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家系ラーメンが好きすぎて、擬人化してしまった!?  作者: 源三郎


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第24話 たんめちゃん、野菜と塩気のヒロイン

今度は、最初から隣にいる。


焼津では遠くの駐車場から見ていたメンちゃんも、今回は同じ列に並ぶ。


舞台は、岐阜タンメン本番。


野菜、塩気、にんにく、辛味。


家系とは違うルールの中で、メンちゃんは新しい麺妖精と出会う。


そして、見るだけではなく、自分でもほんの少し味を受け止める。

岐阜に着いた時、メンちゃんはまず空気を吸った。


「どうだ」


「まだ家系ではない」


「空気で分かるのか」


「鶏油の気配が薄い」


「全国の空気を鶏油基準で測るな」


彼女の中では、鶏油は気圧や湿度と並ぶ正式な環境指標らしい。天気予報に「本日の鶏油」の欄はない。


この妖精と歩いていると、俺までずいぶん詳しくなった。


メンちゃんは真剣だった。


しかし、焼津の時とは違う。


警戒はしている。


だが、逃げ腰ではない。


双眼鏡もない。


フードもない。


俺の隣を歩いている。


それだけで、前回とはずいぶん違っていた。


……ただし、かばんは妙にふくらんでいた。


「その荷物は何だ」


「外交セット。家系法度の写しも入っている」


「ラーメンに憲法はいらない」


店に近づくと、行列が見えた。


家系の店の前とも、焼津の朝ラーの店とも違う空気だった。


昼前の明るさ。


家族連れ。


若い客。


仕事中らしい人。


湯気の向こうから、野菜とにんにくの香りが流れてくる。


メンちゃんの鼻がぴくりと動いた。


「にんにく」


「分かるのか」


「分かる。あれは最初からいるタイプ」


「昨日の幼なじみ理論か」


「うん。告白前から同じクラスにいる」


「ラーメンの学校生活を始めるな」


列に並ぶ。


メンちゃんはノートを開き、チェック項目を確認している。


一口目のスープ。


麺の太さ。


野菜の量。


にんにくの位置。


辛味の扱い。


ライスの必要性。


ご主人様の顔。


相変わらず、最後の項目だけ線が太い。


「今日は隣で見られるな」


俺が言うと、メンちゃんはノートを閉じた。


「ご主人様」


「何だ」


「そういうことを列で言うのはよくない」


「なぜ」


「湯気が増える」


「お前の顔が赤いだけだ」


「辛味の予習」


「便利な言い訳だな」


その時、うしろの客が、うっとりとメンちゃんの髪の方へ鼻を動かした。


「あの人、私の家系の匂いに引かれてる」


「岐阜まで来て他人を巻き込むな」


家系の匂いは、県境を越えても人を巻き込む。


しばらくして、店内へ案内された。


券売機は、家系の店とは違う顔をしていた。


メンちゃんが食い入るように見る。


「ライス」


「あるな」


「よし」


「最初から頼むのか」


「外交には米が必要」


「また外交」


結局、俺はタンメンと小ライスを選んだ。


メンちゃんは隣で、勝ち誇ったようにうなずく。


「米は平和」


「お前の平和は白いな」


席につくと、厨房から野菜を炒める音が聞こえた。


スープを煮込む大鍋、家系の寸胴の重い気配とは違う。


火。


野菜。


にんにく。


塩気。


湯気が立ち上がるたび、メンちゃんの髪の家系の香りが少し揺れる。


薄くなったように見えた。


いや、気のせいかもしれない。


俺がそう思った瞬間、メンちゃんが自分の髪に触れた。


「どうした」


「今、少し」


「少し?」


「私の匂い、遠くなった気がした」


胸の奥が、少し冷えた。


家系の外へ出るということは、店を変えるだけではなかった。


メンちゃん自身の輪郭にも、知らない湯気が触れるということだった。


