↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/32

第11話 止め声と並び鐘

 宮廷で歌うのは、詠み司(よみつかさ)と呼ばれる人たちです。この国の教えの司で、詩で祈りを捧げ、詩で味を作ります。第三話でお話しした詠唱料理を作るのも、この人たちです。

◆止め声(とめごえ)

 声変わりの前に時止めの術をかけ、少年の声のまま歌い続ける宮廷歌手。止めた年月は喉に溜まり、歌うたびに少しずつ漏れ出して、聴いた者をほんのわずかに若返らせる。だが止めた時間は、消えたわけではない。止め声の歌手はある朝、止めていた年月の分だけ一度に年をとり、その日のうちに死ぬ。

◆並び鐘(ならびがね)

 音の高さをそろえた青銅の鐘の列。ひとつの鐘を打つと、二つの音が鳴る。一つめは鐘の音、二つめは、なぜか人の声に似ている。青銅は都の倉から運ばれてくる。宮廷の者は、二つめの音を「深みのある響き」と褒める。

◆朝の名詠み

 毎朝、夜明けの刻鐘とともに、詠み司たちが大綯い堂の前で初代の王の名を詠む。一日も欠かしたことはない。この国の者なら誰でもその名を知っているが、口にするのは、この朝の儀式のときだけである。

 朝の名詠みで詠まれる王の名を、私はこの帳面には書きません。書けば、またひとつ、その名が強くなってしまうので。理由は、いずれお話しします。

 次は、ひとりの笛吹きの話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。