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次元守護者の任務執行記〜《疾風の魔導師》が試験部隊と共に魔術と科学の混合メカで因果律『災厄』を吹き飛ばすまで  作者: 麻の葉りり
第5章 婿探しに暗雲

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第3話 警備へ向かう


「約束してたのね」


そんな感じはしていたけれど、とオトハが呟く。


「断る事は出来たけど他人と滅多に話をしないからね、殿下は。話し相手が必要だし。

あと精霊達が駄々こねると思う。


視える人達と遊びたがるから、精霊って。あ、イタズラはしないように言い聞かせてるけど

はしゃいで何かするかも。


気をつけてね、一応」


それに僕も聞きたかったから乗っかった。なんて言えないし、と心の中に終うアルマート。


アイザワ少尉にはバレてる気がするが。じーっと見つめられている。


「滅多に話をしない・・・。表には出ないのかしら?大切な王位継承者だから」


とレンが言う。


「精霊国自体が神聖化されている所もありますけど。


あとは外交には出ますよ、次期女王なので。表に出るようになったのは、ここ数年ですけどね。


他国のパーティーにはあまり出ません。うちの国と、あと2,3国くらいかな?


友人も少なくて、僕はその1人。あとはうちの国の王女や公爵家の令嬢とか、帝国の皇太子妃くらいか」


無言で頷く案内の兵士。


「殿下に何かあれば、精霊王が黙っていないので。警備会場はこちらです」


到着すると、薔薇の香りに包まれる。


「凄い綺麗。薔薇の庭園だ」


リュカが言う。


色とりどりの薔薇の花が咲き誇る。


一カ所ではなく数カ所に花壇があり、赤、白、黄色、混じりあった色が咲いている。

つぼみのものもあるが、満開の花が多い。

近くには噴水があり、パラソルにテーブル、椅子もある。


「色々な種類と色が咲いているのね。それぞれが邪魔をしないように考えて植えられてる。

入り口はあそこと・・・」


考え始めたレン。


「生命力に溢れているな。 精霊の力か?これは」


「宮廷専属庭師の連れている大地と水の精霊の力が満ちているのです」


案内した兵士が言う。


「精霊って、連れて歩くのですか?」


オトハが聞く。


「一部職種のみでしょうか。


この国では幼少期に適性を測り、適性が高く精霊魔術師に志願する者は、

精霊魔術師養成学校で訓練を受けます。


志願者でないものは基本的な事を教わり、それぞれ希望する職種の学校に行きます。


精霊の力を借りるのは、生活の一部でしょうか。

魔導具があるのでほとんど必要ないのですが、たまに力を借ります。


契約して連れ歩く者は精霊魔術師や、庭師、我々兵士、自然環境に向き合う仕事をしている者が多いです。


魔導師もいますが、精霊魔術師の方が数は多い。


あちこちに精霊がいるので、精霊魔術の方が馴染みが深いのです。


普段姿を見るのは下級で、中級上級精霊は姿を見せません。見せるのは戦闘時のみ」


ふんふんと聞くイジュン。


「自然と生きる者は、自然の化身である精霊と接する事になる。自然と向き合うから、学ぶのだな。


ホヅミの魔導武術も自然と向き合う部分があるから興味深い」


「ホヅミも自然が豊かだと聞きました。我々は自然を好む。


いつかホヅミに行ってみたいものです」


「お待ちしていますよ。 さてと、隊長。どうですか?」


レンが振り向く。


「ざっと見た感じ、危なそうな場所はいくつかあるけれど。

『精霊』という姿が見えない存在が鍵かしら?


まず警備の方達と色々すりあわせないと。私達が生身で警護するかどうかも含めて。


魔装騎士(マギアナイツ)は配備されているわね。


あとは婚約者候補?の素性かしらね」


アルマートが顎に手を当てる。


「確か今回の婿入り候補者、最終的に残ったうち

1人はこの国の侯爵家の次男で、あと2人は他国の人間。


帝国の第3皇子と、帝国と隣接する王国の第4王子。

精霊国と仲を深めようって意図もあるとかないとかで。


王国は帝国との仲は微妙なんだよね。戦争する程ではないけれど。

どちらも王位継承権は低い、というか帝国は皇太子は決まってるから皇位継承はない。


だから精霊国の婿入りに参加させたとか」


「そのせいで俺も警備に当たる事になったがな」


うん?と前を見るアルマート。


そこにはダークシルバーの刈り上げ髪に灰色の瞳の男性が。


「久しぶり。 今は大尉と呼んだ方がいいか?」


「そうですね。 お久しゅうございます。殿下」


敬礼をするアルマート。


「殿下?」


驚きつつ敬礼するレン達。


「こちらファンクォーツ魔導王国第2王子 ランカス・ファンクォーツ殿下。

殿下、こちらがDSEAの試験小隊のパイロット達です」


「隊長の・・・」


「レン・クリハラ大尉とオトハ・アイザワ少尉、イジュン少尉とリュカ・ホワイエ少尉で合ってるよね?


最新世代のテスト小隊で、1世代前の世代と艦は別の場所に待機中?」


さらさらと言うランカスに驚くレン達。


「試験小隊は有名だからね。それに強力な助っ人だから頭に入れておいたんだ。

まだ王族だけど、畏まらなくていいよ。 楽にして」


敬礼を解く。


強力な助っ人と言われて照れているリュカ。それに気付いたイジュンが嗜める目をリュカに向ける。


「ランカス殿下は王命で?」


アルマートが聞く。


「そ、俺が1番身軽だからって警護に行けってさ。一応婚約者候補だったのもあるが」


えっと驚くオトハ達。


「自国の貴族に婿入り予定になって。だから辞退した。事情は精霊国も知ってる。


王太子の異母兄上(あにうえ)や学園で勉強中のマラードにさせる訳にはいかないだろうって陛下が。

俺も学生だが大体の科目は合格してるし。


ああそうだ、レンネスのDSEAは向こうで待機してる。 呼びましょうか?」


頷くレン。


「来ていいそうだ」


声をかけると小走りで来て敬礼する。

銀鼠の髪と灰色の瞳の男性。王子より少し背が高い。


「レンネス【ガーディアン】 ライオネル・パイラ少尉です」


「レン・クリハラ大尉です。 あのもしかして」


「出身はファンクォーツの元王位継承者の家系です。

王家とは親戚ですけど継承権はあって無いようなものですね」


「ファンクォーツは公爵家の数が決まってるから、

王位継承者以外の王族は婿入りか名前を貰って家を興すのが習わし」


一応王位継承権はありますけど、3代で無くなります。

王家の血筋が無くなった場合のスペアの意味合いが強いですね。

どこまで継承権を与えるかで『孫まで』って事に。キリがいいからだそうで。


「さっきこの国の警備指揮の方と話し合って。  大尉はここで、待機。


皆さんは機体に搭乗して待機していてほしいと。

混沌魔獣(カオスビースト)が出現した場合などに備えてほしいそうです」


「混沌魔獣(カオスビースト)って、レンネスで『大災厄』時に手下である「魔神王」が出現させ、討伐後も残った残滓(ざんし)や魔力だまりから出現する、害をなす魔物。


で、合ってるわよね?


一応混沌魔獣(カオスビースト)対策で訓練は受けているけれど・・・」


「訓練通りに対処すれば対応可能です。念の為、浄化は私行います」


ランカスがそう言う。







王子登場

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