「メンちゃん」


俺が呼ぶと、彼女は顔を上げた。


「隣にいる」


それだけ言った。


説明しすぎると、薄くなる。


古暖屋の帰り道で、それも覚えた。


メンちゃんは少し目を丸くして、それから小さくうなずいた。


「うん」


だが、うなずいた後も、彼女の指は髪から離れなかった。


「ご主人様」


「何だ」


「少しだけ、味を見る」


「無理するなよ」


「無理じゃない」


メンちゃんは真剣な顔で、俺の丼を見た。


まだ食べる前の湯気。


野菜の甘み。


塩気。


にんにく。


家系ではない、知らない温度。


「見てるだけだと、遠くなる気がする」


その言葉は、焼津の駐車場の双眼鏡よりずっと近かった。


「じゃあ、少しだけ」


俺はレンゲにスープをほんの少しだけすくった。


メンちゃんはそれを受け取る。


手元がわずかに揺れていた。


「家系じゃなくなるかな」


「ならない」


俺が即答すると、メンちゃんは少し笑った。


「早い」


「そこは迷わない」


メンちゃんはレンゲを唇の前まで持っていった。


けれど、そこで止まった。


湯気が彼女の前髪を揺らす。


鶏油の香りが一瞬、遠くなる。


代わりに、野菜の甘みが彼女の周りに薄く混ざった。


メンちゃんはレンゲを少し下げた。


口にする直前で、怖くなったのだと分かった。


俺は何も言わなかった。


言えば、彼女はきっと飲む。


飲めてしまう。


それは、たぶん違う。


これは俺に言われて試す一口ではない。


メンちゃんが、自分で近づくかどうかを決める一口だ。


レンゲの上で、薄いスープが小さく揺れている。


家系の濃い茶色ではない。


魚介の澄んだ朝とも違う。


野菜の甘みを含んだ、淡い色。


その色が、メンちゃんの瞳に映っていた。


彼女は一度、レンゲを丼の縁へ戻しかけた。


俺はその手を止めなかった。


戻すなら、それでもいい。


知らない味を怖がることまで、薄いとは思わない。


メンちゃんは丼の縁の手前で止まった。


それから、小さく息を吸った。


「ご主人様」


「何だ」


「もし、これを飲んで私が少し変わっても」


「うん」


「見てて」


「見てる」


「家系じゃなくなりそうだったら」


「その時も見る」


「止めないの?」


「止めるんじゃなくて、呼ぶ」


メンちゃんの指が、少しだけ落ち着いた。


「それ、家系っぽい」


「そうか」


「濃いものは、力で止めるより名前で呼ぶ方が戻る」


「名言っぽいな」


「今、怖いから」


そう言って、メンちゃんは少し笑った。


「怖い?」


俺が聞くと、メンちゃんはこくりとうなずいた。


「怖い。でも、知らないまま嫌いって言うのは、もっと薄い」


彼女は、ほんの少しだけスープを口にした。


すぐに飲み込む。


目を閉じる。


何かが起きるかと思った。


身体が薄くなるのではないか。


家系の香りが消えるのではないか。


俺は、息を止めていた。


メンちゃんはゆっくり目を開けた。


「……野菜」


「感想が素直だな」


「甘い」


「うん」


「でも、弱くない」


その瞬間、彼女の髪からふわりと鶏油の香りが戻った。


完全に同じではない。


野菜の甘みが、一筋だけ混ざっている。


それでも、家系の香りだった。


メンちゃんは自分の髪に触れる。


「消えてない」


「消えてない」


「混ざった?」


「少し並んだ」


俺が言うと、メンちゃんはレンゲを返した。


「じゃあ、私はまだ家系」


「まだ、じゃない」


「何?」


「ちゃんと家系だ」


メンちゃんは少しだけ顔を赤くした。


「ご主人様、そういう確認は濃い」


「今のは必要だろ」


「必要」


彼女は素直にうなずいた。


その時、丼が置かれた。


湯気が上がる。


野菜の甘い香り。


にんにくの香り。


塩気。


スープは家系ほど濃くない。


だが、弱くもない。


