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アマルナへの扉  作者: 田丸 彬禰


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浸食する墓地

非常に魅力的なタイトルですが、内容はそのような魅惑的なものは全くありません。

エジプトにおける私の主戦場であるアマルナ。

その中でも有名なアテン大神殿。

ここがイスラム教徒の墓地によって浸食されています。

周壁内部、神殿域の北側が完全に墓地に飲み込まれ、神殿の遺構の一部は完全に消えました。

あの勢いでいけば、アテン大神殿の最深部にある主神殿が消えることもそう遠くないことでしょう。


さて、日本では、イスラム教徒ごときが日本国内の埋葬習慣にケチをつけるなどもってのほかという意見が蔓延しています。

その理論に則れば、エジプト人にとってはごく当たり前のことであるアマルナの現状を日本人が批判をできないということになります。


もちろん、貴重な遺跡の破壊行為と当地のエジプト人の行動を批判できます。


ですが、それによってその地に住むエジプト人を住みにくくしてよいものか。

さらに、それに対して、批判をした側がなんらかの手助けをするのかと言ったら何もしない。


対価なしに一方的に要求することは許されるものでもない。

また、その国の価値観は自国でのみ有効であり、それを他国に押しつけることはできない。

結局、またひとつ貴重な遺跡が消えていくのを眺めているだけしかない。

残念なことではありますが。



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