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二人で走る
日曜日。
典子との待ち合わせ場所へ行く。
「バイクは?」
潤が聞いた。
「今日は調子悪くて」
「125の?」
「うん」
「何乗ってるんです?」
「普通の」
「普通って」
典子は笑って答えなかった。
二人は歩いた。
*
「里美ちゃん、何歳?」
「同い年です」
「かわいい?」
「まあ」
「好き?」
「何でそんなこと聞くんです」
「気になるから」
「幼なじみみたいなもんです」
「それだけ?」
「……たぶん」
「潤君、たぶんが多いね」
典子は笑う。
「好きになったら年なんて関係ないよ」
「何の話ですか」
「さあ」
*
木陰で典子の写真を撮った。
ライカを下ろす。
典子が手を伸ばした。
潤の手に触れる。
「冷たっ」
「そう?」
「手、冷たいですよ」
「潤君が熱いんじゃない?」
夏なのに。
典子の指はひどく冷たかった。
*
夕方。
潤は里美と二台のカブで走った。
川沿いに停める。
「ねえ」
「何?」
「私たちってさ」
「うん」
「ずっと一緒にいるから、何も言わなくても分かるって思ってる?」
「何が?」
「ほら、そういうところ」
「分からん」
「分からないよ。言わないと」
「何を」
「……もういい」
「またそれか」
里美が笑う。
「でも今日は楽しかった」
「俺も」
帰り道。
ミラーを見る。
青いカブがいる。
なぜか、それがひどく頼もしく見えた。




