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【書籍化&コミカライズ決定】会社をクビになった俺、深夜ダンジョンでゴミ拾いしてたら【鑑定】が覚醒して配信界のトップになった  作者: 小狐


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ダンジョン調整入ります!④

小狐より皆さまにお知らせです。

先日発表された 第10回アース・スターノベル大賞にて《奨励賞とコミカライズ賞》 のW受賞いたしました。

ここまで作品を読んでくださった皆さま、応援してくださった皆さま、ブックマーク・評価・コメントなどで支えてくださった皆さまのおかげです。

本当にありがとうございます。


今後は書籍化に向けて進めて参ります。

詳細については今後定期的に発信してまいりますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

 周囲の空気が、急に泡立っていく。


 すると、すぐ近くにいた技術管理の女性が、かなり控えめな声で真壁に告げた。


 「……それ、一般的に最上位権限なのでは?」


 「…そうですね…たぶんそうです」


 「………」


 「でも、暗証番号みたいなものは見えないんですよね。こっちの方が通りやすそうです」


 支援チームの女性が、額に手を当てた。


 Admin権限に向かって鑑定を通す。

 今俺が鑑定を通している領域は恐らく下層で、上層に行けば行くほど重要な管理をしている領域だと鑑定結果がそう示していた。

 その中でも権限をつかさどる領域を探り当て、その術式の状況を丁寧に鑑定していくと、妙な穴を発見する。


 「これは…ぱっと見、裏口みたいな感じか?」


 俺の独り言に、周囲は頭にはてなマークを浮かべていた。


 「あ、普通にこの領域いけた…」 


 黒い接続端末の盤面に、細い光が走る。

 それを見ていた周囲は一斉に声をあげた。

 同時に護衛がかなりピリついた。


 「光ったぞ!」

 「な、なにが起こったんだ…」

 「やばい、なにしてるかサッパリわからん…」

 

 視界の端に、画面が切り替わる。


 ――――――――――――――――――――

 接続先:ダンジョンコア簡易管理画面

 対象:東京ダンジョン・有明臨海ゲート/WEG競技用コース

 接続方式:ダンジョンコア接続端末経由

 権限:Admin

 状態:限定接続

 備考:この接続端末からでは一部項目のみ操作可能。高負荷操作不可。

 ――――――――――――――――――――


 「ログイン完了です」


 「え? その…何にログインしたんですか?」


 安全監査の人が恐る恐る聞いた。


 「ダンジョンコアの簡易管理画面です」


 誰もすぐには返事をしなかった。


 俺はそのまま無視するかのように画面を追う。

 項目には、魔物の難易度、出現率、鉱物資源の再生成、魔力霧濃度、階層接続補正などが並んでいる。


 ただし、ほとんどの項目に薄い灰色の制限表示がかかっていた。


 ――――――――――――――――――――

 魔物難易度:操作不可

 出現率:操作不可

 鉱物資源:操作不可

 魔力霧濃度:操作不可

 階層接続補正:操作不可

 エネルギー残量:不足

 備考:個別調整にはコア本体接続が必要。

 ――――――――――――――――――――


 「個別の調整は無理そうです。元になるエネルギー残量が足りないみたいです」


 競技責任者が、周囲を見回し、「どういうこと?」と呟いた。


 「ダンジョン側の管理用リソース、みたいなものだと思います。魔物の難易度とか出現率とか鉱物資源とか、細かいところは触れません」


 周囲は再度無言になる。

 そこで名取が近寄って来て、この壁に埋め込まれている盤面を見た。


 「めちゃくちゃ面白展開ですね!!」


 「そんなこと言ってるとまた怒られますよ?」


 名取は後ろを振り返ると、支援チームの女性は手招きをしていた。


 「とりあえず、色々設定見てみます」


 そう言いながら、別の項目を開いていく。

 すると、【モード変更】という項目を探り当てた。

 そこだけ、灰色になっていない。


 「お、見つけた!」


 ――――――――――――――――――――

 項目:モード変更

 分類:ダンジョンコア簡易管理項目

 現在モード:HARD

 選択候補:NORMAL

 状態:選択可能

 備考:実行前に競技用センサー状態確認が必要。

 ――――――――――――――――――――


 周囲の全員が、ダンジョンコアとの接続端末から視線を外し、俺を見た。


 「……何を見つけたんですか?」


 「モード変更です。これ生きてるっぽいです」


 「ちょ、ちょっと待ってください!! 簡単に起動させ…」


 「…え?」


 俺は既に起動させた後だった。

 

