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今宵月 月花大戦  作者: アル治
崩れる盤面

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43/55

第43話  過去の約束

いつも読んでいただきありがとうございます。

六回戦再戦

神無月、薔薇 VS 秋桜、金木犀

神無月は神社。

秋桜は砂利の多い地形を選択した。

月狼が静かに告げる。

「始めろ」

神無月は動かなかった。

薔薇は指先を切り、血で細く薄い棘の剣を作り出した。

秋桜は金木犀を宙に浮かせ、自身も少し浮き上がった。

金木犀が微笑む。

「秋桜様、勝ちましょう!」

秋桜も笑顔で頷く。

「うん~」

(もう金木犀は泣かせないよ!)

金木犀のクロスボウが薔薇を狙う。

しかし薔薇は細剣で容易く弾き落とした。

「こんなもので、わたくしを撃とうなどと」

神無月はまだ動かない。

秋桜が砂利を浮かせ、一斉に薔薇へと飛ばす。

さすがの薔薇も裁ききれない。

神無月が口を開き、呼ぶ。

「天照大御神」

炎の玉が現れ、砂利を焼き払いながら秋桜へ向かう。

だが秋桜の重力により、火球は地面へ叩き落とされた。

秋桜が微笑む。

「それじゃ勝てないよ~」

それでも神無月は動かない。

薔薇を傷付けさせない。

しかし、自ら攻めようとはしなかった。

「戦わないの~?」

秋桜が首を傾げる。

神無月の心は揺れていた。

あと少しで奴等に届く。

そのはずなのに。

なぜか心が動かない。

薔薇が指先に血を集める。

放たれた血は棘となり秋桜を襲う。

それも重力によって地面へ落とされた。

「秋桜様、私がやります!」

金木犀が前に出る。

秋桜は重力を上手く利用し、見えない気体を神無月達の頭上へ運んだ。

薔薇はすぐに口元を覆う。

神無月は静かに違う神の名を呼ぶ。

「志那都比古神」

風が巻き起こり、気体を吹き飛ばす。

薔薇が冷たい視線を向ける。

(先にやってよね)

「天照大御神」

神無月は複数の火球を放つ。

だが、全て秋桜の重力によって落とされる。

体は回復している。

しかし秋桜の精神的疲労は大きかった。

「秋桜様、お下がりください」

「大丈夫だよ~」

「秋桜様!」

金木犀の強い言葉に、秋桜は少し下がる。

援護に徹することにした。

金木犀はクロスボウを撃ちながら、更に気体を広げていく。

その度に、

「志那都比古神」

神無月の風が気体を吹き飛ばす。

その時。

神無月が薔薇を見る。

合図かと思われたが、

神無月は合図ではなく言葉を放った。

「……水華?」

薔薇が眉をひそめる。

「誰よ!」

金木犀の目が細くなる。

(効いてきています……)

秋桜は砂利を飛ばし援護する。

しかし、

「天照大御神」

神無月の炎の前では秋桜の攻撃は届かない。

上空には更に気体が撒かれていく。

薔薇も血の棘で対応する。

だが様子がおかしかった。

「わたくしの大切な者を奪うことはできなくてよ!」

「薄汚いメス豚が!」

能力の影響を受けている。

しかし、逆に攻撃性が増していた。

秋桜の援護は神無月と薔薇には届かない。

だが、その一瞬。

薔薇が距離を詰める。

秋桜へ向かって。

秋桜の反応が遅れる。

細剣が迫るが、

金木犀のクロスボウが間に合った。

薔薇が舌打ちする。

「チッ!……いまいましい羽虫が!」

神無月は未だ過去と現在を彷徨っている。

行動が鈍い。

それでも防御だけは完璧だった。

薔薇が吐き捨てる。

「神無月は下がってなさい!」

「頭のハエくらい、自分で払えます!」

神無月は何かを言おうとする。

「ば……み……」

言葉すら混濁していた。

その隙を、金木犀は見逃さない。

クロスボウを放つ。

薔薇の反応が遅れる。

神無月は動かない。

薔薇の顔から血の気が引く。

「神無月!」

その時――。

今後もよろしくお願い致します。

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