第2話 捜索開始
病室の中で。
「初めまして。
ソーラル支部所属【ガーディアン】ノーラン・スコット中尉であります。
このような格好で失礼します」
敬礼した中尉の両足は、膝から先が無くなっている。
左腕は固定されており、頭と左目は包帯。
「アルマート・ヴァータイト大尉です」
「オトハ・アイザワ少尉であります」
「マサトシ・アララギ少尉です」
「お久しぶりですスコット中尉」
「え、知り合いなの?」
驚く皆。
「同じ星の出身で、優秀な方ですから。
中尉、足が・・・」
「ああ、爆発に巻き込まれた時に足を挟まれてね。
時間が経ちすぎていて手術ができなくて」
「義足はもう?」
「ああ、製作に取りかかっているそうだよ」
「そうですか・・・。
中尉、早速当時の状況をお聞きしたいのですが。大まかな情報は届いており、読みました。
行方不明者の手掛かりを掴んだとか?」
オトハがノーランに尋ねる。
「はい。ただ、少し厄介というか・・・。監視されていたのは想定済みでしたが、
単独犯でトップに黙って事を運んでいるようで。
最初は政府そのものが敵かと思ったのですが、政府内の、偉い立場の誰かみたいで」
「あーそれバレたらクビどころじゃないのでは?政府の責任問題になるやつじゃない?
またトップ変わるの?ま、数年単位よりかはましだけど」
確か前にトップ変わったのは8年前だっけ?とアルマートが記憶を辿って言う。
「あーもうそんな経つ?丁度あの時か」
当時を思い出すマサトシ。
「行方不明の子、アレックス・ロバートソン。その子から聞いたんですよね」
「ええ、アレックスは1人で調査していたそうです。
その情報を掴み、保護しようとした時に襲われました」
当時の状況を語り出す。
あちこちにメモがあって。街の壁に。そこに書いていたようです彼。
文体が災厄時に使っていたものだったので、ただの落書きだと思われて消される所でした。
それで彼の事を知って。危険なので接触しようとして。
でもなかなか会えなくて。最初は警戒されていました。何とか話を聞こうってあれこれしたな。
自己紹介や出身地の話、組織の話とかしたり、『大災厄』時の話を聞いてみたり。
警戒が解けてきて、信用してくれるようになって、接触するって彼から連絡が来た後で
消息を絶ってしまって。
探していたら突然アンドロイド兵が襲ってきて、戦闘中に爆発が。
建物に仕掛けられていたようです。
瓦礫の下敷きになってしまって、気を失って。
「そしてここに搬送されました。目覚めたら足なくてビックリですよ」
明るく言うが、瞳の奥に陰りが。
「彼が何かを見ていた。そしてそれを伝えようとしたら襲われた。
アンドロイド兵って確か動かせる人物って、軍人なんだっけ?」
アルマートが尋ねる。
「そうですね、後はまあ傭兵の中にも動かせる人いますけどアンドロイド兵は軍のものですからね」
一般人は持てない。命令は主に将校、軍人、あとはベテランで軍に雇われた傭兵が出来る。
一時期マフィアも持ってましたけど、一掃されて今はいないはず
とノーランが説明する。
「襲ってきたタイプは・・・。
見た目はマフィアが持っていた旧式ですけど、中身は最新式にアップデートされていますね」
マキが端末を操作して表示する。
「わーなんかベタな・・・」
呆れるアルマート。
「近接格闘能力に秀でたタイプが10体。遠距離狙撃型が5体。
確実に殺しに来てる。
普通の人間なら殺せてる。でも殺しきれなかった。
建物を崩壊させたのが逆にあだになってるわね。それで何体か行動不能になってる」
とオトハ。
「遠距離狙撃型1体見当たらず。主の元に戻った可能性アリ、って
なんで?止め刺さなかったの?」
アルマートが頭に疑問符をつける。
「殺したと判断して戻ったのか、それとも別かしら」
該当地区の防犯カメラの情報なし。意図的に消去されている可能性アリか
オトハがそう答える。
「凄いベタ!」
そこまでするかとアルマート。
「行くしかないかしら?
そういえば、中尉を病院に搬送したのは現場に到着した警察官?」
その後ガーディアン到着。
応援に来た警察官が理由をつけて通そうとしなかった為最初に到着した警察官が通した。
現在自宅待機中?
とオトハ。
「えー勝手な行動を取った為に謹慎中。ほんとソーラルのお偉いさんは・・・。
話を聞きに行く?あ、何か見たからって殺されてないよね?」
とアルマート。
「今の所情報なし。行ってみないとか。
そこを足がかりにして始めましょうか。
詳細な情報は端末に届けるとアボット支部長が通信してきましたし。あら噂をすれば」
とオトハが言うと、
ピコ、と各自の端末から音がする。
それぞれ手に取る。
「来た来た。スッゴい量だけど。この星はやりにくいねホント」
愚痴るアルマート。
「ま、昔よりマシにはなったけど
閉鎖的で組織を嫌ってるのは変わりないな」
とマサトシ。
「よほどの事が無い限りは干渉できないものね。
今回はないといいのだけれど。ありそうな気がする」
とオトハ。
「オトハが言うとシャレにならないから、嫌だなぁ」
ね、ひかり。とマキがひかりに言うと、ひかりがコクコクと頷く。
「その子、本当に知能高いのね。可愛いな」
オトハが羨ましそうに言う。
「こいつが頼りだな」
「そうだね、頼むね」
マサトシとアルマートに言われてコクリと頷くひかり。
「では行きましょうか。中尉、ありがとうございました。あとはこちらに任せて静養してください」
「分かった。心苦しいけれど、そうさせてもらうよ。君たちも気をつけて」
オトハ達が敬礼し、身を翻す。それを複雑な思いで見つめていた。
建物から外に出て警察官の所に向かう一同。
「誰かに付けられてるよねこれ。どうする?撒く?」
アルマートが言う。
「うーん、でも下手に撒くと敵に知られて何を起こすか・・・。
街中で被害を出したくないし、アレックスくんや他の行方不明者捜索が難航しそう。
このまま電車に乗って移動するわよ」
オトハが言う。
駅に移動し電車に乗り、警官のもとへ。
「って寮の中、関係者以外立ち入り禁止だ。どうする?」
建物の前でアルマートが言う。
「一旦去りましょう。私に考えがある」
とオトハ。そのまま立ち去る。
オトハが考えた方法とは?




