6.お出かけ4
「次はどこ行く?」
僕が聞いたら、
「お腹空いた。」
と、りっちゃんが言った。
「そろそろご飯にする?」
と、マーくんが言った途端、りっちゃんとナナちゃんがある店の前で立ち止まった。
「どうしたの?レストラン街こっちじゃ…。」
僕が声をかけながら振り返ると、二人が見ていたのは、フルーツショップのショーウィンドウだった。
「どう?これ。」
ナナちゃんが言ったから、
「こっちがいい。」
と、りっちゃんも。二人が指し示したのはバラバラだったけど、どちらも巨大なパフェだった。
「ご飯食べるんじゃなかったのか?」
マーくんは遠慮なく言ったから、二人とも落ち込んでしまった。
「僕もご飯食べに行きたいな。」
と、言ったら、仕方なく、2人ともうなずいて、ご飯の店に行くことになった。
「何食べに行く?」
ぼくが改めて聞くと、
「食べ放題行く?見た目で料金安くなるんじゃ…」
と、マーくんが言うと、
「えー。いっぱい食べないといけないじゃん。」
と、ナナちゃんが言ったから、
「パフェみんなで食べたいから、ダメ?。」
と、りっちゃんが言ったけど、
「さすがにパフェがごはんはいやだよ。」
と、僕が言ったら、
「うん。確かに。じゃあ、いっぱい食べなくてもいいところを選ぶから、そこでちょっとぐらい食べてね。」
と、マーくんが言った。
「うん。」
ちょっとしょんぼりしながら、りっちゃんが言った。
やっと納得してくれたから、もう一度移動を再開する。
結局、みんなが納得する店はレストラン街では見つからず、仕方なくフードコートにやって来た。
みんなそれぞれの食べ物を注文し、食べ終わると、りっちゃんが、
「パフェ行こうよ。」
と、言ったから、
「えー、ご飯のすぐあとなのに、まだ食べるの?」
と、僕が言ったら、マーくんが、
「りっちゃん、おはぎ食べなくてもいいなら、みんなで食べに行こうか。」
と、言ったから、
「うーん。食べたかったんだけどなぁ。」
と、言って、残念そうな顔をした。ナナちゃんが、
「おはぎは帰りに買っていって、明日のおやつにしたらいいから、今日はパフェにしようよ。」
といったから、また3階に行って二人が見ていたフルーツショップに行くことになった。
ショーウィンドウには、おいしそうなメニューがたくさん並んでいた。ここで迷っても仕方がないので、すぐに店に入って、メニューを見た。
モンブラン、安納芋、パンプキン、抹茶、チョコ、フルーツ…
りっちゃんが最初に見ていたのは、フルーツのたくさん載ったもの、ナナちゃんが興味を持ったのは、チョコレートのものだった。二人でもめて、たくさん注文するのかと思ったら、
「りっちゃんが取りたかったものをみんなで食べよう。」
とナナちゃんが言ったから、結局フルーツがたくさん載ったものをみんなで食べることになった。注文してしばらくメニューを眺めているうちに、すぐにパフェが届いた。
「みんなで食べるには、お皿とフォークが必要だけど、その前に、記念に店員さんに写真撮ってもらおうよ。」
と、ナナちゃんが言ったから、店員さんにお願いした。たぶん、こんな写真を残しておこうなんて言う人は少ないのだろう。店員さんは最初、
「どなたかのお誕生日ですか?」
と言っていたけど、
「いえ、家族の記念にしたいだけなんです。すみません、お忙しいのに。」
と、マーくんが言ったら、
「いいえ。大丈夫ですよ。」
と、言って、快く撮ってくれた。
撮った写真は2枚。1枚目はみんなが同じ側の席に並んでパフェを真ん中ににっこりしている写真、もう1枚は自分の席でパフェをつついているように見える写真だ。本来だったら一緒には存在しえない、学生時代の両親とともに写真を撮って、僕たち家族の中に思い出の形として残った。
そのお店のパフェはとてもおいしかった。フルーツショップの商品だけあって、とても甘い果物がたくさん入っていた。食べ終わったら、会計を済ませて、次に行きたい場所を話し合った。みんな満足してしまって、ほかに行きたい場所が思いつかなかった。
みんながやりたかったことをこなしてから、明日のおやつに決定したおはぎを買って帰ることになった。ご飯の後にパフェを食べて、おなかがいっぱいだったからか、あれもこれも買いたいとは思わなかった。
最初の目的だった食品売り場の買い物が終わったのが2時半過ぎ。ちょうど家に帰りつく頃には、普段ならおやつだけど、みんなお腹がいっぱいで、少しのんびりしたあと、軽く晩御飯を食べたら、みんなすぐに眠ってしまった。
そこからの週末は、どこにも出かけることなく、のんびりというか、必要なことをこなすだけで過ごし、気がついたら日曜日の夜だった。




