感謝祭を無事開催させろ
ソーラルの事件から1週間。
「停止信号弾の件は何者かによる干渉だっけ。
それってやっぱり・・・?」
「『災厄』が何かしら関係しているんじゃないかって。
でなければ、動き出そうなんて事ないもの。
あらゆる機体で実験して止められるようにした物よ」
アルとオトハが歩きながら会話中。
「アララギ少尉は平気なの?」
「もう大丈夫だ、と本人曰く。
でもしばらくは様子見」
「で次の任務と。お先にどうぞ」
開いた扉を譲るアル。
「ありがとうございます。失礼します」
オトハが入りアルも続く。
「全員揃ったわね。次の任務を説明する。
惑星パラディオの次元感謝祭。
そこに脅迫状が届いた。
『感謝祭を中止せよ』
脅迫状を送った人物はほぼ特定されているとの事。
ただパラディオのアンドロイド、
『ドール』を使った爆破事件も発生しており、
こちらは少々難航しているそう。
怪我人も出てるが死者はゼロ。
現地職員も総出で捜査をしていまるが
『明後日の前夜祭までに終わらない可能性がある』
との事でドール爆破事件の捜査と
脅迫状を送り付けた犯人の逮捕協力要請が出ている。
あとホワイエ少尉にはピアノとヴァイオリンの演奏、
イジュン少尉には演武の依頼が来ている。
どちらも前夜祭の余興ね。
ヴァータイト大尉にも依頼したい事があるそうです。
この祭りは絶対に開催しないといけない。
各員気を引き締めて任務に当たれ。
小隊ごとに分かれて捜査をするように。
パラディオには到着しているから準備して。
では解散」
ターニャの言葉で動き出す。
「ホワイエ少尉はここの出身だっけ。
お母様が有名なピアニストだって事は知っているけど」
アルが言う。
「父さんは軍属で事務方なんだけど、
元ヴァイオリニスト。
親戚に軍人いるから手伝いたいって言って、
止めちゃったんだ。
凄い有名な話。当時大騒ぎになったって。
僕が生まれる前の話だけど。
たまに軍の音楽隊のコンサートで弾いてるよ」
「僕は両親の影響でピアノとヴァイオリン始めて、
一応ソロでコンサート開けるくらい。
ヴァータイト大尉はフルートお上手だと聞きました。
今度合奏しません?」
「うーんどうだろう。プロ並みではないよ?
貴族のたしなみとして楽器演奏は習わされただけだし。
ピアノ多いけど、僕は笛系が合ってたから。
・・・2度と演奏しないって言っちゃったし」
「え?」
近くにいたオトハが声を出す。
「皆、街に降りるわよ」
レンが言い、アルが変装する。
「変装するの、もう慣れました?」
イジュンが聞く。
「元々母星でも変装して他国を回って色んな経験をする
ってあったから、そんなに苦ではないんだよね。
変装解いた時の反応見るのも楽しかったし」
「リュカも変装完了。 では行ってきます」
そうして街に降りる。
「スピア小隊は音楽祭・料理大会・パレードエリア
を回っているから、
私達は美術・舞踏大会・武闘大会エリアね。
イジュンは舞踏大会、私は武闘大会のエリアで
話を聞くからリュカは美術の彫刻エリアで話を聞いて。
オトハとヴァータイト大尉は絵画エリアに」
「了解」
「では1時間事に報告を。以上解散。」
それぞれ散っていく。
「あれ、武闘大会はすぐ開催で、
舞踏大会は1ヶ月後開催だっけ。
前は同時に開催していたけど、
間違える人が続出したから」
「そうそう。
それに、同時開催は観光客を捌くのが大変だからって。
絵画展と音楽祭は最初から最後まで行うけれど。
音楽祭はジャンルを変えつつ行うそうよ」
歩いていると、色々な出店があるエリアに着く。
「いい匂いが・・・。
えっと例のお店は奥か」
とことこ歩いて行き、ケバブのお店の前に。
「いらっしゃい。ああ来たか。
ほい当店自慢のケバブ」
体躯のがっしりとした男性店員から
大きなケバブを渡される。
「それと、俺が知ってる情報な。
脅迫した犯人は絵画コンテストで落選した奴ら。
これはここのガーディアンが掴んでる。
人数は10数人。大量に送り付けたんだと。
ドール爆破事件の犯人は別だとさ。
毎回コンテストは落選者は多いんだが、
今回は皆賞を貰ってるレベルの奴らが落とされてる。
逆に新人の絵が受賞した。
落ちた奴らは上が何かしたんじゃないか、
新人ひいきだ認められないと怒ってると。
あと1枚特殊な絵がある。
曰く付きってやつだな。
怪我したり、事故に遭ったり、
心臓発作で病院に運ばれた、なんてのもある。
ここのガーディアンが視たら、
幽霊や魔物を引き寄せる性質がある絵なんだと。
実際なんか起きてるそうだ。
描いた奴は無事、というか宝くじが当たったり競馬で当てたりついてるんだと。
家族やスタッフ、審査員が被害に遭ってる。
魔導師の方はそれで呼ばれたんだと思うぞ。
『不幸を呼ぶ絵』だから落選させたが、
描いた画家は不服らしい。
脅迫状は書いていないらしいが、
毎日クレームを入れている。
俺は絵を遠目から見たが、不気味だったぞ。
その後持ってたお守りのペンダントが壊れた。
新しいのはもう身につけている。
これくらいだな」
ふむふむと頷くアル。ケバブを口に運びながら。
「どうもありがとう。
ケバブありがたくいただきます」
「先に頂いています。美味しいですね、これ」
「ウチの自慢だ。
今度は任務以外でパラディオに来い。
おごってやる」
「お肉と野菜たっぷりね。美味しそう。
ご協力ありがとうございました。
絵が保管してある場所は分かりますか?」
「ああ、確か倉庫で厳重に保管してるとか。
政府所有の倉庫だな。
あっちにあるはずだ」
そういって端末のとある場所をさす。
「警備もガチガチになってる。
身分証見せれば入れるだろう。
DSEAの職員も待機中だって聞いてる」
「なるほど。
協力ありがとう。
うん、お守りもちゃんと貴方を守ってる。
いい出来だね。
ケバブありがとう。
非番の時にまた来ます」
はいこれ、と代金を渡す。
「おう、待ってるぞ」
別れを告げ、倉庫へと歩き出す。
お祭り好きかぁー!!!