白と緑と淡い黄色の湯気が、丼の上でほどける。


「いただきます」


俺はレンゲを取った。


メンちゃんが隣で、じっと見る。


今度は、遠くの駐車場ではない。


同じ席。


同じ湯気。


一口目の顔が、ちゃんと届く距離。


スープを飲む。


熱い。


塩気が来る。


野菜の甘みが後から来る。


にんにくが、奥で背中を押す。


家系のように重く受け止める味ではない。


焼津の魚介のように静かに起こす味でもない。


これは、体を起こして、整えて、前へ出す味だ。


「うまい」


俺は言った。


その瞬間、湯気の中から少女が現れた。


白と緑でまとめた衣装。


淡い黄色のリボン。


赤い辛味あんのような小さな飾り。


ふわっとしているのに、目元に芯がある。


彼女は笑った。


「でしょ?」


メンちゃんが身構える。


「あなたが」


「たんめちゃん」


少女は自分で名乗った。


メンちゃんが小さく息をのむ。


「名前、合ってた」


「何の話?」


「外交」


「よく分からないけど、よろしく」


たんめちゃんは明るく笑う。


「岐阜タンメンの湯気、野菜と塩気の応援担当。濃いだけが元気じゃないよ」


メンちゃんの眉が動く。


来た。


その言葉を待っていたような反応だった。


「濃いのも元気です」


「うん」


たんめちゃんはあっさりうなずいた。


「でも、今日は野菜で起きて、塩気で背中を押す日」


「ほうれん草だって野菜です」


「うん、でも今日はキャベツも白菜もいるよ」


その時だった。


丼の湯気が、ぽん、と小さく弾けた。


湯気の中から、葉っぱの体をした手のひらほどのちびキャベツが、丼のふちに腰かけている。


続いて、白菜がしゃきっと背筋をのばして現れた。


さらに、もやしが何本も、細い体をぴょこぴょこ揺らしてわいてくる。


「野菜が、人になった」


俺は思わず言った。


メンちゃんが目を見開く。


「たんめちゃん、これは反則です」


たんめちゃんはけろりとしている。


「反則じゃないよ。全員、今日の当番なだけ」


キャベツが胸を張り、白菜がうなずき、もやしたちがいっせいに小さく手を挙げた。


「野菜の人数で押してくるタイプだ」


俺は言った。


もやしが一本、二本と増えて、数えるのをやめた。


丼の上が、いつのまにか小さな野菜の集会になっている。


「人数じゃなくて、チームワーク」


たんめちゃんは楽しそうに言うが、どう見ても人数で押している。


メンちゃんが立ち上がりかけた。


「多勢に無勢は不公平です」


「じゃあ、メンちゃんも呼んだら?」


「呼べません。家系のほうれん草は、今日ここにいない」


「あれ、一人?」


メンちゃんが、ぐっと言葉に詰まった。


「……一人です」


キャベツがぴょんと跳ねて、「仲間に入る?」と言うようにメンちゃんの前に立った。


メンちゃんは、少しだけたじろいだ。


「野菜が、多い」


「そうだな」


「でも、逃げではない」


たんめちゃんがうれしそうにうなずいた。


「そう。野菜は逃げじゃないよ。明日も食べるための準備」


もやしたちが、うんうんと体を揺らす。


メンちゃんの目が少し揺れた。


明日も食べるため。


長く好きでいるため。


その言葉は、メンちゃんの中に、まっすぐ入った。


だが、メンちゃんも黙っては引かない。


彼女はかばんから、あの分厚い写しを取り出した。


「家系法度」


「え、それ何」


「メンちゃんが勝手に作った、家系のルール」


俺が説明すると、メンちゃんは真顔でページをめくった。


「対抗条項を制定します」


「今ここでか」


「家系法度・第二十四条」


キャベツも白菜も、しんと動きを止めた。


「野菜が多くても、一口目のスープは主役である」


たんめちゃんが、ぷっと吹き出した。


「なにそれ、律儀」


「第二十六条」


「多いよ」


「野菜は仲間に入れてもよい。ただし、鶏油を薄くしてはならない」


