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おでこに紋章ある姫様  作者: 厚揚げ


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11/18

姫様の隊商生活

旅は長かった、交易しなから、時には隊商自体が市場になりながらの旅であった、

「隊商の大将ハッサムはこの隊商だけでなくいくつもの路線の隊商を所有しており、大陸を蜘蛛の巣のように張り巡らせてます、」

「ハッサム殿は国王みたいだな」

弥助は号令一つで即座に数多い天幕を畳み移動態勢に変化したり、即座に天幕を設置する統制に感心する、しかも他にも隊商があるという。

「国と言っても良い勢力であり、いやもともと起源は国だったらしいです。今は海路にも力を入れ始めて、なんと兄様の国と提携話もあるらしいですよ」

「姫様の兄上様、うむ、どことなくハッサム殿と似ている」

能面被った狐と堀の深い顔の狸を思い浮かべる弥助だった。


「馬術さえ上手ければ野盗共を蹴散らせてた」

「それなら、我が隊商の馬上クリケットクラブに入部されたらどうでしょう、鼻高々国に入れば、馬に乗れない武官は馬鹿にされますし」

東雲は馬上クリケットクラブの隊長を紹介する。

「この方は我が隊商の最上賓客で鼻高々国妃候補姫様の第一の家来で在られる弥助殿である」 

顔中傷だらけ痩せてはいるが恐らく鋼の筋肉を纏ってると思われる隊長は、弥助は馬なんか乗れないの一瞥で、それがどうしたってあちらを向いた。

「弥助殿は怪物グズリをも槍で倒した豪傑であるが、残念ながら馬を乗る機会は無かった、全く馬に乗れない、馬に関してはお前の冬に生まれた次男より素人ではある、」

「私にどうしろと、まさかお子様乗馬クラブ始めろとでも」

いつの間にか東雲はハッサムの命令書を用意してた。

「弥助殿に鼻高々国の将校にも負けない馬術を伝授すべし、これは我が隊商の大将ハッサムの命令である」

隊長は全く困惑、迷惑な話ではあるが、ハッサムの命令なら致し方ない。しかし、このちんちくりんがとても馬に乗れるとは思えないが。

隊長は一番大人しく、背の低い種の冬に生まれた次男の訓練用の馬を弥助に用意した。

弥助は足軽だったので馬に乗る機会は少なかった、しかしこれぐらいの馬なら跨げるが、教えられた正式な乗馬の仕方をすれば何故か反対向きに乗ってしまう、つまり尻の方を向いてしまう、皆は大笑いであった。隊長は首だけ残して埋められるのを覚悟した。

弥助は諦め無かった、いくら大人しい馬でもしつこく練習するので逃げたが追いかけて乗馬した。

こうして段々と気性の激しい馬にも、野生の馬にも乗馬出来るようになった。隊長も諦めない弥助に感動すら覚え、暴れ馬を見事手懐けた時は一緒に泣いた。

いつの間にか、野盗の首での馬上クリケットAチームのスタメンしてた。誰も弥助の乗馬を笑わない。

また、野盗狩りや縄張り荒らす隊商を襲撃する部隊にも参戦、馬術と槍の弥助は無双であった。律儀に隊商は弥助に報奨金も与える。その金で最近鼻高々国語を習い出した弥助は隊商内の本屋で鼻高々国の舞台劇の脚本を購入して夢中に読む。


姫様は侍女から隊商の大将の国の記号みたいな言語を習い、鼻高々国の会話も習う。

また自身の薬草と医術の知識で隊商の漢方薬から調合した便秘薬や整腸剤を開発した。 

「姫様の薬のお陰で我が隊商の民も助かってます、姫様の薬を大量生産して我が隊商の蜘蛛の巣条の販売網で販売させて頂きたい、相場より高めの率のロイヤリティ払いますがどうでしょう」

姫様は目を輝かせ

「それは良い考えじゃ、ハッサム殿と協同契約結ぼう」

姫様の薬は東の東国から西側諸国の便秘や胃腸の調子で悩む淑女と紳士の皆さんに絶大な支持を得て永らく定番薬、常備薬となる。

相場より高めのロイヤリティ貰う姫様は結構な金持ちになった。


弥助は島を出航前、兄様から定期報告書を出すよう言われてた。律儀に寝る前とかに1日の出来事など書いて、今迄、田舎の街で一通、隊商内で一通郵便で送りましたが、

「姫様、なんと兄様から返事が来ました」

「まだ鼻高々国の入口すらたどり着いてないのに手紙が届くとはのう」

姫様は複雑な気持ちだったが、

「これもハッサム殿のネットワークなのでしょう」

姫様も興味津々で兄様の手紙を見た。

「やはり船団は全滅しましたね、なんせ鼻高々国の使者は和船に乗るの拒否してましたからね、小舟用意しといて良かったです、しかしめっちゃ金かかりましたよ、ワシの金じゃないから良いですけどね国費だから、あれ待てよワシも結構国費払ってるわ、グズリ退治見事でしたね、読んでて手に汗握りました。やっぱめっちゃ凄いあの刀でもグズリ相手じゃ難しいですね、竹槍最高ですね、いや弥助の竹槍捌きが、捌きじゃないな、やっぱ突いた感じですか…」

