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今宵月 月花大戦  作者: アル治
狂い始めた、月花

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25/58

第25話  減速の罠

いつも読んでいただきありがとうございます。

霜月&蒲公英 VS 月見草&菊

霜月は「草原」を選択。

月見草は「夜」を選択した。

フィールドは――

夜の草原。

風に揺れる草。

静かな闇。

だが。

月明かりを浴びた瞬間、月見草の身体が変化する。

筋肉が膨らみ、目が鋭くなる。

菊が小さく息を吐く。

「さすが、“夜の月見草”ってところね」

霜月は無言。

冷たい目で2人を見ている。

蒲公英が首を傾げる。

「僕はどうすればいいかな?」

霜月 「種を撒け」

「できるだけ広く」

蒲公英が頷く。

綿毛が舞う。

月狼 「始めろ」

瞬間。

月見草が地面を蹴った。

だが――

「止まって!!」

菊の声。

月見草は反射的に跳び退き、菊の元へ戻る。

「どうした?」

菊は霜月を睨んでいる。

「……気配が変わった」

「あのまま行ってたら、死んでた」

月見草は理解できない。

だが。

菊の勘は信じる。

視線を落とす。

いつの間にか。

地面には大量の綿毛の種が散らばっていた。

蒲公英が笑う。

「いっぱい撒けた」

霜月は静かに距離を詰めてくる。

月見草 「減速か……」

菊 「問題はそこじゃないわ」

「地面全部、罠になる」

月見草は石を拾い、投げる。

着弾。

――ドォン!!

爆発。

タイムラグはない。

衝撃で起爆するタイプ。

「厄介だな……!」

月見草は腕に仕込んでいたトンファーを抜く。

そのまま地面へ叩きつけた。

土と石が跳ねる。

連続爆発。

爆煙。

その中から――

霜月。

「っ!」

菊が2本のナイフで迎え撃つ。

だが重い。

押される。

そこへ月見草のトンファー。

霜月は軽く回避する。

月見草 「押し込む!」

再び地面を叩く。

爆発。

菊もナイフを投げる。

霜月の逃げ道を潰すように。

爆発が連鎖する。

だが。

霜月だけが避けていく。

月見草へ短刀が飛ぶ。

避ける。

そこへさらに2本目。

「なっ――!?」

月見草の動きが遅い。

月見草だけじゃない。

投げられたナイフ。

舞う土。

爆発。

空間そのものの速度が狂っていく。

月見草 「こんなに使えるのか!?」

菊 「ダメ!!離れて!!」

次の瞬間。

減速が解ける。

地面一帯の種が、一斉に反応した。

――ドォォォォン!!

爆炎。

夜の草原を飲み込む。

霜月が笑う。

だが。

爆煙の向こう。

2人は立っていた。

「……チッ」

霜月が短刀を構える。

その瞬間。

目の前に、宵うさぎ。

「終わってるよ~」

月見草と菊は、 既に宵うさぎによって救出されていた。

宵うさぎは笑ったまま。

だが目だけが冷たい。

「好き勝手やるのはいいけど~」

「……あまりナメるなよ」

霜月だけに聞こえる声。

空気が変わる。

霜月の顔が歪む。

圧倒されていた。

宵うさぎ 「試合終了だよ~」

離れた場所で。

月狼が静かに宵うさぎを見ていた――。

今後もよろしくお願い致します。

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