戦闘の終結
「あの機体、ただのAFではないわ。
こちらの動きを学習しつつ、人間離れした機動を見せる。でも無人機特有の強引な機動だけではない。
人が操縦している感じがある。
まだ貴女たちの動きは学習されていないから、
機体の破壊をしてほしいの。
私達が囮で攻撃を仕掛けるから、隙を見て」
レンが言う。
「中に誰か乗ってる?
動きが無人機っぽくない。
人が操縦してる感じがする。
もしかしてどこかに連れて行かれた子なんじゃ」
アルが言う。
「報告にあった子ね?
でもあれでは助けられないわ」
と
「ダレカ・・・ボクヲ・・トメテ。
カラダガ、イウコトヲキカナイ。
ハルタチヲ、コロシテシマウ、、、
ソンナノイヤ、コワシテ、オネガイ」
AFから声がする。
「だそうですが。
停止信号とかで止めたりできます?」
アルが思いつきで言う。
「キサラギ少尉、機体をハッキングできるか?
ひかりも使ってだが」
ルーファスが言う。
「やってみます。ひかり」
すると何かを察知したのか、集中砲火を始める。
慌てて回避する。
しばらくすると動きが鈍くなるが
「これ以上は・・・。すみません」
「機体に装備されている停止信号弾を
叩き込むしかねえだろ。
俺がやる」
とマサトシ何言う。
「近づいて撃たないといけないわよ。
チャンスは1回。
難しいわよ、やるのね?」
とミラが険しい表情で聞く。
「ああ、分かってる。
それでもやる。援護頼む」
決意は固い。
「分かった。しくじるなよ?
各機は援護に回れ。
艦長、よろしいですね?」
ルーファスがターニャに確認をとる。
「分かりました、許可します。
ただ失敗した場合は・・・」
「分かっています。
各機散開!パターンを変えるぞ。
ミラ、イーサン!」
ルーファスが叫ぶとミラ機の狙撃と
イーサン機の射撃がAFを襲う。
それを難なく躱すが
「リュカ、ミサイル!オトハ、頭を狙え!」
リュカ機が上空からミサイルをばらまき、
オトハ機がライフルを撃つ。
それを全部躱し、オトハ機を見たAF。
「レン、イジュン後ろから!
タイミングをずらせ!」
二人が攻撃を仕掛ける。
レン機の射撃をかわした瞬間
イジュン機の砲撃が襲うが強引に姿勢を変えてかわす。
「ヴァータイト大尉! 射撃と特殊兵装を」
「了解。 風ノ礫ーウィンツグラベル
フラグメント、モードブレイド」
風の礫がばらまかれ、
避けられるがそこにフラグメントが刃を発生させて
次々と襲いかかる。
AFはフラグメントを破壊しようと射撃をするが、
フラグメントはひらひらと躱しつつ脚を止めようと襲う。
「マサトシ!」
フラグメントが右脚に刺さり、
動きが鈍った一瞬の隙を突いてまっすぐ突っ込むマサトシ機。
「うおおおおお!」
動こうとした所をルーファス機が射撃して左脚を破壊する。
そこにゼロ距離からの射撃。
しぃん、と時が止まる。
「どうだ?」
マサトシが呟いた瞬間AFの動きが止まる。
が、ピッピッと音がする。
「嘘だろこいつ動こうとして・・!?」
慌てるマサトシ。
次の瞬間一条の光がAFのコックピットを貫く。
そのままグラリと傾き、倒れる機体。
ゆるゆると背後を振り返るマサトシ機。
「ミラ・・・」
「・・・失敗した場合は、撃つ。
それが停止信号弾を使用する時のルールよ」
「分かってるさ、分かってる。
ごめんな、兄ちゃん連れて帰れなかったよ」
涙を流しながらマサトシが呟く。
「艦に戻るぞ」
ルーファスが淡々と言い、動き出す。
皆何も発さなかった。
その後、艦に戻りイサに会うアル。
「何故このような事をしたのですか?」
「必要だったからだ。
強化人間も、サイボーグも。
強きソーラルを取り戻す為に。
DSEAなどという、監視する組織のせいで
ソーラルは弱くなった!
お前達のような存在が監視し、
不当に逮捕、・拘束する権利はない!
そもそも『災厄』など訪れていないのにやたらと気にするのは可笑しい!
本当に来るのか?
お前達が監視し防いでいるのだろう?
それに暴走したら取り返しがつかない組織に属するなど、どうかしている!
ソーラルに自由を・・・」
「あ、そう」
アルが冷ややかに呟く。緑色の魔力が漏れ出しイサを威圧すると同時に風が吹き、荒れ狂う。
轟々と音がし牢がガタガタ揺れる。
「組織は不満があったら言う事は可能だよ?
内部監査も適任者達に任せている。
貴方の様な立場から、平民までね。
問題を起こしたら、活動は凍結される。
『災厄』は、因果律で人が銀河からいなくならない限り、現れ続けるって習わなかったかな?
監視だけの銀河や惑星なんていくつもある。
あちこちで悪意は生まれ、
救われず悪いものに利用される魂も大勢。
生まれる星や死ぬ星も。
払っても追いつかない。
ソーラルだって『大災厄』時は戦争してた。
『大災厄』が裏で糸を引いていたのだけれど。
被害を受けていたのに忘れてる。
寿命がある人間だから仕方がないけれど。
貴方は、ただ強いモノを作り支配したいだけだ。
自分より下の者達を。
その為に弱い立場の人間を攫い、
改造して壊した。殺した。
典型的な昔のソーラル人だね。くだらない。
そう言えば10年前のクーデター未遂には関わっていたのかな?」
魔力に気圧されるが必死に答えるイサ。
「あ、あの時は、家内に止められて!参加しなかった!
鳩派の影響がある家だったから、従うしかっ!
4年前に家内は亡くなり、実家も没落している!!!
だからっ!計画したっ!」
「そう」
呟くと圧は消え、ピタリと風が収まり静けさが戻る。
そのまま踵を返し、牢から去って行くアル。
その後処理班が到着。
行方不明者は治療を受け、少しずつ回復中。
ハルとアレックスは組織に保護される事になる。
AFの残骸も回収され、起動しようとした原因も調査。
『外部からの邪悪な力の干渉があった』
事が判明した。
総理は責任を取り辞職。内閣も総辞職。
ソーラルは新しいリーダーを決める事となった。
アルはブチギレると媒介(杖)無しでも風を発生させ、
それなりに被害が出る。(今回はなし)
普段は完璧に魔力制御してます。
登場人物の紹介と用語集。




