第6私 幻と重力
いつも読んでいただきありがとうございます。
フィールドが決まる。
湖。
そして、岩場。
卯月と菖蒲は水辺へ。
文月は岩場に立つ。
その隣。
秋桜は、わずかに宙に浮いていた。
「始めろ」
月狼の声。
同時に。
菖蒲が踏み込む。
「止まれ」
言葉が落ちる。
ピタリと。
菖蒲の動きが止まった。
「……なに……?」
体が動かない。
文月の足も、重い。
反動。
言霊の代償。
その瞬間。
「いっくよー!」
秋桜が手を振る。
周囲の岩が浮かび上がる。
一斉に、飛ぶ。
菖蒲へ――
直撃。
だが。
「外れだな……」
文月が呟く。
そこには。
何もいない。
幻。
本物の菖蒲は、別の場所にいた。
「ダメそうか?」
卯月の声。
「……動けない」
菖蒲が答える。
文月は、ゆっくりと歩く。
距離を詰める。
言霊が届く距離まで。
秋桜の援護。
石が飛ぶ。
だが。
すべて、空を切る。
「当たらない……!」
その時。
湖が、動いた。
水が浮かび上がる。
三日月の形。
次の瞬間。
斬り裂く。
「っ……!」
文月は動けない。
「ダメだよー」
秋桜が笑う。
重力が歪む。
水刃が、落ちる。
「届かないか……」
菖蒲が呟く。
「叩き込め」
卯月が言う。
「幻で通す」
湖の上に。
無数の水刃。
「これで終わり」
その時。
文月が気づく。
秋桜の目。
ほとんど開いていない。
「……限界か」
「ねむいぃー……」
重力が揺らぐ。
文月は、理解した。
このままでは。
防げない。
「――降参だ」
静かな声。
その瞬間。
月狼と宵うさぎが現れる。
2人の前に、立つ。
「終わりだよー」
宵うさぎが酒を飲みながら笑う。
「矛を収めろ」
月狼の声。
圧。
卯月も菖蒲も、力を解く。
静寂。
「勝者」
「卯月・菖蒲」
6話も読んでいただきありがとうございます。
今後もよろしくお願い致します。




