↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋は、十年越しに花開く。  作者: こよみん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/65

第4期 第4話 「世界で一番きれいな花嫁」

挿絵(By みてみん)


五月。


爽やかな風が吹く土曜日。


今日は結婚式の衣装合わせの日。


朝からマミは落ち着かない様子だった。


「緊張する……。」


鏡の前で何度も髪を整える。


「ドレスを着るだけなのに。」


ユウキは笑いながら言った。


「結婚式当日はどうなるんだろう。」


「たぶん。」


「泣いて何も話せない。」


「俺もかも。」


二人は顔を見合わせて笑った。


ドレスショップ。


白を基調とした店内には、たくさんのウェディングドレスが並んでいた。


レース。


シルク。


ビジュー。


どれも美しく輝いている。


「すごい……。」


マミは思わず息をのむ。


スタッフが笑顔で迎えてくれた。


「本日はよろしくお願いいたします。」


「こちらこそお願いします。」


「まずはお好みをお聞かせください。」


スタッフの質問に、マミは少し考える。


「派手すぎない。」


「でも、温かい雰囲気のドレスがいいです。」


「承知しました。」


数着のドレスが選ばれ、試着室へ運ばれていく。


「ユウキさん。」


スタッフが微笑む。


「新郎様はこちらでお待ちください。」


「はい。」


ユウキはソファに座る。


少し緊張してきた。


(どんな姿なんだろう。)


高校一年生。


制服姿しか知らなかった頃。


文化祭で再会した私服姿。


社会人になったスーツ姿。


そして今日は――。


数分後。


カーテンの向こうからスタッフの声が聞こえる。


「準備ができました。」


ゆっくりカーテンが開く。


「……。」


ユウキは言葉を失った。


純白のウェディングドレス。


長いベール。


柔らかなレース。


少し照れながら立つマミ。


「どう……かな?」


その一言で我に返る。


「……きれい。」


それしか言えなかった。


「本当に。」


「世界で一番きれいだ。」


マミは耳まで赤くなった。


「そんなこと……。」


「ある。」


「本当に。」


その真っすぐな言葉に、マミは照れ笑いを浮かべた。


「少し歩いてみましょう。」


スタッフに促される。


マミはゆっくり歩く。


裾を踏まないよう慎重に。


ユウキはその姿を見つめていた。


(結婚するんだ。)


ようやく実感が湧いてきた。


胸が熱くなる。


「こちらはいかがですか?」


二着目。


今度は少しデザインが華やかなドレス。


「これも似合う。」


「でも。」


ユウキは少し考えてから言う。


「最初の方が。」


「マミらしい。」


「私も。」


マミは微笑んだ。


「最初のドレスを着た時。」


「なんだか。」


「これだって思った。」


二人の気持ちは一致していた。


続いてタキシード。


「今度はユウキさんですね。」


「はい。」


試着室へ入る。


数分後。


ネイビーのタキシード姿で現れた。


「……。」


今度はマミが見とれていた。


「どう?」


ユウキが少し照れながら聞く。


「かっこいい。」


「本当に。」


「高校生の頃より。」


「もっと。」


ユウキは苦笑した。


「照れるな。」


スタッフが二人を並ばせる。


「記念にお写真をどうぞ。」


並んで立つ。


少し照れながら笑う。


シャッターが切られる。


その写真には、幸せそうに見つめ合う二人の姿が写っていた。


試着が終わり、ショップを出る。


夕暮れの街を歩く。


「今日。」


マミが小さく言う。


「嬉しかった。」


「俺も。」


「ユウキが。」


「世界で一番きれいって言ってくれたから。」


ユウキは少し照れながら笑う。


「本心だから。」


「一生言う。」


「そんなに?」


「結婚しても。」


「おばあちゃんになっても。」


「世界で一番。」


マミは笑いながら目を潤ませた。


「じゃあ。」


「私も。」


「ユウキが世界で一番かっこいい。」


「ありがとう。」


帰宅後。


リビングで今日撮った写真を見る。


「なんか。」


マミが笑う。


「まだ夢みたい。」


「でも。」


ユウキは写真を見つめながら静かに言った。


「もう夢じゃない。」


「あと少しで。」


「本当に夫婦になる。」


マミはそっとユウキの肩にもたれかかる。


「うん。」


「あと少し。」


その言葉には、期待と少しの緊張が混ざっていた。


数日後。


チャペルから一通の連絡が届く。


『結婚式の招待状デザインが完成しました。』


そして、差出人リストの中には、懐かしい名前が並んでいた。


佐伯先生。


高校野球部の仲間たち。


マユ。


高校時代の思い出が詰まった人たちへ、二人は結婚式の招待状を送ることになる。


――第5話「大切な人たちへ」へ続く。

『初恋は、十年越しに花開く。』を読んでくださり、本当にありがとうございます。


ユウキとマミの物語を「面白かった」「続きも読んでみたい」と少しでも感じていただけましたら、評価をつけていただけると、とても励みになります。


そして、


「二人の再会が好きだった」

「このシーンが心に残った」

「マミがかわいかった!」

「ユウキ、もっと勇気出せ!」


そんな一言だけでも、感想をいただけたら嬉しいです。


もちろん、レビューも大歓迎です。


皆さまからいただく評価・感想・レビューの一つひとつが、これから物語を書き続けていく大きな力になります。


そして何より――


この作品をきっかけに、


「誰かを好きになるって、やっぱりいいな」


そう思っていただけたなら、作者としてこれ以上嬉しいことはありません。


まだ評価されていない方は、ぜひ応援していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。