第43話 過去の約束
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六回戦再戦
神無月、薔薇 VS 秋桜、金木犀
神無月は神社。
秋桜は砂利の多い地形を選択した。
月狼が静かに告げる。
「始めろ」
神無月は動かなかった。
薔薇は指先を切り、血で細く薄い棘の剣を作り出した。
秋桜は金木犀を宙に浮かせ、自身も少し浮き上がった。
金木犀が微笑む。
「秋桜様、勝ちましょう!」
秋桜も笑顔で頷く。
「うん~」
(もう金木犀は泣かせないよ!)
金木犀のクロスボウが薔薇を狙う。
しかし薔薇は細剣で容易く弾き落とした。
「こんなもので、わたくしを撃とうなどと」
神無月はまだ動かない。
秋桜が砂利を浮かせ、一斉に薔薇へと飛ばす。
さすがの薔薇も裁ききれない。
神無月が口を開き、呼ぶ。
「天照大御神」
炎の玉が現れ、砂利を焼き払いながら秋桜へ向かう。
だが秋桜の重力により、火球は地面へ叩き落とされた。
秋桜が微笑む。
「それじゃ勝てないよ~」
それでも神無月は動かない。
薔薇を傷付けさせない。
しかし、自ら攻めようとはしなかった。
「戦わないの~?」
秋桜が首を傾げる。
神無月の心は揺れていた。
あと少しで奴等に届く。
そのはずなのに。
なぜか心が動かない。
薔薇が指先に血を集める。
放たれた血は棘となり秋桜を襲う。
それも重力によって地面へ落とされた。
「秋桜様、私がやります!」
金木犀が前に出る。
秋桜は重力を上手く利用し、見えない気体を神無月達の頭上へ運んだ。
薔薇はすぐに口元を覆う。
神無月は静かに違う神の名を呼ぶ。
「志那都比古神」
風が巻き起こり、気体を吹き飛ばす。
薔薇が冷たい視線を向ける。
(先にやってよね)
「天照大御神」
神無月は複数の火球を放つ。
だが、全て秋桜の重力によって落とされる。
体は回復している。
しかし秋桜の精神的疲労は大きかった。
「秋桜様、お下がりください」
「大丈夫だよ~」
「秋桜様!」
金木犀の強い言葉に、秋桜は少し下がる。
援護に徹することにした。
金木犀はクロスボウを撃ちながら、更に気体を広げていく。
その度に、
「志那都比古神」
神無月の風が気体を吹き飛ばす。
その時。
神無月が薔薇を見る。
合図かと思われたが、
神無月は合図ではなく言葉を放った。
「……水華?」
薔薇が眉をひそめる。
「誰よ!」
金木犀の目が細くなる。
(効いてきています……)
秋桜は砂利を飛ばし援護する。
しかし、
「天照大御神」
神無月の炎の前では秋桜の攻撃は届かない。
上空には更に気体が撒かれていく。
薔薇も血の棘で対応する。
だが様子がおかしかった。
「わたくしの大切な者を奪うことはできなくてよ!」
「薄汚いメス豚が!」
能力の影響を受けている。
しかし、逆に攻撃性が増していた。
秋桜の援護は神無月と薔薇には届かない。
だが、その一瞬。
薔薇が距離を詰める。
秋桜へ向かって。
秋桜の反応が遅れる。
細剣が迫るが、
金木犀のクロスボウが間に合った。
薔薇が舌打ちする。
「チッ!……いまいましい羽虫が!」
神無月は未だ過去と現在を彷徨っている。
行動が鈍い。
それでも防御だけは完璧だった。
薔薇が吐き捨てる。
「神無月は下がってなさい!」
「頭のハエくらい、自分で払えます!」
神無月は何かを言おうとする。
「ば……み……」
言葉すら混濁していた。
その隙を、金木犀は見逃さない。
クロスボウを放つ。
薔薇の反応が遅れる。
神無月は動かない。
薔薇の顔から血の気が引く。
「神無月!」
その時――。
今後もよろしくお願い致します。




