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転生聖女。  作者: カラスの羽飛ばし
学園編
38/49

転生聖女、モフモフを堪能する

今日から学校では授業が始まる。


三日目にして、既に殆どの席は最初に座った場所に固定されている。

既に私の指定席となった1番後ろの真ん中辺りに行くと、横の席にコータスがいた。

昨日の事を思い出し、マトモに顔を見れない。


「おはようございます、ハルノス嬢。」


「コータス様、おはようございます。」


「ハルノス嬢は、その…ドラゴン(アトラス)ペガサス(ソラ)を従魔にしていると聞いたのですが、良ければ二匹に合わせて貰いたいのです。」


「…えぇ、構いませんよ。今日の帰りでも宜しいですか?」


「はい!ありがとうございます。」


二匹とも見た目がカッコイイから男の子は好きなのかもしれない。


ガラガラッ


「皆おはよう。今日から授業始める、席に座れ。」


----------------------------------------


ガヤガヤ…


「人がいっぱいね。」


「貴族席を二つ予約しております。」


「ありがとう、ニコル。」


「従者の役目ですから。」


昼休みの食堂には、沢山の人。

メニュー表には、一番人気と書かれたオークキングのステーキ定食と書かれている。

育ち盛りの子供達にお肉は大人気だ。


「何にしようかしら…。」


思えば、転生してからの8年間自分でメニューを選ぶなんてしてこなかった。

常に「一流シェフのオススメ」のご飯である。

結局、二番人気の季節野菜のシチューを選択する。ニコルも同じ物を選び、予約してくれていた席に向かう。


建前上学園内では身分差は存在しないとはいえ、学園を出たら貴族と平民では埋められない差がある。

その最もたる例が生活費だ。

平民家庭が一ヶ月銀貨5枚で生活出来るのに大して、貴族は爵位にも寄るが金貨5枚にもなる場合がある。

それほど生活費に違いが出ると、学園内での昼食に掛けられる金額も違う。常に弁当を持てたらいいが、不可能な場合もある。


食堂の金額を貴族に合わせると平民が食べられず、平民に合わせると貴族が普段食べている様なものは食べられない。

そこで、食堂は入り口から向かって右側が平民用、左側が貴族用とカウンターが分かれている。

貴族用の予約席も用意されている。

「自分達とのご飯の質の差を見なくてもいい」と平民からは大好評だ。

平等は努力の上に成り立っている。


「ハルノス嬢はシチューにしたのですね。」


そう言いながら隣に座ったのはコータス様。


「えぇ、思えば自分からメニューを選んだのなんて初めてですわ。いつも美味しい物を出してくれるから…。」


「公爵家のシェフはとても優秀な方々なのでしょうね。」


「そうですね。とても周りの人に恵まれているので。」


モフッモフッモフモフモフ


(さっきからちょいちょい背中に当たってるんだけど…幸せだわ。)


----------------------------------------


厩舎の方へ向かう二つの人影。ハルノスとコータスだ。


「コータス様はドラゴンが好きなのですか?」


「はい!空を飛べるなんて、カッコいいですよね!」


「そうね。背中に乗って飛ぶと気持ちいいわ。」


『ん?客かの?』


「あら、起こした?ごめんなさいね。」


『構わんよ。…所で、客人が固まっておるが良いのか?』


「…ハッ!失礼いたしました。初めまして。コータス・ミミストリーです。ハルノス嬢にお願いをして、お2人を見させて貰いに来たのです。」


『それで我が喋った事に固まったのか。』


「喋る事は聞いていましたが、やはり聞くことと見ることは違いますね。」


『固まる様な事でも無い気がするがの…。』


「ブルルッ」


自分を忘れるなと言わんばかりに鼻を鳴らすソラ。


「ソラさん、初めまして。コータス・ミミストリーです。よろしくお願いします。」


「ブルッ」


『…?主よ、コータスは主のつがいなのか?』


「へっ!?何を突然…」


『…ハイエルフは嗅覚が人間と変わらぬから分からんのか。コータスは主にマーキングをして、「自分がつがいだ」と匂いで示しておるが…。』


コータスの方へ振り返ると、ばつが悪そうに目を逸らした。


「マーキングされた覚えがない…。」


「ハルノス嬢、ごめんなさい!し、食堂で…その…。」


「あぁ、モフモフしてたあれか。」


「はい。…僕は、ハルノス嬢の事が好きです。一目惚れでした。何年かかろうとも絶対に振り向かせます。」


熱が顔に集まるのが分かる。こんな事を言われることなんて初めてだ。

胸がドキドキするのがタダの経験不足からなのか、彼の言葉で心を動かされたからなのかは分からなかった。


「では、失礼します。ハルノス嬢、また明日。」


そう言って走り去った彼は首筋まで真っ赤になっていた。

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