12.新入りの美少女、剣より「暴露(ばくろ)」で世界を救おうとする
魔王にスパチャ対決で逃げられ、ボブが破産し、ゼンイチが卓を囲んでいる絶望的なパーティに、ついに待望の女の子が加入した。
ピンク色の髪をなびかせ、巨大な水晶玉を抱えた美少女占術師、ミアだ。
「勇者様ぁ、初めましてぇ! ミアです。私、世界中の『真実』を可視化できちゃうんです。……あ、今の勇者様の顔、シャメ失礼しまーす!」
『……おお、可愛い! やっと華が来た! シャメ? 鏡の魔法か何かか? どんどん撮ってくれ! じいさん、見たか。この透明感。これでパーティの支持率爆上がりや!』
「さっそく占いますねぇ。……えいっ! ……あ、出ましたぁ。魔王軍の幹部である暗黒騎士ガイルさんの『裏垢』特定完了ですぅ。これ、聖騎士長と不倫してるDMのやり取りですねぇ。今から全世界に拡散しまーす!」
『やり方が陰湿やねん! 占い師(占い師)じゃなくて「晒し屋」やんけ! 占いで戦え、暴露で精神的に追い詰めようとすな!』
「勇者様ぁ、見てください! ミアのポスト、10万リポスト超えましたぁ! ガイルさん、今ごろ魔王城で炎上して、リプ欄地獄になってますよぉ。……あ、活動休止(引退)宣言出ましたねぇ」
『倒し方が現代的すぎるわ! 物理攻撃ゼロやんけ! 伝説の武器を使わずに、SNSの総攻撃で城を落とすな! 幹部のメンタル、ベッコベコやぞ!』
「勇者様、ミア殿は凄いですぞ! 次はボブ殿の過去も洗っております!」
『ボブを洗うな! 仲間の身辺調査すな! ろくなこと出てこんわ、あいつの黄金の鎧の購入ルートとか怪しすぎるやろ!』
「……あ、勇者様。見つけちゃいましたぁ。勇者様が昨日、宿屋の裏でこっそり『ボブさんの髭、マジでドブの臭いするわ……』ってボヤいてた動画、匿名アカウントでアップしときましたぁ」
『お前が犯人か! 内部告発すな! 仲間割れを誘発してどうすんねん! 拡散希望のタグ付けるな、ボブがガチ凹みしとるやろ!』
「……Oh、ユーシャ……俺サマ、信ジテタネ……。髭、ドブ、ショックネ……。引退シヨカナ……」
『ボブ、泣くな! 冗談や! ミア、お前はもう水晶を置け! 炎上商法で魔王を倒しても、誰も幸せにならんねん!』
「えぇー? でもぉ、魔王の『過去の不適切な発言』も掘り起こしましたよぉ? これで魔王、明日には『謝罪会見(ライブ配信)』不可避ですぅ」
『魔王を社会的に抹殺すな! 勇者の出る幕がないねん! 剣を振らせろ、俺を元の世界に即帰させろ!』