そこまで言って、メンちゃんは写しをぱたんと閉じた。


キャベツが、おそるおそる手を挙げる。


「じゃあ、薄くしなければ、一緒にいていい……?」


メンちゃんは、少し黙った。


それから、小さくうなずいた。


「いい。並ぶのは、いい」


キャベツが、ぴょんと跳ねて喜んだ。


白菜が頭を下げ、もやしたちがメンちゃんの足元に集まる。


「なつかれてる」


「これは家系法度・第二十六条の副作用です」


「条項に副作用があるのか」


メンちゃんは困った顔をしたが、足元の野菜を蹴とばしはしなかった。


たんめちゃんが目を細める。


「ルールを作ってでも、仲間に入れたんだね」


メンちゃんは答えなかった。


代わりに、丼の中の野菜を、もう一度よく見た。


確かに、野菜が多い。


一つ一つが主役というより、まとめて湯気を作っている。


家系のほうれん草は、スープを抱きしめる担当。


このタンメンの野菜は、スープの中で肩を組んでいる。


方向性が違う。


「肩を組む、か」


メンちゃんが小さくつぶやいた。


一人ではできない組み方だった。


俺は麺をすする。


細すぎず、太すぎず、スープと野菜を連れてくる。


にんにくの香りが強い。


だが、家系の途中投入のにんにくとは違う。


最初から、そこにいる。


「にんにく」


メンちゃんがつぶやく。


たんめちゃんが首をかしげた。


「好き?」


「好き。でも、タイミングが大事」


「ここでは最初から一緒だよ」


「最初から」


「うん。最初から背中を押す」


メンちゃんは少し考えた。


「家系のにんにくは、途中で覚悟する告白」


「タンメンのにんにくは?」


たんめちゃんが楽しそうに聞く。


メンちゃんは丼を見た。


「朝から隣の席にいる幼なじみ」


「何それ、かわいい」


「かわいいの?」


「うん。ずっといたのに、ある日急に気づく感じ」


「それは危険」


「危険だね」


二人はなぜか納得し合った。


俺は置いていかれた。


薬味の話が、勝手に恋愛ジャンルへ入っていく。


たんめちゃんは俺を見る。


「お兄さん、辛味足す?」


メンちゃんがすぐ反応した。


「辛味」


「うん。少し足すと、また変わるよ」


「味変」


「そう」


メンちゃんの目が職人の目になる。


家系では、味変のタイミングは重要だ。


「ご主人様」


「何だ」


「今は、まだ早い」


たんめちゃんが感心したように笑う。


「分かってるね」


「味変は、告白の次にタイミングが大事」


「告白多いね、家系」


「多いです。愛が濃いので」


たんめちゃんは楽しそうだった。


彼女はメンちゃんをからかうが、馬鹿にしてはいない。


むしろ、メンちゃんの濃さを面白がっている。


それが分かったからか、メンちゃんも完全には怒らない。


俺は半分ほど食べたところで、少し辛味を足した。


赤い色がスープに溶ける。


香りが変わる。


野菜の甘みの後ろに、ぴりっとした刺激が立つ。


「うまい」


また言ってしまった。


メンちゃんがこちらを見る。


俺は、今度は彼女の方も見た。


約束通り。


うまいって言う時、私の方も見て。


メンちゃんは一瞬、目をそらしかけた。


だが、そらさなかった。


代わりに、水を俺の方へ押した。


「辛味の後は水」


「ありがとう」


たんめちゃんが、二人のやり取りを見ていた。


「いいね」


「何が」


メンちゃんが警戒する。


「おいしいを止めないで、水を出すところ」


メンちゃんの指が止まる。


「止めた方がいい?」


「無茶なら止める。でも、おいしいなら止めなくていいんじゃない?」


たんめちゃんは、湯気の中で少しだけまじめな顔になる。


「あなたも、本当はご主人様に長く食べてほしいんでしょ」


メンちゃんは黙った。


答えは、もう分かっている。


好きだから食べてほしい。


でも、好きだから無理してほしくない。


