20.ボブの「鎧募金」、女子二人のブランド品(中抜き)に消える
メッキが剥がれて全裸同然になったボブを救うため、ミアとセシリアが「ボブに輝きを! 黄金の鎧クラウドファンディング」を開始した。
……が、数日後。二人の手元には、ボブの鎧ではなく、なぜか高級ブランドの魔法バッグと新作のドレスが握られていた。
「勇者様ぁ、見てください! 善意の寄付がこんなに集まりましたぁ! おかげで私たちの『装備』を新調できましたよぉ!」
『……仲間の悲劇を「集金装置」にすんな! 鎧を買うフリして、自分らの承認欲求を満たすような真似すんじゃねえよ! ボブが段ボールを体に巻いて震えとる横で、ブランド品を見せびらかすな!』
「ひどぉい! 勇者様、これはボブさんのための『広報(PR)活動費』ですよぉ? 私たちが綺麗になれば、もっと寄付が集まるんですぅ! ……はい、新作ドレスで悲しみのダンス。パシャリ。アップ完了ぉ」
『悲しみのダンスって何やねん! 踊る暇があったら、一枚でもいいから鉄板買ってボブに貼ってやれよ! 仲間の全裸をコンテンツにして、自分らだけ着飾るような真似すんじゃねえよ!』
そこへ、ゼンイチが領収書の山を整理しながら事務的に割り込んできた。
「勇者様。これは法的に見て『適切な運営管理費』の範囲内です。……ちなみに、私の『クラファン代行手数料』として、既に総額の40%を口座に移動済みです。ボブさんの鎧代? ああ、残りの端数で、この『黄金のシール(10枚入り)』を買っておきました」
『中抜きの割合がえげつなすぎるわ! 手数料でボブの命を削るような真似すんな! 魔法使いの知性を、公金を合法的に洗浄するスキームの構築にだけ使うな! 黄金のシールって何や、ボブの生肌にそれ貼って魔王と戦えってか!』
「……Oh、ユーシャ。……俺サマ、ボブ。……段ボール、意外ト、温カイネ。……俺サマ、もう、コレデ、イイヨ」
『ボブ、お前が一番「段ボールの性能」に納得しちゃダメやろ! 黄金の戦士が「捨てられた家電の梱包材」に身を包んで満足するような真似すんじゃねえよ! 尊厳が死んどるねん!』
結局、セシリアが「あ、クラファンの収支報告(大嘘)がバズって、また寄付きたぁ!」と踊り狂う横で、俺はボブの段ボールが湿気でふやけないよう、火魔法で乾かし続ける羽目になった。
『伝説の武器より「中抜きのテクニック」の方が大事なんか! この偽善者パーティえぐすぎやろ! 俺を元の世界に即帰させろ!』




