第2話 切り札との初対面
続きです。
惑星エルボワ リシル王国転移ポイントA-01
白い光が出現し、すぐに消え去り現れる緑の機体。
「到着っと。
機体に異常なし。場所もピンポイント。
じゃ行きますか」
コックピットハッチが開き、
中から飛び降りるアルマート。
すると風が纏わりつき、
ゆっくり降下する。
音もなく着地し、目についたメタリックシルバーの艦と周りにいる機体を見る。
「おー壮観だねぇ。
あれが新型次元航行艦と、
次世代新型機の試験機か。
やっぱ僕の魔装騎士と違うねぇ。
模擬戦してみたいなー」
職員に支給されている魔術のカバン
の中から端末を取り出し、情報を頭に叩きこんでいく。
「えっと、確か今いるのはここ。緑が綺麗な王城の近くの一番近い転移ポイント。
近いと言っても歩いて城まで10分ほど。
そこに僕の機体と組織所有の試験機と新型次元航行艦。
だだっ広いなこの場所は。訓練場みたいだけど、例の兵器の反応はなし、か。別の場所にあると。
で王城にはこの国の貴族達が集まってきていると」
大きな白亜の城を見上げるアルマート。
城の前には噴水があり、水が噴き出している。
シンプルだが頑丈そうな黒い門。
(あの城も、噴水も、門も援助で持ち直した者。
門番だってリューゼム嬢が婚約してから届いたお金で雇い直したはず。
長い間援助をしてもらってたのに恩を感じず、それどころかお金を流用するとはいい神経してるよ。
バカなのか図太いのか。
で、そのおバカ達は今の時間はパレードで首都を回っている?
馬車に乗って国民に手を振って、をやっていると。
民に刺されそうなくらいに恨みを買ってるのに凄いね。
まぁ実際やったら死刑になるし、DSEAの職員もいるから大丈夫だろうけどさ)
「艦長に挨拶しないとなんだけど。近くにいるパイロットに声かけようかな」
1番近くにいた白とカーマインのツートンカラーの機体に向かって歩き出す。
立ち止まり見上げると敬礼をする。
「こちら【ガーディアン】所属
アルマート・ヴァータイト大尉です。パイロットの方聞こえますか?
『グラジオス』の艦長に挨拶をしたいのですが」
《こちら次世代新型機試験部隊 エッジ小隊汎用型テストパイロット
オトハ・アイザワ少尉であります。
艦長から話は聞いております。『グラジオス』へ案内致します》
コクピットハッチが開き、中から人が降りてくる。女性のようだ。
こちらに近づくとヘルメットを脱いで敬礼する。
「オトハ・アイザワ少尉であります。お噂はかねがね」
黒目黒髪、長い髪を後ろで1つに纏めている。
敬礼をし尋ねる。
「僕やっぱり有名人なんだね。
あと僕には堅苦しい言葉遣いはいらないよ。僕の方が年下だし。
これから一緒に任務する仲間だからね」
「了解しました。善処します」
「初めましてアイザワ少尉。これからよろしく」
「よろしくお願いします。ヴァータイト大尉。
これから新型次元航行艦『グラジオラス』にご案内します。少々お待ちを」
艦長から話は聞いております。
『グラジオス』へ案内致します》
そう言うと、くるりと身を翻し耳を手に当てる。
「こちらエッジ2 オトハ・アイザワ。
アルマート・ヴァータイト大尉がお見えになりました。
これから案内します」
通信を切ると
「艦長がお待ちです。行きましょう」
きびきび歩き出す。
大人しく着いて行くアルマート。
その後ろを大人しく着いて行くアルマート。
背筋は真っ直ぐ伸び、迷いがない。
隙のない物腰って感じだねー。生身でも強そうだね。
とアルマートは分析する。
艦に入り、ブリッジまで歩いて行く。時々後ろを気にしつつオトハは歩いていく。
ブリッジの扉の前で足を止める。プシュ、と扉が開き敬礼しオトハが告げる。
「失礼します。
艦長、アルマート・ヴァータイト大尉をお連れしました」
前を向いていた艦長がこちらを向く。セミロングの茶髪と青い瞳の美人。
隣には黒い瞳と茶色かかった髪の男性。
敬礼するアルマート。
「アルマート・ヴァータイト大尉であります。
今日付けで任務を合同で行うようにと、本部から派遣されました。
以後よろしくお願いします」
敬礼して口を開く艦長。
「グラジオス艦長 ターニャ・カネシロ大佐です。
司令から話は聞いています、以後よろしく大尉。
こちらは副長のショーン・カネシロ少佐」
「以後よろしく、ヴァータイト大尉」
敬礼した後自己紹介するショーン。
「チームメンバーや艦員達は任務終了後に紹介します。
大尉は会場へ。
現地職員に挨拶後、任務開始して下さい。
作戦開始の合図はどのように出すのかしら?」
「王太子拘束後、通信しますのでそれまで待機をお願いします。
この目で全部見て、確認してから判断します。
兵器の製造格納場所は端末で確認しています」
「了解しました。大尉のコールサインは確か・・・」
「ウィンド1です。通信後、自分も兵器破壊に参加します。状況を見つつ個人で動きます」
「それではそのように」
「大尉、そろそろ会場入りしたほうがいい。現地職員との挨拶もある」
「そうですね、3時間切りましたし。それでは失礼します」
敬礼するアルマート。
「大尉、髪と瞳の色は・・・」
「艦を降りたら変装と認識阻害の魔術をかけます。では、ご武運を」
身を翻し後にした。後ろをオトハが歩いているが振り向かずに歩く。
「アイザワ少尉も待機をしていて下さいね。
例の兵器はまだ数ないよね?
確かこちらが掴んでる情報では10機は完成、5機完成間近、2機もう少しって。
戦艦は途中で止まってるって・・・」
「ええ、私もそう聞いています。
元々は100機制作予定だったそうですよ。お金がかかり過ぎるので途中でバレそうになって。
ロールアウトできたのは12機だそうです」
「王太子達は隠せてると思ってる所がなんとも言えないんだけど。
ここで一旦お別れだね。じゃ、また会おう」
「はい、また会いましょう」
オトハの機体前で互いに敬礼し分かれる。
バックからメガネを取り出しかけると、アルマートの髪と瞳が茶髪茶色の瞳に変わる。
コールサインまんま過ぎたかな?
艦長と副長は夫婦(籍は入れたけど式はしてない)
軍隊ではないけど、階級は軍隊式という・・・
自衛隊式と迷った。




