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今宵月 月花大戦  作者: アル治
崩れる盤面

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52/55

第52話  2つの魂胆

いつも読んでいただきありがとうございます。

宵うさぎが酒を片手に笑う。

「決勝戦は~明日行うよ~」

「両チームは~ちゃんと休んでね~」

その言葉をもって、準決勝は幕を閉じた。

ラウンジ。

自室。

病室。

それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。

そして。

文月の部屋。

コンコン。

扉を叩く音。

「どうぞ」

部屋に入ってきたのは金木犀だった。

文月は苦笑する。

「後は頼む」

金木犀も頷いた。

「判っております」

「情報が間違っていれば良いのですが……」

文月も表情を曇らせる。

「それに越したことはない」

「しかし、お前が決勝に行けるとは思わなかったな」

金木犀は少し微笑んだ。

「私もですよ」

「秋桜様のおかげです」

文月は肩をすくめる。

「俺が行ければ良かったんだがな」

「強かったからな」

金木犀の目に迷いはない。

「秋桜様は私が守ります」

「どうか文月様も援護を」

「出来る限り守ってあげてください」

「彼岸花も」

文月は視線を逸らした。

「……」

「と、とりあえずだ」

「奴等の化けの皮を剥がして」

「最悪なら滅するぞ!」

金木犀は苦笑した。

「そうならないことを祈ります」

その頃。

誰もいない暗闇。

???

「貴方の作戦は失敗したみたいですね」

???

「仕方ない」

「力が入ればそれでいい」

???

「貴君の手を使って死者を操ってまでしたのに」

???

「もっと手に入る予定だったんだがな」

???

「既に1人ずつ手に入っております」

「最後に全部手に入れればいいだけです」

???

「先代どもを根絶やしにし」

「我等が制する」

???

「楽しみですね」

一方。

部屋を出ようとする金木犀に。

文月が声わ掛ける。

「後悔してますか?」

金木犀が立ち止まる。

金木犀は少し考えて、

静かに首を横に振った。

「いいえ」

「秋桜様に出会えましたから」

文月も小さく笑う。

「俺もですよ」

「彼岸花達に会えた」

「だから」

「今さら引く気はない」

金木犀も頷く。

「はい」

「最後まで付き合います」

2人の視線が重なる。

それは、

月花大戦が始まる以前。

奴等の裏の顔を追う中で偶然出会った2人だけが共有する、

静かな覚悟だった。

そして。

2人は再び別々の方向へ歩き出す。

明日の決勝。

そして。

その先に待つ本当の戦いへ向けて。

2つの暗躍。

2つの思惑。

それらが交錯する中。

決勝戦の朝が近付いていた。

そして。

誰も知らない、月花大戦の真実へ。

今後もよろしくお願い致します。

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