約束の価値
兄様は隣国の弥助を知っていた、だから姫様に無謀な真っ昼間鉄の籠で突破する策を持たせた。隣国は弥助を負傷させ足軽や騎馬も喪失し兄様はなんの苦労もなく即攻めて落とす、隣国を攻めてた国も大将を無くし混乱の中攻めて難なく落とした。
かつて、隣国とは争ってましたが、弥助1人に自軍が削れるのを見た兄様は恐怖して、和睦と同盟を結んだ。
また、弥助を寝返りさせようともしましたが、弥助は自分が寝返りすれば里の親兄弟の立場がなくなると断る。つまり、自分は生まれた時から足軽で死ぬだけの、存在と悟ってる。
兄様は諦めて、機会を伺い、隣国の争いに姫様を送り込んだ。
兄様も姫様も弥助を排除としたのに何故か治療しようとするのはまだ死なせてはならない理由があるかも知れない。
弥助は、瞬きだけで、カラスやら野良犬を追い払っていた。しかし、最早、限界、
弥助は、姫様を思った、初物くれてやるとはどういうことかと、
姫様が南門の足軽詰所で足軽達の脛や片手をつむじ風のように切り刻み、弥助にも向かってきた、弥助は刀では間に合わないと咄嗟に姫様の攻撃を交わすと同時に姫様の足を上に捕まえて鯖折にした、抱えた時、姫の柔らかい感触体温甘い香りを5感で感じていた。
しかし、もう会うこともないだろう、
弥助には分かってた、最初から姫様はこちらの戦力を削ぐつもりだった、利用されたのだと、しかし、それでも自分は初めて役割を、いや主君を得た、自分は姫様を届けた、そして、間もなく朽ち果てる。意識が切れた。
突然、全身に骨が割れるような痛みが走った、いや、既に骨は割れてるが、それ以上に痛みがはしり気負うしなった途端また痛みが、投げ飛ばされたように走る。
兄様の医師団は弥助を台に乗せ周りを簡易の布のテントを張った。
医師団は弥助を酒で洗い、鼻に管を、通し、幻覚草の燻ったのを吸わさせる、弟子が、叫ぶ、
「師匠これ以上吸引させればコヤツ死にまする。」
「どうせ、痛みで死ぬ、もっと吸わせろ」
弥助の意識が飛ぶ中、医師団は磁器製のネジや円筒や板で弥助の骨を補強する。やるだけのことはしたつもりだが助かるとは思えなかった。
姫様は施術した隣に小屋を建てさせ、近所の百姓女を雇い、看病させた。
姫様も付きっきりで看病し、食べれないから直接胃に管で粥を気長に流し込む。一週間後、弥助は目を覚ます。
姫様はそれから1ヶ月休まず弥助を看病した、弥助はただ泣いてばかりいた、動けないのである、感覚もない、しかし痛みだけはあった。
姫様が看病してくれているのに動けない自分が情け無かった。
そして、1ヶ月後、姫様が消えた、兄様の屋敷に戻ったそうな
弥助は絶望した、姫様に見捨てられたのだ、生きる希望もなく、ただの置物となった。
姫様は兄様の屋敷の庭先の畳に座っていた。奥の部屋には、鼻高々国の使者という者が2人居た。
兄様は姫様に密命を言い渡す。
「鼻高々国の王子の側室に行け、鼻高々国の王子の子供を産み国を乗っ取れ。」
鼻高々国の使者を乗せた7隻の船団は本来、海を挟んだ大陸の、東国に向かっていたが、嵐にあい使者2人を、乗せた一隻だけが兄様の領内の浜辺に打ち上げられた。使者は帝の姫を鼻高々国の王子の側室にと要求した、しかし、帝がそんな要求相手する訳ない、
兄様は胡散臭い家系図で当家は帝の直系である、妹を側室に差し出すと提案。使者は誰も連れて行かないよりはマシと承知する。
帝に赦しを得て姫様を鼻高々国王子の側室に送り出すことが勅令として発布。
使者は鼻高々国の紋章の焼印を身体に側室の証に押すのを要求する。
兄様の屋敷の庭で姫様は赤く熱された鼻高々国の刻印を髪の毛を除けて自らの手でおでこに押し付ける。おでこに鼻高々国の刻印がはっきりと押された。
弥助は夢を見ました、姫様を抱きしめた時の感触、体温、甘い香り、なんだか身体を包み込むように締め付ける。
しかし、痛みではなく甘美な感覚が全身を覆う、姫様と呟き目を開けると、
なんと、姫様が弥助に跨って波のように揺らむ。
姫様は事終わるとそっと弥助から離れ、
「これで思い残すことはない、弥助よ、わしはな、ちと遠い処に行かねばならぬ、弥助よ別れじゃ、達者でな」
部屋を出て行きます。
弥助は大量の涙を瞬きの間に流す、しかし、意を決したように、寝処から転がり落ち、芋虫のように這いながら戸口に向かっていった。
姫様は小屋から離れ暫くしてふと小屋を振り返る、すると、弥助が戸口から這いずりながら追いかけてくる。姫様は微笑みながら待つ。




