス国王とアルフ女王陛下の依頼で」


「何と!精霊王が警告を?何がおきるというのだ。それにアルフ女王陛下の依頼とは相当なものだな。

DSEAが出てくるのは当たり前か」


1人納得する男性に向けていつの間にか杖を取り出したランカスが詠唱を開始する。


「汚れた者を縛る光 締めよ ー白銀(はくぎん)ノ拘束 ズィルバーネ ツリュックハルトゥング」


白銀の光が鎖となり男性を縛り上げる。黒いナニカが破ろうとする。

それを見て、また詠唱を開始するランカス。


「世界を弾くは虹の壁 壊れず壊されぬ硬きもの かの者の前に築かれん結界(バリエーレ)」


円柱状の結界が男性を包み閉じ込める。




結界は、詠唱なしでも張れるが詠唱した方が威力が増す。

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