20XX年 9月2日 彼女の見た夢
仲良しのGqhe子と、tndro美。連れだっておトイレタイム。いつも一緒だった。これって、ずっと続くと思ってた。
そう、思ってた……
なんだか、とても懐かしくて、とても大切な思い出。
でも。
この子たち、誰だっけ?
そこに、私もいる。そこにいるのに、どうして私は、こんな所に……
~ ・ ~
彼女は、目を覚ました。
ゆっくりと周囲を見回すと、薄暗い部屋の中にいるのが分かる。
ベットの横に、むき出しのトイレがあった。
なぜ起きたのか。尿意で起こされたというか、起きてしまった。
これで、用を足す、の?
昨日の事を思いだす。女性職員に、脱走防止のために、留置所に備え付けのトイレを使うように言われていた。
日本じゃありえない、絶対無理! と怒った。
結局、使わなかった。手錠をされていたし、恥ずかしすぎるし。
取り調べの合間に、女性職員の立ち合いで、署内のトイレには行かせて貰えた。それでも、仕切り戸は空けたままで、監視されながらだったから、とても恥ずかしかったけど。
だから、我慢すれば、大丈夫。
大丈夫、じゃない。
もう、漏れそう。
しばらくモジモジしていたが、無理。絶対に無理。
彼女は、意を決して、便座の縁に腰かけた。
後ろ手に手錠をされているので、なかなか難しいのだが、腰を浮かし、指でショーツを少しずつずらしていく。一度には下げられないので、左右に身体を捻り、腰を振って、何とか指を届かせる。
昨日はスカートに隠れていたので、まだ恥ずかしさは軽減された。見られていたけど。
でも、今日は、誰も見ていないはずなのに、なお一層、恥ずかしく思える。
ああ、何で私、こんな所にいるんだろう……
やりきれない思いは、今までの平穏を遠慮なく泡立てていくような水音を残して、流れて行った。
(つづく)




