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推し命の転生者、弱小ポンコツな推し神様のために万能な推し活パワーで騎士爵領を大領地にする  作者: 鳥助


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23.村人を増やす

 翌日、縛り上げた賊の様子を見に行った。村人で囲んで見ると、賊は怯えた様子だった。


 それもそうだろう。あれだけ、好戦的な村人たちだったのだから、最悪の事を考えてしまう。


「お、俺たちをどうしよっていうんだ!?」


「こ、殺す気なのかい?」


「まだ、死ぬわけには……」


 それぞれが恐怖で引きつった顔をして、こちらの様子を窺う。そんな賊を前にして、お父様が前に出る。


「お前たちを処すかは、お前たち次第だ。これから話す内容をよく考えて答えを出せば、命は助かる」


「マ、マジかよ……」


「だ、だったら教えてくれ!」


「どうすれば、助かるんだ!?」


 お父様の言葉に賊たちは縋りつく勢いで声を上げた。そこで、私が前に出る。すると、賊たちは呆気にとられた。


「幼女が……浮いている……」


「君たちにチャンスを上げよう」


「なんか、偉そうな言葉で喋りだしたぞ!」


「これは一度切りのチャンスだ。見逃すと、縛り首の刑だよ」


「こんなに可愛い容姿なのに、言うことが怖い!」


 私がしゃべる事にいちいち突っかかってくる。私が咳払いをして睨みつけると、賊たちは恐怖で震えあがり、口をつぐんだ。


「君たちが命を繋げるために必要なことは、ここにいるミリアたんを信仰すること」


『どうも、神の一人でミリアって言います』


「なんだ!? 頭に言葉が響いたぞ!」


「その白い猫が喋っているのか!?」


「はいはい、静かにして。そう、ここにいるのはまぎれもなく、全知全能、天地万物を統べ、生きとし生けるものすべてが跪き崇め奉る、至高にして絶対、唯一無二の偉大なる神――ミリアたんなの!」


『シアさん……そこまで過大に言わなくても……』


 適切に短くまとめたはずなのに、何故だ! だが、ミリアたんに迷惑をかけるわけにはいかない。ミリアたんの偉大さを感じさせるのは後にしよう。


「ここにいるミリアたんを信仰すると約束すれば、この村に住んでもらうことも可能だよ」


「そ、それは本当か!?」


 私の言葉に一番に賊がざわめいた。一体、何がそんなに良かったんだ?


「俺たちは税を支払えなかった村民なんだ……」


「税が払えなければ、村を出て行けって言われて……」


「今、離れたところにも家族がいる」


 なんと、この人たちは純粋な賊ではなかったみたいだ。それにしても、税が支払えなかっただけで村を追い出すなんて……とんだ村があったもんだ。


「それで、景気のいい村があるって聞いて、略奪しようと思って……」


「だが、本当に欲しいのは安心できる住処なんだ!」


「もし、この村に置いてくれるなら、なんだってする!」


 賊たちは必死になって訴えてきた。村から追い出されて、行く場所がないんだったら、住処は欲しいよね。


 だったら、この人たちを更生させて、村に住まわせれば信者が増える。うん、ミリアたんのためになる!


「よし! じゃあ、みんなが更生するなら、この村に住まわせるよ」


「本当か! ありがとう!」


「良かった、本当に良かった……」


「じゃ、じゃあ! 家族を呼んできてもいいですか!?」


「もちろんいいよ。だけど、途中で逃げられたら困るから、監視はつけるよ」


「それでも、いいです!」


 賊たちは喜びの声を上げた。私は指示を出すと、村人が賊の縄を解く。すると、賊たちは駆け足で森の中に向かっていった。その後を、周りで控えていた狼たちが追っていった。


 ◇


 しばらくすると、賊たちが家族を連れてやってきた。女性や子供、老人までもいて、かなりの大所帯だ。


「これだけの人数がいるのだが、大丈夫か?」


「もちろん、大丈夫だよ。住む家もちゃんと作ったしね」


「えっ? この人数を住まわせる家が?」


 驚く賊たちに私たちは村を案内してあげる。さきほど、いなくなった時に村人と協力して家を先に作っておいたのだ。


 祈りの力でパワーアップした村民が木を切り倒し、それを素材にして私が建てる。そうして、新しい家が建てていった。


「ほら、見て。これが君たちの家だよ」


「こ、これは!」


「凄い!」


「本当に住んでいいのか!?」


 連れていくと、そこにはずらっと並んだ家々があった。どれもしっかりとした作りをしていて、家族で住むには十分な大きさだ。


「ここまでしてくれるなんて、思ってもみなかった」


「ちゃんと改心して、村のために働きます!」


「ありがとうございます!」


「うん、うん。お礼を言うのは良いよ。だけど、言う先が違う。これはね、ミリアたんの力があったからこそ出来たこと。だから、その感謝の気持ちはミリアたんに捧げるんだ」


 そうして、私はミリアたんを前に出した。ミリアたんは緊張しながらも、言葉を賊たちにかける。


『この村でちゃんと働けば、豊かな日常を送れるよ。だけど、それをより豊かにするためには、私にお祈りをして欲しいな。そうしたら、力をみんなに分け与えられて、もっと豊かになるから』


「そう! この村はミリアたんへの信仰のお陰で成り立っていると言ってもいい。ミリアたんを敬い崇め祈りを捧げることによって、豊かな生活が送れる。さぁ、みんなもミリアたんに感謝を捧げて!」


 ミリアたんがいなければ、この村はここまで発展しなかった。それを伝えると、賊たちはミリアたんと向かい合い、手を組んで祈り始めた。


「ありがとうございます。これからは、誠心誠意祈らせていただきます」


「どうか、これからもよろしくお願いします」


「ミリア様……」


 そうやって祈ると、祈りの力がミリアたんに集まってくる。でも、その量はそれほど多くない。まだまだ、信仰が浅いということだ。


 でも、大丈夫。村人もここまで信仰が深くなったし、この人たちを信仰深くすることは可能だ。これから、徹底的にしごいて、ミリアたんの新の信者にしたてあげなくては。


 待っていてね、ミリアたん。私がミリアたんを最高の神に成り上がらせるから!

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