表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トップを越えろ!2  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/31

第27話「意識の海」

それは、境界のない場所だった。


上下も、距離も、時間もない。


ただ広がるのは――


意識。


ソラは、そこに立っていた。


いや、“浮かんでいた”のかもしれない。


だがその感覚すら曖昧だった。


「……ここ。」


周囲には何もない。


だが、確かに“いる”。


無数の存在が。


光。


点のような輝き。


それが無数に浮かんでいる。


ひとつひとつが、揺れている。


それぞれ違うリズムで。


ソラは気づく。


「……これ。」


「人?」


それは、人類の意識だった。


名前も、姿もない。


だが確かに“誰か”。


数えきれないほどの“誰か”。


「……すごい。」


ソラは思わず笑う。


「こんなにいるんだ。」


そのとき。


一つの光が、近づく。


他より少し強い輝き。


ソラは直感する。


「……レイ?」


返事はない。


だが。


確かに“彼女”だった。


意識だけの存在でも、分かる。


さらに光が集まる。


ミナト。


DENEBのオペレーター。


知らない誰かたち。


すべてが、ここにいる。


ソラは少し困ったように笑う。


「えーと。」


「これ、どうすればいいの?」


そのとき。


全体が、揺れる。


巨大な波。


意識の海が、ざわめく。


“それ”が来る。


遠く。


いや、近く。


どこでもない場所から。


圧倒的な“何か”が広がる。


光ではない。


闇でもない。


ただ――


完全な存在。


人類の意識が、一斉に揺れる。


恐怖。


混乱。


理解不能。


ソラは前を見る。


「……あれが。」


「本当の本体。」


それは、もはや敵ですらない。


“宇宙の外側”の存在。


すべての法則の源。


“それ”が動く。


いや、動いたと“感じた”。


次の瞬間。


無数の光が消えかける。


意識が、削られる。


ソラが叫ぶ。


「ダメ!!」


手を広げる。


重力が広がる。


だが――


足りない。


数が多すぎる。


守りきれない。


そのとき。


一つの光が強く輝く。


レイ。


次に。


また一つ。


また一つ。


無数の光が、強くなる。


ソラが目を見開く。


「……え?」


言葉はない。


だが伝わる。


意思。


“任せる”


ソラは息を呑む。


「……いいの?」


返事はない。


だが。


すべての光が、ソラへと向く。


ソラは、笑った。


「そっか。」


「じゃあ――」


深く息を吸う。


「全部、使うね。」


その瞬間。


意識の海が収束する。


無数の光が、一つの流れになる。


ソラへ。


NOVAへ。


外部。


NOVAが変化を始める。


DENEBが叫ぶ。


「出力……桁が違う!!」


「これ……観測不能!!」


内部。


ソラの意識が広がる。


人類すべてと繋がる。


孤独はない。


迷いもない。


「これが。」


「人類の力。」


“それ”が反応する。


完全な修正。


完全な排除。


だが。


遅い。


ソラが手を伸ばす。


それは、もう一人の手ではない。


無数の手。


「いくよ。」


静かに。


確実に。


宇宙の外側へ。


その瞬間。


戦いは。


完全に次の次元へ移行する。


そして。


ソラは初めて理解する。


この戦いの本当の意味を。


「……これ。」


「宇宙を守る戦いじゃない。」


少し笑う。


「宇宙を変える戦いだ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