表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おでこに紋章ある姫様  作者: 厚揚げ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/18

怪物グズリ

熊を狩るべく浜辺にいくと、熊の群がなんと全滅していた、乱雑に食い散らかして、皮が吐き出されてる、一体何者か?

姫様は、熊の臭い以外、更に強烈なイタチ科の臭いを嗅ぎ

「マズイことになった、グズリだ、それもこれだけの熊を狩るのは相当大きいぞ、アヤツしつこいからな用心ねば」

弥助は、クズリと聞いて、里に偶に現れたしつこいグズリを想像、しかし、グズリはデカくないから熊なんか倒して食べるかなと思うが黙ってる、いずれにせよ用心しなければならないのは同じ


姫様は乱雑に散らかった熊の毛皮を使えそうなのを集めて天幕に持ち帰る。

「天幕の周囲には火を絶やさないように」

と、弥助に指示し、

そして、現代で言えばタイヤを燃やしたような小舟の撥水用ヤニを燃やし獣よけにした、しかし、この臭いは弥助にも我慢し難い。

「毛皮一式ができるまでの辛抱だ」

確かに獣よけは効いた様だ、天幕の離れた処に大きな足跡があった、どうやら一匹のようだ。

「グズリの毛皮は高く売れると聞く、これだけ大きければ相当な毛皮になる、大儲けできるぞ」

「然し、どうやって倒します、この大きさでは刀では無理ですな、居合では間に合わない、」

「落とし穴とて直ぐに飛びだすであろう、」

「竹串を設置してはどうかな」

「却下、絶対駄目だ、毛皮を傷付けて価値が下がる、」

もうこの姫は命の危険より、グズリの毛皮いくらで売れるかしか考えてない


弥助は川から水を汲み小動物を狩り食事を用意する、姫様は一心不乱に毛皮を鞣してる、

ヤニが尽きた頃、毛皮一式が出来た、毛皮の帽子、防寒着、靴まで、姫様はよく短時間に拵えたと感心する。継ぎ接ぎだらけだが、弥助の身体に測ってようにぴったりである。姫様の熊の毛皮は帽子に耳も付いていて

弥助は不覚にも硬くした。

「弥助よ何を考えてる」

「いえ、姫様、その、お似合いで、その耳要りますか」

「可愛いかなと思ってな」

「過ぎまする」


拠点を前に見つけた洞穴にすることにした。簡易竈、糸や針、つかえそうなのを厳選して、弓矢、竹槍を持って移動する。


洞穴は結構広かった、

ここなら洞穴内で焚き火出来そう。厳しい冬も越せる。その前に、水を汲み、小動物や熊などを狩り肉を干さねばならない。


しかし、この洞窟、奥のほうから、イタチ科の臭いが、

恐る恐る覗いてみると、どうやら本来の洞窟の主一家を食べ尽くしためっちゃデカいグズリが寝てる。

姫様と弥助は急いで洞窟から離れる。

「ここから逃げましょう」

弥助は、姫様にグズリの毛皮を諦めてくれるのを願ったが

「地理が分からない、北の大地は広い、一冬過ごして行かねば凍死する、それに、クズリの毛皮、高く売れると聞いている、」

「よもや、姫様はあんな馬鹿でかい怪物の皮剥ぐつもりですか」

「アイツを倒さないと一冬この洞窟で過ごせないぞ、やるか殺られるかだ」

弥助は覚悟決めるしかない


洞窟内、姫様はグズリの前に立つ、グズリは新たな獲物の匂いを嗅ぎつけたか目を醒まし、姫様をじっと睨む、唸り声を上げて威嚇する、

すると、いきなり姫様に飛びかかってきた、姫様は出口向かって韋駄天の如く走る、洞窟を飛びだし外の広い場所に出て、グズリが姫様に追いつこうとした寸前、姫様は高く横に飛び上がる。

姫様を見失ったグズリ、代わりに、目の前で竹槍を低く構えてる弥助を見て怒り狂ったように突進する。

弥助は腰を落とし、グズリが充分近づくと、全身の力で竹槍をクズリのこめかみに飛び上がり突き立てた。

確かな手応えが弥助の手に伝わった、クズリは死んでもなお身体は死を認識してないのか、脳の制御がなくなり余計に暴れる、

「なんだコイツ不死身か、しくじったか弥助」

「いえ、確かに急所に突き刺さった筈ですが」

姫様と弥助は一時間近く逃げ回り、

やがて、グズリは地響きを残し倒れた。


姫様はひたすら時間との闘いで毛皮を剥ぐ、真冬になれば硬く凍りつき剥がせない。姫様を駆り立てるのは高級毛皮としての売却益。

洞窟内は以前人も住んでたようで、水を入れる大きな水槽があった。弥助は川の水を貯める。

弥助はウサギや熊を狩り、ドングリを集める。川魚も干す。

夕方、弥助が狩りから帰ると

洞窟前で異様な臭いの鍋に煮込んだ肉を前にして、姫様は

「弥助、これ食べろ、」

弥助は、強烈な臭いからして、

「これはもしや、グズリでは」

「いいから食べろって」

弥助は意を決して、一口入れた、臭いが口から胃、腸まで一瞬に達して、弥助はのたうち回る、

姫様は、やっぱ食えないか、と残念そう。


グズリの毛皮をおおかた剥いだころ、本格的な吹雪が吹き出した。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