19.ボブの黄金の鎧、安物の「メッキ」だったと暴露される
魔王城の目前、キャンプで装備の手入れをしていた時のことだ。占い師のミアが、ニヤニヤしながら水晶をボブに向けた。
「勇者様ぁ、スクープですぅ! ボブさんの『黄金の鎧』、実はこれ……ただの『鉄の鎧に金ペンキ塗っただけのメッキ』でーす! はい、証拠の剥がれ際、ドアップで全世界に公開!」
『……おい、仲間のアイデンティティを鑑定魔法で破壊すんな! 誇りを奪ってフォロワー稼ぐような真似すんじゃねえよ! ボブが今までどれだけこの鎧を自慢にしてきたか知ってるやろ!』
見ると、ボブの黄金の鎧の一部がペリッと剥がれ、中から錆びた鉄がコンニチハしていた。ボブは膝から崩れ落ち、「……俺サマ、パチモン……」と絶望の声を漏らしている。
「あーあ、虚飾の塊……最悪ぅ……。聖女、嘘つきなパーティとは一緒に歩めませぇん。……はい、速報ポスト完了ぉ。『偽物の輝きに騙されてた私、マジでピュア(泣)』。……あ、もう3万いいね超えた!」
『お前が一番「嘘つき」やろ! 自分をピュアに見せるために仲間を「踏み台」にすんな! 聖女のツラして、仲間のメッキ剥がれた瞬間を「映えスポット」扱いすんじゃねえよ!』
「勇者様、ご安心を。期待値的に見て、このメッキ鎧はもう盾として機能しません。……ボブさん、その鎧は不法投棄して、私の紹介する『開運本金メッキ加工』のローンを組みませんか? 手数料は20%でいいですよ」
『ゼンイチ、お前まで弱り目にたたり目でローン営業すんな! 魔法使いの知性を、傷心の仲間をハメる「囲い込みビジネス」にだけ使うな! 鎧の輝きより先に、お前の人間性をメッキ加工してこい!』
「……Oh、ユーシャ。……俺サマ、ボブ。……黄金ノ、心、折レタヨ。……俺サマ、もう、全裸デ、戦ウネ」
『ヤケクソで服脱ぐような真似すんな! メッキが剥がれたからって、尊厳まで脱ぎ捨てるな! 全裸の巨漢が魔王城に突撃したら、俺が「不審者の仲間」として通報されるやろ!』
結局、セシリアが「あ、メッキ剥がした動画がバズって、純金メーカーから案件きたぁ!」と喜ぶ横で、俺は半泣きのボブを慰め続ける羽目になった。
『外側よりも中身の信憑性の方が大事なんか! 俺を元の世界に即帰させろ!』




