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今宵月 月花大戦  作者: アル治
崩れる盤面

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45/55

第45話  敗者の副賞

いつも読んでいただきありがとうございます。

月狼 「それまで!」

宵うさぎ 「勝者~、秋桜、金木犀~」

神無月の降参により、勝敗は決した。

しかし。

薔薇だけは納得できなかった。

「……本当なの?」

神無月はうつむいたまま答える。

「本当に……すまない……」

ただ謝ることしかできなかった。

激戦が続いたため、宵うさぎは準決勝を2日後にすると告げる。

肉体は回復できても、精神がもたないからだ。

そう判断した結果。

喜ぶ者。

続きを待ち望む者。

様々な感情が入り乱れていた。

だが、ここは衣食住も娯楽も揃っている。

不自由はなかった。

試合後。

神無月は薔薇に捕まった。

当然、説明を求められる。

「説明!」

「……その……俺は……」

「神になる者じゃなく……」

薔薇が睨み付ける。

「守らなければいけない者がいるんだ……」

「水華?」

神無月がうつむく。

数秒の沈黙。

そして。

「……水華は死んだ」

一瞬、薔薇の表情が変わる。

しかし、すぐに戻った。

「だからって、なんで負けなければならないの!?」

その通りだ。

思い出したからといって、負ける必要はない。

「……彼岸花と戦いたくない…」

まるで子供のような声だった。

「……はぁ!?」

「わたくしが戦えばいいんじゃなくて?」

「……彼岸花を守らなくては……」

薔薇は深くため息をつく。

「はぁ……」

「もう負けてしまったんですから仕方ありませんが……」

神無月の顔が少し明るくなる。

だが。

「せ!き!に!ん!」

「取ってくださいね!」

一気に表情が凍り付く。

「……責任?」

「お金……?」

薔薇の額に青筋が浮かぶ。

「わたくしに必要だと?」

「ッ!神に?」

「なりたいと思いますか?」

「……望みはなに…?」

薔薇は顔を赤くしながら、そっぽを向いた。

「……わたくしの専属執事になりなさい」

「っ!」

「それは……」

「出来ないと言うんですか!?」

神無月に断ることはできなかった。

「……頑張ります……」

「その前に、彼岸花と話をさせてください……」

「いいわよ!」

「わたくしも行きます!」

神無月は断れなかった。

2人は彼岸花の元へ向かう。

その頃。

彼岸花はホテルの部屋で、1人うつむいていた。

「……お兄ちゃん……」

神無月は思い出してくれた。

それは嬉しかった。

けれど。

今までの行動。

水華との約束を忘れていたこと。

ずっと1人にされた寂しさ。

簡単に許せるものではない。

彼岸花の頬を、一筋の涙が伝った。

「……遅いよ……お兄ちゃん……」

今後も宜しくお願い致します。

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