「……長く」


メンちゃんは小さく言った。


「長く好きでいてほしい」


「じゃあ、整える日もいるよ」


たんめちゃんは笑う。


「野菜も、水も、普通の日も。全部、次においしく食べるため」


キャベツも白菜ももやしも、「整える日は味方だよ」と言うようにいっせいにうなずいた。


メンちゃんは何も言わない。


けれど、俺の水をもう一度確認した。


減っている量を見て、満足そうにうなずく。


「ご主人様」


「何だ」


「ライス」


「まだいくのか」


「小ライスは平和」


たんめちゃんが笑った。


「米も合うよ」


「ほら」


メンちゃんがドヤ顔になる。


俺は小ライスを少し食べた。


タンメンのスープと野菜を受ける米。


家系のスープ海苔ライスとは全然違う。


だが、これはこれでいい。


「うまい」


メンちゃんは、今度は頬をふくらませなかった。


少しだけ得意げに言う。


「米は平和」


「お前が言うと説得力があるな」


家系ではない味を、はっきりうまいと言った。


それでも、うまいと言うたびに、隣のメンちゃんを見た。


彼女を置いていく言葉ではなく、一緒に次の一杯へ向かうための言葉だった。


食べ終える。


全部は飲み干さない。


だが、うまかったことは残る。


俺がレンゲを置くと、たんめちゃんの輪郭が少しだけ湯気に戻り始めた。


完全には消えない。


店の空気の中に、野菜の甘みと塩気として残る。


足元のキャベツも、白菜も、もやしも、ふわりと湯気にほどけていく。


最後に、もやしが一本だけメンちゃんの肩にちょんと乗って、「並んでたよ」と言うように消えた。


メンちゃんは、消えた肩のあたりに、そっと手を当てた。


「また来てね」


たんめちゃんは言う。


「明日も食べるための今日、忘れないで」


メンちゃんが小さくうなずいた。


「忘れない」


店を出ると、日差しが明るかった。


焼津の朝とは違う。


岐阜の昼。


体の中に、野菜の湯気と塩気が残っている。


「書く?」


「帰りの電車でな」


「字、丁寧に」


「分かってる」


「あと」


「何だ」


メンちゃんは巡礼ノートを開き、さっき制定した家系法度の走り書きの下に、一行だけ書き足した。


「なんて書いた」


「整える日も、家系である」


野菜を怖がっていた彼女が、自分で書いた条項だった。


「いい条文だな」


「必要だから」


メンちゃんはノートを閉じた。


それから、少しだけ俺の袖をつまんだ。


「うまいって言う時、見てくれてありがと」


そう言われて、俺は一瞬返事に困った。


たんめちゃんが店ののれんの内側で、にやにやしている気がした。


「どういたしまして」


俺が言うと、メンちゃんは顔を赤くした。


「普通」


「普通でいいだろ」


「うん」


メンちゃんは袖をつまんだまま、少しだけ歩幅を合わせた。


家系ではない岐阜の道を、家系の香りをまとった彼女と歩く。


かばんの中の、のれんの端は、静かに温かかった。


拒んでいない。


混ざってもいない。


隣に並んでいる。


それが、今日の湯気の残り方だった。

岐阜で、たんめちゃんが登場しました。


濃いだけが元気ではない。


野菜は逃げではなく、明日も食べるための準備。


その言葉は、主人公の体を心配してきたメンちゃんに届きました。


メンちゃんは、知らない味を怖がりながらも一口だけ受け止める。


家系の香りは消えず、野菜の甘みが少し隣に並ぶ。


おいしいを止めるのではなく、やめ時を見つける。


無茶は止めるけれど、本心の「うまい」は止めない。


次は、その約束を言葉にする章です。

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家系ラーメンを愛しすぎた男と、ラーメンの化身・メンちゃんの物語。
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