 「あ、すいません…この鑑定結果を見ると、今はHARDモードになっているので一旦、ノーマルに変更をかけてます」


 競技責任者の顔つきが明らかに変わった。


 「それは、その変更が通れば、競技条件を午前の状態へ戻せる可能性がある、と?」


 「恐らくですけど。見る限りEASYモードは無かったですから、普段はこのモードだと思います」


 言い終わった時、鑑定結果が更新された。


 「ん? 変更が通っていない??」


 ――――――――――――――――――――

 現在モード:HARD

 変更候補:NORMAL

 警告:変更前に競技用センサー状態確認が必要

 実行:待機中

 ――――――――――――――――――――


 もう一度NORMALを選ぶ。

 次の瞬間、赤い表示が返ってきた。


 ――――――――――――――――――――

 変更失敗

 理由:競技用センサー異常

 対象:地下三階層/補助センサーB-3-17

 状態:異物遮断

 対応:該当箇所の確認を推奨

 ――――――――――――――――――――


 「あれ? できないぞ」


 「どういうことです??」


 「エラーです。地下三階層のセンサーが、何かで遮られているみたいです」


 周囲からは驚きの声と、ダンジョンにセンサー? という声が上がった。


 「と、とりあえずですが、場所は分かりますか??」


 「マップがあります」


 俺は表示を切り替えた。

 簡易マップが開く。

 地下三階層の一角に、赤いバツ印が出ていた。


 「ここです」


 俺は鑑定結果を写すためのノートに、大雑把な地図と位置を書き込んだ。

 技術管理の女性が、すぐに照合作業に入った。


 「照合結果出ました!! 具体的な場所がわかりました!」


 競技責任者が振り向く。


 「機器担当を向かわせてください。大至急です」


 「了解しました」


 職員が走る。

 技術管理の女性も、通信で該当区画を伝え始めた。


 俺は、そのまま接続端末の前で待つ。

 鑑定を通してダンジョンコンソール画面には、赤いバツ印が残っていた。


 約20分後。


 技術管理の女性が連絡を受け取った。


 「現地確認完了。該当地点に競技用の機材が設置されていたとのことで、いま除去しましたとの報告がきました」


 画面の赤いバツ印が消えた。

 同時に、モード変更画面の警告も消える。


 ――――――――――――――――――――

 現在モード:HARD

 変更候補:NORMAL

 センサー状態:正常

 実行:可能

 ――――――――――――――――――――


 「いけそうです」


 「では、お願いします!」


 俺はNORMALを選び、実行した。


 黒い接続端末の光が、一度だけ強く走る。

 視界に短い表示が出た。


 ――――――――――――――――――――

 モード変更:受理

 変更前:HARD

 変更後:NORMAL

 反映状況:進行中

 備考:魔素濃度、罠作動条件、魔物のランクを順次再同期

 ――――――――――――――――――――


 モニタリング担当が声を上げる。


 「魔素濃度、低下傾向。魔物反応値も下がっています。罠作動条件も午前ログに近づいています」


 競技責任者が、俺の方を向いた。


 「これは午前の状態に戻った、そう考えてもいいんですね?」


 「多分ですけど、そう考えていいんじゃないのかと」


 すると、名取がいつの間にかひょっこりと現れる。


 「でも、それを確認できるのが真壁さんだけっていうのがなぁ」


 誰も、そこには反論しなかった。

読んでいただきありがとうございます。

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