鉄の籠中央突破
姫様は提案します。
「真っ昼間堂々と敵の正面を、わしを籠に乗せ、敵の本陣近くまで運んで貰えば、敵将の首獲ってまいります」
若城主はこの奇想天外、大胆不敵な策に乗りました、普段周りから優柔不断と思われ、先代だったらと思われてるのを払拭出来ます。
南門武将も北門武将も乗り気です。
ただ家老だけは沈黙して、もはや諦めの境地
神輿ぐらいの籠に鉄板を蛇腹のように貼り付けてその中に西洋甲冑の姫様が乗り込みます。天井から吊り輪と蒸し鶏、干し肉、酒が入った竹筒などが何本もぶら下がってます。
その神輿を弥助を含み約100人の足軽で担ぎ又は500人の足軽たちが引っ張りその周りを1000人の足軽が固め、さらにまえには騎馬兵2千騎が先導します。
弥助は思います。あの姫様ならこちらの夜目の効く足軽と夜中、忍び込めば、あっさり敵将討てるのではないか、全く意味不明な策であると、しかし、弥助が異を唱えた処で誰も聴かないでしょう。
実は、弥助は他国から非常に恐れられてます。何故なら、彼は正確に相手の鎧の隙間を槍で突き戦闘不能にさせて、首級をあげることもなくひたすら突きまくるので、あっという間に軍勢が崩されてしまうのです。
しかし、首級をあげないので自軍の評価は低く、しかも、他の足軽達は報酬貰えば飲むうつ買うを、弥助は武具の手入れと週に何度か寺の和尚に文字を教わるか、朝から夜までひたすら槍を突いてます。そんな弥助を周りは疎んで、上司の南門武将も嫌ってます。
弥助は微塵も若城主に忠誠心など抱いた事ありません。農家の5男坊でもう生まれた時から足軽と人生は決まってました。
しかし、隣国の姫様とのことで、弥助に心の変化が、生じてます。
姫様が、この籠で敵本陣を目指されるなら命に賭けても届け無ければと、生まれて始めて他人に忠誠心なような感情が生まれます。
あの夜、俺は姫様の背骨を折らなかった、
いや折れなかった。
姫様は俺を殺そうと思えば殺せた筈。
なのに殺さ無かった。
ただ弥助には姫様の柔らかい身体の感触と温もり甘い香りが残ってます。
籠は激しく揺られながら進みます。
本陣に近づくにつれ敵の攻撃も激しさをました。周りの兵も削られ、槍や弓矢が直接籠を襲うようになり、鉄板を火花ちらしながら貫通して、槍が姫様の頬っぺたを掠ります。
姫様は蒸し鶏や酒をほうばりながら、
「しぬな、これ、死ぬわ」余りの恐怖に失禁しながら笑います。
小山を削って本陣にしてる敵大将は眼下の奇妙な神輿が、近よってくるのを笑ってます。周りの大将が殿、後方にっていうのを
「あんな阿呆なの怖がってたらバカにされるわ」と動きません。
とうとう、騎馬兵も足軽も担ぎ手も居なくなり、弥助1人で担いでますが
弥助は言います、
「姫様、申し訳ございません。限界です。」
姫様は、チラっと小窓から覗き込みます、足りません距離が、
弥助の奴、短刀を突き立てていても一物硬くしてた、姫様はその変態に縋ります。
「弥助、もう100歩じゃ、進めば、姫の初物、弥助にくれてやる。」
弥助は全身に雷が落ちたような衝撃をうけ、
猛然と走りだします。
そして100歩目、ピタリと止まり、弥助の腕や脚、腰の骨が皮膚を破り突き出します。その同時に神輿が、崩れ地に付く前に、姫様が、サラシ1枚に口に短刀を咬み飛び出し、敵兵の頭を飛ぶように弾き出して、本陣の崖を駆け上がり背面飛びで崖上に着地したと同時に、もう敵大将の首を跳ねて、護衛の兵士の槍と馬を、奪い槍に首を刺して敵将討ち取ったりと叫びながら、駆け抜けて行きました。




