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おでこに紋章ある姫様  作者: 厚揚げ


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15/18

幸せな幽閉生活

姫様は鼻高々国に送られた。

やはり、鼻高々国はハラヘッタで騒ぎ起こした姫様を跡継ぎ王子の側室には出来ない。

もともと、大陸東方の大国、東国向けの友好使節船団であって、さらに東の島国の兄様国など眼中に無かった、しかし、嵐に遭い島国に難破して使節2人だけが助かった。東国の姫の代わりに帝の本筋だと主張する兄様の妹を側室候補として、姫様自ら証である鼻高々国の紋章の焼印をおでこに押して遥々やって来た。

眼中に無かった兄様国から丁寧に難破した使者を内燃機関付船で送り返してきた実力も侮れなく、姫様を追放して関係を悪くしたくない。

「自分達が滞在してる短い間にあの国は兄様と彼が見出した頭のおかしい者達によって考えられないくらい激変した、あの者達の波動砲や融解熱照射砲は脅威である。あの者等は島国から侵攻することはないが海岸線をハリネズミ化してる、」

と使節は王宮に報告。

結局、姫様を追い返すこともせず、辺境の最前線第4王子の城に送りこまれ、緩やかな幽閉状態に置くように命令つきだった、厄介払いである。


7日間、馬車に揺られ幾つもの永遠に続く森を抜け、山道を登った寒く殺伐とした岩山に第4王子の石のブロックと煉瓦で建てられた城がそびえ立ってた。

この城は最前線軍事基地の城で物資は中央からの輸送と備蓄に依存してる為、住民を過酷に搾取する必要はなく他国からの侵略時には住民を城に避難させた。


第4王子は城門の前で自ら待っていた。

「姫様、お待ちしてました。グレードシャネルの第4王子、シャネルドナンバーフォーです、遠路はるばるお疲れ様でございました」

大柄なのに身体は引き締まり、顔は掘り深く端正で所謂めっちゃ男前、品がよく誠実さも現れてるが、戦士のような鋭い視線が姫様の快感を呼び起こす、こんな完璧な男見たことない。

姫様は、返答することを一瞬忘れてしまった。

「王子自らのお出迎えありがとうございます、わしは、もとい、私は東の島より…」

やがて、自分が第4王子の顔をじっと見上げていることに気づき、慌てて視線を逸らす。完全にパニックになった

完璧な人間の男を前にして、姫様の野生の脳細胞は完全にショートしていた。

 (いけない、舐められては駄目よ兄様の国の威信と、私の女としての格を、この最高級の男に見せつけなくては……!)

 張り詰めた沈黙の中、姫様はすっとおでこの「鼻高々国の紋章」を王子の正面に見せつけるように顎を引き、自らの着物の裾をバシッと叩きました。

 そして、喉の奥から絞り出すような、低くドスの効いた声で語り始めたのです。

「――お控えなすって」

 シャネルドナンバーフォーの美しい眉が、驚きでピクリと跳ね上がりました。しかし、姫様の口上は止まりません。

「新参者につき、万事行き届かざる体なれば、お身内様のご指導ご鞭撻、伏して願い上げ奉ります。

 生まれは島国、島国と言ってもいささか広うござんす、西より真ん中辺の兄様国にて育ちやした、愛憎の果てに実の兄貴のツラを焼き、お上の不条理にて、おでこにこの通り鼻高々国の紋章という名の消えねえ看板を背負わされました、名もなき流れ者にござんす」

「遠く孤島に島流しと相成りましてからは、山の大猿のオスどもを竹槍一本で追いかけ回し、力ずくでケジメをつけさせて、その日暮らしの命を繋いでまいりやした。

 この度は、兄貴の国を根こそぎブン取るという、お上の汚い密命を懐に忍ばせ、側室という名の鉄砲玉として、この大陸へ乗り込んできた次第にござんす」

 姫様は、当代一流の絵師が国家予算で描いたかのような、見事なお尻のラインを堂々と張って見せ、王子を真っ直ぐに睨み据えました。

「お見かけしたところ、お若いながらも筋金の入った大柄な体躯、彫りの深い男前のツラ構え。天下をも掠め取るような、誠に上等な器とお見受けいたしやす。

 ハラヘッタの市政を汚し、周辺国家から見放されるほど腐敗させた不肖の身ではござんすが、お前さんが本物の漢だと言うのなら――この命、お前さんに、根こそぎ差し出す覚悟にござんす。

