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ep.7「スペースウェポン『グリード』」

「頼む……お前しかいないんだ……正義」


「も、もう、分かった……入るよ、32(サーティーセカンド)……」


 親父が1度目に頭を下げた後、俺は入隊を断った。

 だって、怖いから。

 それから1時間もの熱烈な……いや、しつこい勧誘を受け俺は渋々入隊を決めた。

 おそらく、入らなければ死ぬまで勧誘は続くだろうから。


「ありがとう、我が息子よ」


「いや、そんなキャラじゃなかったよねお父さん……まぁ、いいけど」


「入隊してもらってなんだが、念のためお前が32の素質があるか検査させてもらう」


「検査……?」


 あぁ、確か、お姉さんが選ばれしものだけが入隊できるって言ってたっけ?

 殴り合いの喧嘩すらまともにしたことないんだぞ?

 俺に素質なんてないだろう……


 そうなれば、俺は32へ入隊しなくて済むしエイリアンとも戦わなくていい!!


「まぁ、俺の息子なんだ。

本来ならやらなくてもいい——」


「——いや!やらせてくれ!」


 危なっ!あと少しで検査が無くなるところだった。

 俺に素質がない可能性にかけるのは少し気が引けるが、なんて言ったって痛いのは嫌だ。

 エイリアンに支配されててもいいから、前の仮想現実とやらに戻りたい。


ウィーン……


 扉の開く音。

 振り替えると、白衣を着た肩まで伸びる白髪の女……いや、男か?。

 中性的な顔つきに、細身な身体。

 身長は高くどこか不気味なオーラを纏っている。

 

「おぉ、牛飼(うしかい)

ちょうどいいところに来たな、正義が目覚めたんだ検査をしてやってくれ」


 この性別不明の白衣の人、「牛飼」は俺をジロッと見つめる。

 

 「なんか、悪いことしたか?」と思うほど、変な間が生まれる。

 不思議な人というのが、第一印象だ。


「あなたが金富 正義(かなと まさよし)……。

どうやら慈鳥(からす)の言う通りみたいですね。

いいでしょう、ついてきなさい」


「は、はい……」

 

 牛飼に連れられ、エレベーターに乗り込む。


「私も付き添います!」


 お姉さんもエレベーターへ乗り込む。


 正直、めっちゃ助かる。

 初めて会った、しかもちょっと怖そうな人と2人きりは少し気まずいからだ。


 エレベーターは3人の乗せ下降を始める。

 

ピロン……3階、適性検査室です。


 着いたのは3階。

 エレベーターの扉が開くと、薄暗い部屋。

 その奥には青白く光るモニターのような物体が、がっしりと構えている。

 

「こっちよ、ついてきなさい」


「は、はい……」

 

 牛飼に連れられモニターの近くまで歩み寄る。


「適性検査と言っても内容は簡単です。

金富 正義、ここに手を置いてみなさい」


「は、はい」

 

 牛飼は、モニター前の半球体の装置に指差し俺に指示する。

 俺は指示された通り、手を半球体の装置へ置く。


「それでは、始めますよ」


 牛飼は、何やらキーボードをカタカタと操作して準備を始める。


ウィィィィン……!


 俺の手を形取るように光始める半球体の装置。

 

 何が起きるんだ……。

 

 ワクワクと緊張感が俺を襲いくる。

 これで適性と判断されれば、俺はエイリアンと戦わねばならない。

 それは嫌だ、いつも通りバイトして落兎(おと)とゲームして、(よう)と駄弁って……


ピカッ!!!


 突如、視界を真っ白い光が染める。

 適性検査の結果が出たのだろう。

 

 適性無し、適性無し、適性なぁぁし!!


 俺は全力で願いながらゆっくりと目を開ける。

 モニターには、こう表示されていた。


——スペースウェポン『グリード』


「スペースウェポン……グリード……」

 

 え、なにこれってどっち?

 適性?適性なし?


「グリード⁉︎」


 お姉さんがすごい驚いている。

 もしかして、これは念願の、


「適性無s——」


「やはり、適性ありでしたか。

金富 正義、ついてきなさい」


 え、まじぃ!!

 それじゃあ、『スペースウェポン』ってなに⁉︎

 『グリード』ってなに⁉︎

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