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今宵月 月花大戦  作者: アル治
神の謀略

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56/67

第56話  神の謀略

最終章突入になります。よろしくお願いいたします。

最終章 神の謀略

決勝戦が終わり、会場は歓声に包まれていた。

優勝を称える声。

悔しさから目を逸らす者。

嫉妬の視線を向ける者。

様々な感情が渦巻く中、ただ2人だけは静かに立っていた。

神と女神。

神は退屈そうに腕を組み、

「やっと決まったか」

と呟く。

女神もため息混じりに、

「長いのよね」

と冷たく言い放った。

そんな2人の様子など知らず、宵うさぎがいつもの調子で笑う。

「それでは~優勝者には~ご褒美だね~」

隣では月狼が静かに問い掛ける。

「何を選ぶ」

秋桜と金木犀は互いに視線を合わせた。

そして、

秋桜はいつものように笑顔で、

「私はお金~」

金木犀も迷うことなく、

「私もお金を希望します」

と答えた。

金木犀は視線を一度も神と女神から外れない。

2人の願いを聞いた瞬間、

神の表情がわずかに変わる。

「金か……それでいいのか?」

女神も鼻で笑う。

「神になりたいと思わないの?」

しかし、秋桜は首を傾げた。

「思わないよ~」

金木犀も一切視線を逸らさない。

神は静かに笑った。

「そうか……残念だな」

女神も冷たく言い放つ。

「馬鹿な人間」

その瞬間だった。

島全体が光に包まれる。

巨大な光の壁が空を覆い、島そのものを閉ざした。

観客達に動揺が走る。

「な、なんだ?」

「何が起きてる?」

ざわめきが広がる中、

金木犀は少しずつ体勢を変え、いつでも動けるように準備する。

秋桜もまた、能力を発動できるよう静かに構えた。

神が口を開く。

「最終警告だ」

「仲間になれ」

女神も笑みを浮かべる。

「私達のためにね」

金木犀が静かに問う。

「断ると言ったら?」

神の笑みが深くなる。

「死ね」

「そして我等の力となれ」

「我等の力になれるなら本望であろう?」

金木犀がナイフに手を伸ばした。

その瞬間、

神がわずかに目を細める。

すると、

金木犀の動きが急激に遅くなった。

いや、

ほとんど止まっている。

「ッ!?」

秋桜が叫ぶ。

「金木犀~!」

神が視線を外すと、再び金木犀の体が動き出す。

誰もが理解した。

師走が震える声で呟く。

「じ、時間減速……」

「霜月の能力……」

神は不敵に笑う。

「判ったか?」

しかし、金木犀は答えることなく、ナイフを女神へ投げる。

だが、

女神の前に現れた水の壁。

ナイフは水面に触れた瞬間、

まるで鏡のように軌道を変え、金木犀自身へと跳ね返る。

秋桜が慌てて能力で止める。

金木犀が目を見開く。

「水壁じゃない……」

「水鏡……」

神無月も愕然としていた。

「どういうことだ……」

百合も状況を理解できず、呆然とする。

「月花大戦って……何なのです?」

会場中が混乱に包まれる中、

文月。

秋桜。

そして金木犀。

3人だけはすでに戦闘態勢に入っていた。

神は満足そうに笑う。

「では始めようか」

「私達と1つになろうじゃないか」

女神は椅子に座ったまま微笑む。

「私は待ってるわよ」

神は肩を鳴らした。

「いいだろう」

「俺だけで充分だ」

「少しは楽しませろよ」

神が静かに呟く。

「須佐之男命」

その瞬間。

細身だった神の肉体が、凄まじい速度で膨れ上がる。

圧倒的な神気。

巨大な肉体。

神無月が息を呑む。

「なっ……」

「同じ須佐之男命なのに……」

神は笑った。

「人間と神を一緒にするなよ」

そして、

会場中を見渡しながら、

楽しげに口元を歪める。

「さぁ始めようか」

「一方的な虐殺を……」

今後もよろしくお願いいたします。

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