その他は、兄様自作の歌や正室への愚痴、

「たまたま行った茶店の娘が愛想よいのは私に気が合うのかな、好きなら好きって言った方が良いかな、どう思う弥助」

姫様は呆れ顔

弥助は返事書く

「姫様の兄上様、手紙届きました、姫様も俺も懐かしさで胸いっぱいになりました。

茶店の娘さんのことは、俺には良く分かりませんが、兄上様ぐらいの国のトップならいろいろセクハラとかパワハラとか難しいんじゃないですか、俺も姫様の胸の辺見ただけでセクハラだの変態だの言われます男は辛いですね、ごめんなさいです、足軽ごときの俺が生意気言って…

さて槍のことですが、グズリの時はとにかくみぞおち狙いで…」


姫様と弥助が島国を出航してから2年近くなるが、その間、兄様の国は劇的に変わった、

大陸の古から世界の中心であった東国の隷属国が鼻高々国とした西国諸国に港などを武力で割拠、東国自体も侵略されつつあった。

ちょっと航路から外れば波が高い海に囲まれその為、異国からの侵略から逃れていた兄様の国ではあったが

兄様は取り巻く世界状況を憂慮、妹を鼻高々国に側室に送り出したのもなんとか鼻高々国と関係を結ぶ為である。

国内は兄様が約半分近く勢力を拡大したとはいえ、各地の武将がバラバラに統治していた。

兄様は帝に自ら領土を差し出し古に戻り帝による直接統治を訴えた

勅令により武将の領土は没収、かわりに県知事を置く

中央に帝を中心とし元有力武将達の御前会議を開き議長に兄様が就任した

革命と言える改革に各地の武将は反発すると思われたが、西の兄様のライバル武将以外は静かに領土を差し出した。新政府が武将の負債を引き受けてくれたからだ、殆どの武将は度重なる戦で破綻していた。また地方行政の人員も横滑りだったのもある。

ライバル武将は反乱したが、鼻高々国の使者が持っていた新兵器のリボルバー式波動砲を兄様の領内の頭のおかしい鍛冶屋が複製して兄様は大量生産していた為

簡単に鎮圧してしまう。

また兄様は鼻高々国の使者の船を頭のおかしい船大工に見せ作れるか聞いた処、

「作れるが船底の浸水防ぐコーティング剤が分かりませんし、帆の操作も難しいでしょうね」

兄様は腹を切った大老の頭のおかしい息子に船底用タールを作らせる。

また、兄様が自らなんとなく描いた僕の考えた内燃機関を頭のおかしい農機具、足踏み布縫い機製造の富田氏に見せたら、本当に内燃機関が出来上がり、それを異国の船の複製船に乗っけたとんでもない船を造船した、大陸の姫様と弥助が寄宿してる隊商の大将と提携して、兄様の内燃機関付船の航路を開拓して、内陸の交易路と結ぶ一貫国際輸送網を構築、ドアからドアを完成しつつあった

また、西側諸国がまだ駅馬車なのに兄様は線路を敷き内燃機関付箱を走らせた。自然とベアリングや精密金属や工作機械も頭のおかしい者達によって急激に発達。

こうした内燃機関や工業品は兄様の内燃機関付船と隊商の大将により西側諸国に輸出されて、兄様国は最先進国になりつつあった。

また兄様は頭のおかしい者を輩出させる為、それまで各自バラバラに教育を施してた寺子屋を公立の初等学校に編成し、純粋に読み書きに特化した教科書に統一した。高等、大学と上級学校も整備した。

たった2年で兄様は兄様の国を大改造して、とうとう姫様の移動スピードを追い抜いて郵便物を届けたのだった。


しかし、スピードの遅いのは決して無駄ではない。

通訳幹部は姫様に侍女を通じて西側諸国のセレブのマナー、言葉を教え完璧なレディに仕上げた。

また弥助も鼻高々国の将校にも負けない馬術を習得し、姫様の家来として風格も出てきた。

そろそろ頃合いなのと

「なんかすごい伝説のグズリの毛皮がセリにかけられるらしいじゃん」

と宣伝も浸透したので

交易都市ハラヘッタに迎う。


交易都市ハラヘッタは

隊商の大将の宗教勢力と鼻高々国の宗教勢力とハラヘッタ市民からなる中立議会都市だ。

東からのあらゆる交易品の集約都市であり集約港でもあり、ハラヘッタから東方諸国に交易品が輸出される。中立国なので商人は自由に使用料さえ払えば商売出来る。 

しかし、最近、胡散臭い異教徒の司祭が呪術で議会を操ってるとの噂が


荘厳な城壁に囲まれた貿易都市ハラヘッタ、その広大な正門を隊商の荷車の列は人夫に引かれ入って行く、隊商本隊は門の外の平地に天幕を張る。らくだや馬はセリ市用しか入れない。


姫様と弥助は中の上クラスのホテルを充てがわれます、 「まだ正式な側室じゃないからこんなもんでしょう。

通訳幹部は、3日後に鼻高々国のお迎えが来る予定と言います。」

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