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初恋は、十年越しに花開く。  作者: こよみん


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第5期 第11話 「はじめてのクリスマス」

挿絵(By みてみん)


十二月。


街は色とりどりのイルミネーションに包まれていた。


陽菜が生まれて二か月。


小さな手も、小さな足も、少しずつ大きくなってきた。


「おはよう。」


ユウキがベビーベッドをのぞき込む。


「……あ。」


陽菜が目を開ける。


そして。


「にこっ。」


小さく笑った。


「今!」


ユウキが思わず声を上げる。


「笑った!」


マミも急いで駆け寄る。


「本当だ。」


「笑ってる。」


二人は顔を見合わせ、思わず笑ってしまった。


今日はクリスマスイブ。


リビングには、小さなクリスマスツリー。


赤いリボン。


金色の星。


その隣には、白いうさぎのぬいぐるみがちょこんと座っている。


「陽菜には。」


「初めてのクリスマスだね。」


マミが優しく話しかける。


陽菜は不思議そうにツリーを見つめていた。


午前中。


スーパーへ買い物に出かける。


ベビーカーに乗った陽菜。


「寝ちゃった。」


「気持ちよさそう。」


ユウキはベビーカーを押しながら微笑む。


「こんな日が来るなんて。」


「高校生の頃は想像できなかった。」


「私も。」


「文化祭の日に再会した時も。」


「まさかね。」


二人は笑い合った。


午後。


キッチンではマミが料理を作っている。


ローストチキン。


サラダ。


コーンスープ。


ユウキは陽菜を抱っこしながら見守る。


「今日は。」


「パパが抱っこ担当。」


「営業主任から。」


「抱っこ主任に昇進したね。」


「給料は?」


「陽菜の笑顔。」


「最高の報酬。」


二人は笑った。


夕方。


インターホンが鳴る。


「メリークリスマス!」


両家の祖父母がプレゼントを持ってやってきた。


「陽菜ちゃん。」


「プレゼントだよ。」


包みを開けると、小さなクリスマスカラーの洋服。


そして絵本。


「かわいい。」


マミが目を細める。


「ありがとうございます。」


「サイズもぴったりだ。」


ユウキも笑顔になる。


みんなで夕食を囲む。


「乾杯。」


グラスにはジュース。


「陽菜の初めてのクリスマスに。」


「乾杯!」


温かな笑い声が部屋いっぱいに広がる。


食後。


クリスマスツリーの前で記念撮影。


ユウキが陽菜を抱き、マミが隣に並ぶ。


「はい。」


「チーズ。」


シャッターが切られる。


その瞬間。


陽菜がまた小さく笑った。


「撮れた!」


「今の笑顔!」


みんなが拍手する。


祖父母も嬉しそうだった。


夜。


祖父母を見送ったあと。


三人だけの静かな時間。


ツリーのライトだけが部屋を優しく照らしている。


「今日は楽しかったね。」


マミがソファに座る。


「うん。」


ユウキも隣へ座った。


陽菜は二人の間で眠っている。


「寝顔まで笑ってる。」


「いい夢見てるのかな。」


「サンタさんかな。」


「まだ分からないよ。」


「でも。」


「幸せなのは分かる。」


二人は陽菜を見つめながら微笑んだ。


ユウキが本棚からアルバムを持ってくる。


新しいページを開く。


そこへ今日撮った写真を入れる。


高校一年生。


文化祭。


結婚式。


新婚旅行。


出産。


そして。


『陽菜、はじめてのクリスマス』


「また。」


「宝物が増えた。」


マミが静かにつぶやく。


眠る前。


窓の外では雪が舞い始めていた。


「ホワイトクリスマスだ。」


ユウキがカーテンを開ける。


マミも隣へ来る。


「きれい。」


二人は雪景色を眺める。


そして。


ベビーベッドから、小さな寝息が聞こえる。


「来年のクリスマスは。」


ユウキが笑う。


「歩いてるかな。」


「きっと。」


「プレゼントを開けて。」


「笑ってる。」


「楽しみだね。」


「うん。」


その夜。


サンタクロースからの小さな贈り物が、陽菜の枕元にそっと置かれていた。


白いうさぎのぬいぐるみの隣には、小さな鈴の付いたガラガラ。


翌朝、その音に興味津々な陽菜の笑顔が、また家族を幸せな気持ちにしてくれるのだった。


年が明ければ、新しい一年。


そして、結婚記念日。


佐伯先生との約束の日が、もうすぐやってくる。


今度は三人で、花園高校へ――。


――第12話「約束の教室へ」へ続く。

『初恋は、十年越しに花開く。』を読んでくださり、本当にありがとうございます。


ユウキとマミの物語を「面白かった」「続きも読んでみたい」と少しでも感じていただけましたら、評価をつけていただけると、とても励みになります。


そして、


「二人の再会が好きだった」

「このシーンが心に残った」

「マミがかわいかった!」



そんな一言だけでも、感想をいただけたら嬉しいです。


もちろん、レビューも大歓迎です。


皆さまからいただく評価・感想・レビューの一つひとつが、これから物語を書き続けていく大きな力になります。


そして何より――


この作品をきっかけに、


「誰かを好きになるって、やっぱりいいな」


そう思っていただけたなら、作者としてこれ以上嬉しいことはありません。


まだ評価されていない方は、ぜひ応援していただけると嬉しいです。

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