第22話 ガーディアン
いつも読んでいただきありがとうございます。
試合開始前。
月狼
「……判っているな」
宵うさぎ
「さすがに気付いてますよ~」
月狼
「行け」
宵うさぎ
「は~い」
軽く跳ねるように。
宵うさぎは会場を後にする。
向かう先は――島の外周。
静かな海。
2隻のゴムボートが岸へ近付く。
武装した男達。
合計16人。
国籍はバラバラ。
持つ銃も装備も統一されていない。
だが。
動きだけは統一されていた。
上陸。
即座に展開。
周囲確認。
慣れている。
隊長
「クリア!進め!」
その瞬間。
「なにしてるの~?」
全員の動きが止まる。
いた。
いつの間にか。
宵うさぎ。
誰1人、気配を感じていない。
宵うさぎ
「話せないのかな~?」
首を傾げる。
「じゃあ――」
「これで話せるかな~?」
次の瞬間。
隊長の頭が落ちた。
誰も理解できない。
血だけが遅れて噴き出す。
「撃てぇぇぇ!!」
乱射。
銃声。
爆音。
10秒も続かない。
静寂。
宵うさぎが立っている。
酒瓶を軽く振る。
「お酒ぬるくならなくて良かった」
少しだけ。
声が低い。
別の場所。
月狼が立っている。
その前には。
キャスター。
カメラマン。
だが。
もう動いていない。
キャスター
「ここで行われていることを――」
言葉は最後まで続かなかった。
月狼が小さく息を吐く。
その周囲には、“物”だけが転がっていた。
かつて、人だったもの。
しばらく後。
会場。
宵うさぎが戻ってくる。
「簡単な仕事でしたよ~」
月狼が冷たく見る。
「……簡単?」
宵うさぎの顔色が変わる。
「ち、ちゃんと仕事しました!」
月狼は目を閉じる。
「滞りなく終わらせろ」
宵うさぎ
「はい」
今度は真面目な返事。
月狼が観客席を見る。
名家達が静まり返る。
月狼
「部外者は入れない」
ざわめき。
だが。
誰も逆らわない。
月狼
「次」
止まっていた月花大戦が。
再び動き出す。
今後もよろしくお願い致します。




