表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今宵月 月花大戦  作者: アル治
崩れる盤面

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/55

第26話  トーナメント再編

いつも読んでいただきありがとうございます。

試合終了後。

静まり返った会場に、宵うさぎの軽い声が響いた。

宵うさぎ

「は~い、少し状況が変わってきてるからね~」

「敗者復活戦を勝ち上がった組は~、全員本戦復帰で~す」

その言葉に、会場がざわつく。

「……は?」

「ふざけるな」

「死人まで出てるのに、まだ続けるのか」

「こんなの大会じゃ――」

月狼がゆっくり立ち上がる。

それだけで、ざわめきは止んだ。

月狼

「――これは月花大戦だ」

冷たい一言。

反論を許さぬ圧が、会場を沈黙させる。

宵うさぎが肩をすくめる。

「わぁ~……怒らせた~」

軽く笑いながらも、その目は笑っていない。

宵うさぎ

「じゃあ勝ち残った人たちは、ホテル中央会場に集まってね~」

「詳しい説明はそこでしま~す」

ホテル中央会場。

広いホールには豪華な料理と酒が並べられていた。

だが、誰1人として浮かれた空気ではない。

勝ち残った者たちが次々と集まる。

その中に。

師走の姿があった。

宵うさぎが首を傾げる。

宵うさぎ

「あれ~?負けたでしょ~?」

師走は平然と答える。

師走

「そうでしたか?」

「試合に勝ってたもんで、ついその気になってましたわ」

一瞬の沈黙。

月狼が短く告げる。

月狼

「良い」

宵うさぎ

「だってさ~」

軽い返事。

だが、師走の視線はただ1人――霜月だけを捉えていた。

全員が揃うと、宵うさぎが説明を始める。

宵うさぎ

「現在、本戦勝ち残り6組」

「敗者復活戦勝ち上がり5組」

「合わせて11組で~す」

ざわめき。

宵うさぎは続ける。

「だから~、このままトーナメントを続行しま~す」

「そのうち3組はシードね~」

「配置は月狼たちが決めるよ~」

そこで宵うさぎが、ちらりと霜月を見る。

宵うさぎ

「異論あるかな~?」

誰も答えない。

納得したわけではない。

だが、この場で逆らう者はいなかった。

宵うさぎは満足げに笑う。

「じゃ、決まったね~」

「料理とお酒、好きに楽しんでいって~」

それぞれが散っていく。

酒を飲む者。

食事を取る者。

無言で去る者。

だが。

霜月はまだ会場にいた。

壁にもたれ、静かにグラスを傾けている。

それを離れた場所から見つめる師走。

師走

「……負けたけど、酒がうまいわ」

小さく笑う。

だがその目に笑みはない。

(今度は逃がさん)

しばらくして。

霜月が静かに立ち上がり、会場を後にした。

師走もすぐに追う。

ホールを抜け、長い廊下へ。

その瞬間。

違和感。

師走

「……っ?」

足が、重い。

景色が、妙に鈍い。

師走

「なんや……これ……」

長い廊下。

ほんの数秒しか経っていないはずなのに。

霜月の姿は、もう見えない。

師走の顔色が変わる。

師走

「最初から……か」

ようやく理解する。

会場全体に、薄く時間減速が張られていた。

そして今。

霜月だけが解除している。

師走は歯を食いしばり、減速した世界を駆け出した――。

今後もよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