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魔女見習いの日記~ラニちゃんとマジョ先生とときどき街の人~  作者: 卯月つぎ


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第二話 見習い魔女になりました2─お花屋さんがやってきた─

 今日で、魔女見習いになってから一ヶ月がたちました。

 お勉強と、先生とのくらしにも慣れてきました。

 簡単なお薬を作らせてもらえるようになってきたけど、あんまりうまく作れません。

 どうやったら、上手にできるのかなあ。


 -----


 ラニちゃんがマジョ先生の弟子になってから、一ヶ月が経ちました。まだまだ、お勉強は初歩的な内容です。でも、少しずつ、いろんなことを覚えてきました。


 最近は、簡単なお薬を作ったりもしています。まだ、薬草がたくさんあるお部屋には入れませんけれど。あのお部屋には、どんな危険な材料があるのでしょうか。


 ラニちゃんが使う材料は、お庭で採れるものです。マジョ先生のお庭で育てているのは、ハーブです。魔女の薬というより、普通のお家でも作れるようなものになります。


「基本が大切なのよ。こういう簡単なもので、きちんとできるようになっておかないとね」


 と、マジョ先生は言っていました。

 すり鉢を使って、ハーブを細かくしていきます。そのあと、熱いお湯で煮出したら、お薬……ではなくハーブティーのできあがりです。お薬ほど強くはありませんが、ハーブティーにもいろいろな効果があります。リラックスできたり、美容効果があったり。美容効果のあるものは、女の人に人気です。


 今日は、お客さんがくる予定です。街のお花屋さんが、お庭では育てていない花や薬草を届けに来るのです。お客さんというより、業者さんでしょうか。魔女が使う薬の材料を扱うなんて、普通のお花屋さんではないかもしれません。


「そろそろ来るころね。ラニちゃんのこと、紹介するからいっしょにいらっしゃい」


 マジョ先生が、そう言って間もなくお客さんがきました。先生の作った、魔法の呼び鈴のおかげで家の中なら、どこにいてもすぐわかります。便利ですね。


 ラニちゃんは、少し緊張しながら、マジョ先生の後ろをついて行きました。玄関にいたのは、やさしそうなおじさんした。


「この子が、お弟子さんかい?」

「そうよ。ラニちゃんよ。今はハーブや薬草についてお勉強中。ラニちゃん、このおじさんが花屋さん。たまに薬草とか届けてくれるから覚えてね!」

「おじさんとは、ひどいなあ」


 マジョ先生に「おじさん」と言われた花屋さんは、少し不満そうでした。


「ラニちゃんからしたら、お父さんくらいの歳ですもの」


 そうです。ラニちゃんから見たら、おじさんです。でも、花屋さんにも言い分があります。


「この子や娘から言われるならともかく、マジョ先生には言われたくないなあ」


 花屋さんは、マジョ先生と変わらない年齢なのでしょうか。もしかしたら、マジョ先生は魔法の薬で、実際より若く見せているのかもしれません。


「女性の年齢には触れないことよ。そうそう、娘ちゃんも今度連れていらっしゃいな。ラニちゃんと同じくらいでしょ」

「娘の気分次第になるから、うちの店に二人で来てもらった方が早いかな」


 花屋さんには、ラニちゃんと同年代の娘がいるようです。マジョ先生のところに引っ越してきてから、ラニちゃんは同じくらいの歳の子と会っていません。マジョ先生との生活は楽しいけれど、歳の近いお友達もいたら、もっと楽しいでしょう。


 お花屋さんが持ってきたものは、薬草のお部屋へ運ばれました。ラニちゃんはまだ入れないお部屋です。ダメと言われたことを破る気はなくても、ちょっと気になります。

 そんなラニちゃんの様子に、マジョ先生は気がついたのでしょうか。


「ラニちゃんは、水仙ってお花は知ってる?」

「はい! 白と黄色のきれいな、春に咲く花です」


 他の色もあるのかもしれませんが、ラニちゃんが見た水仙は白と黄色でした。


「そうね。じゃあニラは知ってるわよね」

「はい! たまにスープに入ってます」


 なんで急にニラが出てきたのでしょうか。


「水仙の葉っぱはね、ニラととっても似ているの。間違って食べちゃう人もいるのよ」


 言われてみれば、似ている気がします。水仙のお花がついていなければ、見分けるのは難しいかもしれません。


「その水仙の葉っぱには毒があるのよ。うっかり食べちゃうと大変なの」


 あのきれいなお花に、毒があったなんて知りませんでした。今お勉強中の薬草は、体に良いものばかりなので、毒のことはまだわかりません。


「普通にそのへんに生えてるものでも、危ないものはあるのよね。だから、専用のお部屋で管理しているの。庭で育てているのと、花屋さんやその他業者から買うもの以外は使っていないの」

「危ないのに、使うんですか?」


 そんなに危険なものなら、使わないのがいいのでは、とラニちゃんは思いました。


「そうねえ。使い方によっては、毒でも薬になったりするのよね。このお勉強は、もうちょっと先になるかな」


 毒のことをお勉強して、上手に扱えるようになったら、薬草のお部屋に入れてもらえるそうです。


 いつもとあまり変わらない一日。今日は、お花屋さんがきて、薬草のお部屋のお話を聞くことができました。ちょっとずつ、前に進んでいます。


 -----


 今日は、お花屋さんがやってきました。

 お庭で育てていないものを買っているそうです。

 お花屋さんのこどもは、わたしと同じくらいの女の子だそうです。会ってみたいな。

 お薬のお部屋のお話も聞きました。

 毒はこわいけど、お部屋に入れるようにお勉強をがんばろうと思います。

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