第45話 敗者の副賞
いつも読んでいただきありがとうございます。
月狼 「それまで!」
宵うさぎ 「勝者~、秋桜、金木犀~」
神無月の降参により、勝敗は決した。
しかし。
薔薇だけは納得できなかった。
「……本当なの?」
神無月はうつむいたまま答える。
「本当に……すまない……」
ただ謝ることしかできなかった。
激戦が続いたため、宵うさぎは準決勝を2日後にすると告げる。
肉体は回復できても、精神がもたないからだ。
そう判断した結果。
喜ぶ者。
続きを待ち望む者。
様々な感情が入り乱れていた。
だが、ここは衣食住も娯楽も揃っている。
不自由はなかった。
試合後。
神無月は薔薇に捕まった。
当然、説明を求められる。
「説明!」
「……その……俺は……」
「神になる者じゃなく……」
薔薇が睨み付ける。
「守らなければいけない者がいるんだ……」
「水華?」
神無月がうつむく。
数秒の沈黙。
そして。
「……水華は死んだ」
一瞬、薔薇の表情が変わる。
しかし、すぐに戻った。
「だからって、なんで負けなければならないの!?」
その通りだ。
思い出したからといって、負ける必要はない。
「……彼岸花と戦いたくない…」
まるで子供のような声だった。
「……はぁ!?」
「わたくしが戦えばいいんじゃなくて?」
「……彼岸花を守らなくては……」
薔薇は深くため息をつく。
「はぁ……」
「もう負けてしまったんですから仕方ありませんが……」
神無月の顔が少し明るくなる。
だが。
「せ!き!に!ん!」
「取ってくださいね!」
一気に表情が凍り付く。
「……責任?」
「お金……?」
薔薇の額に青筋が浮かぶ。
「わたくしに必要だと?」
「ッ!神に?」
「なりたいと思いますか?」
「……望みはなに…?」
薔薇は顔を赤くしながら、そっぽを向いた。
「……わたくしの専属執事になりなさい」
「っ!」
「それは……」
「出来ないと言うんですか!?」
神無月に断ることはできなかった。
「……頑張ります……」
「その前に、彼岸花と話をさせてください……」
「いいわよ!」
「わたくしも行きます!」
神無月は断れなかった。
2人は彼岸花の元へ向かう。
その頃。
彼岸花はホテルの部屋で、1人うつむいていた。
「……お兄ちゃん……」
神無月は思い出してくれた。
それは嬉しかった。
けれど。
今までの行動。
水華との約束を忘れていたこと。
ずっと1人にされた寂しさ。
簡単に許せるものではない。
彼岸花の頬を、一筋の涙が伝った。
「……遅いよ……お兄ちゃん……」
今後も宜しくお願い致します。