 ……以後、お見知り置き、よろしくお頼み申します」

やっちまった、完全に、無理もない、

姫様は、島流しされた島で己の煩悩を発散させる為、大猿のオスを片っ端しから丸太で殴り腹に跨り襲っていた、その場の余りの凄惨な情景を目撃した背の低いほうの役人は、大猿オス愛護運動を始めた程である。

大猿は襲うが人間の初物は大事にしていたのに、弥助みたいなちんちくりんに与えてしまったのは不覚。

それ以後、ハッサムだの東雲だの一癖ある男ばっかりで胸ときめく人間の男は初めてだった。


「ハハァ、面白い、頼もしい方だ、こちらこそよろしくお願いします」

家来や執事達が呆然としてる中、シャネルドナンバーフォーは朗らかに笑ってる。 


とは言え、緩やかな幽閉状態にしろと中央の命令

姫様は西の端っこの塔に幽閉された、部屋を出るにしても塔の周辺だけである。

シャネルドナンバーフォー王子もこの頃、グレードシャネル国王の命令で西側諸国とパルナス大公国を中心とした北方勢力との紛争に出兵した。

その不在を狙ってか境界線の向こうのサフラン公国が

城を襲ってきた。かなりの勢力である。

城兵は波動砲などで迎い撃つが、王子が熟練将校を連れて遠征した為か守備兵は全然統制されてない

それを見ていた姫様は痺れ切らし

「お前等ウドの大木か!波動砲は連射出来ないのだからもっと引きつけて撃て」

と、姫様は城内の兵士をどやしながら、いつの間にか指揮をして効率よく敵の中にぶっ放なす。

敵が怯んだのを見るや、城門から自ら草刈り機のように槍を振り回し敵を薙ぎ倒す。  

敵は撤退した。


第4王子は帰還して姫様の活躍を兵士から聞いた

「まさしく東洋の鬼女、任侠の如き姿でした」

実は城を犠牲にしてでも出兵しろとの国王の命令だったので、少数しか守備兵を残していなかった。

それが落ちなかったので、王子は素直に

「姫様の御活躍のお陰で城が落ちずに残りました。お礼を申し上げる」


それをきっかけに、王子は姫様を競技剣術を申し出た、

王子は、剣術、馬術に優れ鼻高々国では敵う者は居ない。

王子の無駄のない威力ある攻撃を姫様はかわしつつ素早い動きで突く。2人の試合はまるで社交ダンスのような華麗であった。

両者は勝ったり負けたり。

「流石、怪物グズリを倒された姫様だ、さぞかし、名のある師匠に修行されたのですね」

「いやいや、怪物グズリを倒したのは弥助という共に旅した者、剣術は島国の都の正統派剣術を習いました」

「弥助殿の武勇はこちらにも伝わってます、」

続けようとしたがクジラ化して死刑台が壊れたっていう有名な話は言わない王子だった。

「宜しければお師匠様のお名前聞かせて頂きたい」

姫様は詰まった、あれ?あの背の高い役人らしい男、名前あったかな、みんな背の高い方の役人しか言わなかったからな、困った、師匠の名前も知らんのかって言われる

「師匠は宮本武蔵です」

「宮本武蔵師匠ですか、一度お会いしたい」


隊商で猛特訓した洗練された会話なのに話の中身は海賊武将を倒した話や伝説グズリを倒した話やハラヘッタでのやる気無かったこと

聞いていて飽きなかった、

しかも薬草や医術にも詳しく、領民、兵士を治療するので領民、兵士からも慕われた。

そんな第4王子シャネルドナンバーフォーと姫様が結ばれるのは自然だった。

王子は父王グレードシャネルに島国の姫様を正室に迎えたいと願う。

父王は第4王子は王位継承から離れているのと、島国の兄様国との関係も考え

「うむ、認めよう、異国の姫だが仲良く国に尽くすようにな」

第1王子は深く考えないで、2人を祝福。

第3王子は失礼な程、姫様のおでこの鼻高々国の刻印を嘲るように見る。 

姫様は見やすいように、おでこをかき上げ第3王子に押しつける。

いやはや、おっかない姫だなと苦笑いするが、あまりしつこいと第4王子が怒るから引き下がる。


第2王子だけは不穏な眼で姫様と第4王子を眺めていた。


第4王子は姫様を正室に迎えた。

しかも側室を設け無かった。 

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