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あの可愛らしいお姫様へ

「じゃあ、これは彼女に返さないとだね」

 美しい色彩の小鳥が美しい花の耳環(じかん)(くわ)え飛び立っていく。朝陽に照らされ、それはちらちらと煌びやかに光り輝く。

「……彼女は帰ってしまったんだ、あの騎士に連れられて。さあ王様、これからどうしようか?」

 露台に肘をついて眺めながら、飛び立ったあの美しい小鳥に問いかけるように彼は言葉を紡ぐ。

「この国は酷いよね。お姫様は道具じゃないのにさ……」

 紅い花びらが彼の掌から可哀相に、はらはらと霧中へ零れ落ちた。


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