4.美少女剣士の加入、再抽選で「おっさん」に昇格?
魔王討伐の旅を続ける俺たちの前に、一人の少女が現れた。
揺れる銀髪に、身の丈ほどもある大剣。どこからどう見ても、物語のメインヒロイン候補だ。
「勇者様、私は聖騎士団のアリア。どうか、あなたの旅の仲間に加えていただけませんか?」
『……おお、やっときた。じいさん、これや! 宿屋の整理券より、こういう「華」が欲しかったんや!』
「勇者様、お気をつけなされ。彼女が真に我らの力となるか、運命の審判が下りますぞ……!」
老魔導士が杖を掲げると、アリアの背後に巨大な三つの図柄が浮かび上がった。
左には【アリア】、右にも【アリア】。リーチがかかり、中央の図柄が高速回転を始める。
『仲間にするのにリーチ演出いらんわ! 告白の返事待ってるみたいな空気にするな! 100%「アリア」で止まるように祈れ、じいさん!』
「勇者様、チャンスボタンです! 彼女への想いを込めて、叩くのです!」
アリアの足元から、例によって巨大な「PUSH」ボタンが飛び出してきた。
同時に、神殿や宿屋で聞き飽きたあの「ピピピピピ!」という爆音が救護室並みの音量で鳴り響く。
『ボタン長押しさせろ! 鼓膜ちぎれるわ! 運命の出会いを連打で決めるな、指の筋肉痛になるわ!』
俺がヤケクソでボタンを叩ききると、中央の図柄がピタリと止まった。
……【おっさん騎士】。
『外れたーー! 図柄が変わったやんけ! アリアどこ行った! 期待度返せ、銀髪の美少女を返せよ!』
「案ずるな勇者様! 画面が暗転しましたぞ……これは、これは『再抽選(昇格)演出』ですな!」
『再抽選とかええねん! 期待させんな! さっきの「おっさん騎士」が消えて、もっと凄いのが来るんか?』
「キュインキュインキュイーーーン!」
ド派手なフラッシュと共に、現れたのは……【髭の濃いおっさん騎士(ゴールドver.)】。
『変わってへんやんけ! 髭の密度が上がっただけやろ! どのあたりがゴールドやねん、装備の光沢が眩しいだけや!』
「おめでとうございます、勇者様! 最高ランクの重戦士、ボブが仲間に加わりましたぞ!」
『ボブ誰やねん! アリアどこ行った! 仲間の枠をスロットで決めるな、人生のパーティ編成を確率に任せるな!』
「次は『ボブの忠誠度』をガチャで引き上げますかな?」
『天井まで回してもボブはボブやろ! もうええわ、俺を元の世界に即帰させろ!』




