第42話「誕生日」
本当にお久しぶりですね。
それとも初めましてですか?
本当に久しぶりにアクセス解析してみると未だに読んでくださる方もいて
なんか嬉しくなったので投稿してみました。
~水月学園~
「今日は先帰ってて!」
今日の授業がすべて終わると奏を連れた祢音はそう言ってさっさと教室を出て行った。
こういうことは時々あったりする。
夕飯の買い物であったりすれば、
荷物持ち等にオレが駆り出されるから、まぁ何かあるんだろうな。
オレはのんびりと帰り支度を整え、家に帰る事にした。
そうだ。今日はアレの発売日だっけか。
帰りに商店街に寄るか。
~商店街・本屋~
まぁアレとはとあるマンガなわけだが、なかなかおもしろかったりする。
数か月に1度出るコミックを毎回楽しみにしながら本屋へ行っている。
さて、と…。
同日に発売されている他のコミックスも平積みされている、最新刊コーナーへ行く。
あった…。
さっさと買って、家に帰って読むか。
無事買えた事によって少し浮足立ったオレは本屋を出た所で
「兄さん…」
奏に出会った。
手には紙袋があるのがチラリと見えた。
「見ないでください」
だが店名を見る間もなくさっと後ろへ隠してしまう。
「何だそれ?」
覗きこもうとすると目を手で覆われた。
「兄さんには関係のないものです」
「隠す事ないだろ」
手をどかそうと手を握ると
「そんなに見たいんですか、兄さんのスケベ」
「っ…わかったよ」
そんな事を言われると引き下がるしかない。
まぁ普段一緒に生活しているわけだから
今更そんなに気にすることはないとは思うが
人の目がある外でこれ以上食い下がると世間的によろしくない。
「それでは私は本屋に用がありますので…」
視界が開けた時には目の前に奏の姿はなくなっていた。
なんなんだ…。
まぁ買いたい物は買ったし、帰るか。
~商店街~
「げ、お兄ちゃん」
「『げ』とはなんだ」
今度は祢音に会った。
すぐに戻ったが、最初明らかに動揺した顔をしていた。
「な、何してんの?」
「いや、欲しい本があったから本屋にな」
「あ、そお…」
どうも2人してオレに会うのは都合が悪いようだ。
「……………じ、じゃあわたし行くね」
「おう」
ったく、2人してなんだってんだ。
~如月家~
「ただいまーっと」
「やぁ!お兄ちゃん!お帰り!!」
バタンと大きな音を立てて祢音が姿を現した。
「お、おう…」
オレが玄関の目の前にある階段を上がっていく間、
祢音はずっとリビングへのドアの前に立ち、ニコニコとオレを見ていた。
どうもリビングに入らせたくないようだな。
……………あ、そうか。
そこでオレは一つの結論が頭に浮かんだ。
今日だったな。
オレは呼ばれるまで静かに自分の部屋で過ごす事にした。
~無月の部屋~
「お兄ちゃーん!ご飯だよー!」
耳元で怒鳴り声がし、体が揺さぶられる。
本を呼んでいたら寝ていたようだ。
それで寝ていたオレを祢音が起こしに来たようだ。
「っせえな!」
「わっ!」
振り向きながら怒鳴り返すと、祢音は少し飛び退く。
「だって、下から呼んでも起きないんだもん」
「そか…で、夕飯か」
「うん。下で待ってるからね」
「ああ」
返事をすると同時にドアを開ける音がした。
~リビング&ダイニング~
「おお…!」
テーブルにはいつもより豪華な料理が並べられている。
豪華というか、誕生日仕様だ。
「お兄ちゃん、誕生日おめでとう!!」
「お姉さま、誕生日おめでとうございます」
「ありがとな」
今日はオレと祢音の誕生日だ。
「ささ、座って座って」
いつもオレが座っているイスを引いて呼ぶ。
そんなわけで色々とごちそうになったし、ケーキも用意してくれた。
「ありがとな」
「ふふ、で?お兄ちゃんはプレゼント何くれるの?」
「え?」
反射的に言葉が出た。
「わたしからはこの料理。まぁ奏ちゃんと共同だけど。
お兄ちゃん、商店街にプレゼント買いに行ったでしょ?」
「あ、いや…それはだな…」
「まさかお兄ちゃん何も用意してないの!?」
期待していたのか目を丸くして驚き、そして見るからに落胆した。
奏が怒りのこもった目でオレを見ている。
「か、奏は何買ったんだ!?」
「兄さんに教える義務はありません」
奏へ話を振るが、さらっとかわされた。
「お兄ちゃん!」
「ああ…すまん…。明日!明日買いに行って渡すから!」
「絶対だよ!」
「絶対だ!」
「よし!許す!んじゃ片づけよっか!」
「おう」
とまぁそんなぐあいで誕生パーティは終了した。
もちろん翌日にはちゃんと髪留めをプレゼントした。
女物の小物を選ぶセンスはないと思っていたし、
あまり髪をまとめたりすることのない祢音だからどうかと思ったが、
さっそくつけてくれて、喜んでくれた。なによりだ。
まぁなんかあんまり練られてない感がありますね…。
そもそもタイトルでネタバレしちゃってますけどね。
どれだけの久しぶり、初めましての方が読んでくださるのでしょうね。
楽しみです。
次の投稿はいつになるのか、もしかしてこれで最後なのか。
わかりませんがまた思い出すような感じで今までの作品も読んでいただけると嬉しいです。