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推し命の転生者、弱小ポンコツな推し神様のために万能な推し活パワーで騎士爵領を大領地にする  作者: 鳥助


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25.キジバードの収拾、洗脳、無事下僕

 森にやってくると、あちこちからキジバードの声が響いていた。木々の合間を縫うように飛び回る影、数も多い。狙いとしては申し分ない。


「見つけるのは簡単そう。だけど、どうやって捕まえるか……」


『素のシアさんにはそれだけの力はないよね。やっぱり、私の力を使う?』


「――っ!?」


 その一言に、心臓が跳ね上がる。


「そ、そこまで……そこまで私の浅はかな思考を先読みし、完璧なタイミングで救いの手を差し伸べてくださるなんて……! ああ、やはりミリアたん……ただの神様じゃない……! 未来予知、精神感応、慈愛の権化、全てを内包した至高存在……!」


『え、えっと……そんな大したことじゃ……』


「いいや大したことだよ!? 今の一言でどれだけの魂が救われたと思ってるの!? 少なくとも私は三回くらい生まれ変わったよ!? 前世と前前世とついさっきの私が、今の一言で浄化されて昇天したからね!?」


『そ、そんなに!? ただ、役に立ちたいなって思って……』


「もちろんだよ! しかも役に立ちたいだなんて……そんな、そんな最上級の神託みたいな言葉を、こんな凡俗の塊に向けてくださるなんて……! ああ、耳が幸せすぎて溶ける……いや、むしろこのまま溶けてミリアたんの一部になりたい……!」


『もちろんだよ。シアさんは私にとって一番大切な人だから』


 その言葉が、再び胸に突き刺さる。


 一番大切な人。一番大切な人。一番大切な人……!!


「――はっ!? い、今の聞いた!? 世界聞いた!? 空気聞いた!? 大地震えてない!? これもう奇跡どころか創世神話の一節だよね!? 歴史に刻むべきだよね!? 石板に彫る!? いや山に刻む!? むしろ大陸ごと碑にする!?」


『ちょ、ちょっと落ち着いて!?』


「落ち着けるわけないでしょ!? こんな至高のファンサを直撃で浴びて正気を保てる人間がどこにいるの!? 無理だよ! 倫理的に無理! 物理法則が許さない!!」


 私は両手で頭を抱え、その場でぐるぐると回る。


「ありがとう……ありがとうミリアたん……! この命、この魂、この存在の全てをミリアたんに捧げることを、今ここで改めて誓うよ! たとえ世界が終わろうと、時空が崩壊しようと、概念が消え去ろうと。絶対に、絶対に離れないから!!」


『そこまで言われると、ちょっと怖いよ……でも、嬉しい』


 猫の姿のミリアたんが、にっこりと微笑む。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!! 今の笑顔!! 今の笑顔見た!? 尊さの暴力!! 心臓が耐えきれない!! これはもう兵器だよ! 対人兵器だよ!! 見た者の理性を粉砕する最終兵器ミリアたん!!」


 本当なら、人の姿でのその微笑みを拝みたかった。けれど、今はこの姿でも十分すぎるほどに尊い。


「大丈夫……我慢できる……この尊さを糧に、あと百年は戦える……いや千年いける……!」


 私は震える手で胸を押さえながら、キジバードの鳴く森を見渡した。


「よし……やろう。ミリアたんの御力で、この世界に新たな奇跡を刻むんだ……!」


『そ、それで……具体的にはどうするの?』


「まず、ミリアたんに祈りを捧げてもいい?」


『うん、大丈夫だよ』


 ミリアたんの許しを得ると、いつも通りにミリアたんを拝む。すると、ミリアたんから力が溢れて、それが私に宿る。


 この力を使って、キジバードを捕まえる。森の中を散策すると、すぐ木の枝に止まっているのを見かけた。


 のんきに毛づくろいしているところに向けて、指を向ける。そして、貰った力を噴射させた。その力はひも状の光りになり、キジバードを縛り上げる。


「ポーッ!」


 キジバードが地面に落ちて、じたばたともがく。そのキジバードを手に取ると、その目を見つめる。


「さて、今度は洗脳だね」


『わ、私の力で本当に出来るんでしょうか?』


「大丈夫。ミリアたんの力は無敵だから。見てて」


 ミリアたんの力を目に宿すと、その目でキジバードの目を見つめる。すると、ミリアたんの力が変異してきた。この力は――精神に作用する力だ。


 その力をキジバードに流し込むと、暴れていたキジバードが急に大人しくなる。私の目をじっと見て、まるで従っているようだ。


「よし、洗脳は完了。次は、人の言葉を話す。これは、私も使っている能力だから簡単だね」


 自分でも使っている能力を相手にも付与する。そうして、ミリアたんの力を存分に使うと――。


「ご主人様、ご命令を」


 忠実な僕の完成だ。


『わっ、本当に従っている! それに喋ってる!』


「やっぱり、ミリアたんの力は世界最強の力だね。思い通りに事が運んだよ」


『そんな、私のお陰じゃないよ! シアさんの発想力がなかったら、上手くいかなかった。シアさん、凄い!』


 えへへっ、ミリアたんに褒められた! それだけで、寿命が千年伸びそうだよ!


「この調子でキジバードの下僕を増やしていくよ。ミリアたん、協力してくれる?」


『もちろんだよ! 作戦が上手くいくといいね!』


 ミリアたんとの共同作業、堪能しながらやっていこう!

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