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推し命の転生者、弱小ポンコツな推し神様のために万能な推し活パワーで騎士爵領を大領地にする  作者: 鳥助


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15.上納システム

「ミリアたん、今日もこうして世界が何事もなく巡っているのはすべてあなたのおかげであり、朝日が昇るのも風が優しく頬を撫でるのも大地が恵みを与えてくれるのも人々が笑っていられるのも全部全部ミリアたんが見守ってくれているからで、そんな当たり前みたいに存在している奇跡を誰もちゃんと理解していないのが本当に信じられないし許しがたいけれど大丈夫だよミリアたん、分からない人たちには私がちゃんと優しく丁寧に逃げ場なんて一切残さないくらいしっかりとあなたの素晴らしさを刻み込んであげるから安心して、だってミリアたんはこの世界で一番尊くて愛されるべき唯一無二の存在で」


「いや、シア! 祈りの言葉が長いぞ!」


 いつものように家族みんなで祈りを捧げる。だけど、すぐにお父様からストップが掛かった。


「何を言っているのお父様。こうでもしないと、ミリアたんに私の心が届かないんだよ。みんなだって、ミリアたんの恩恵を受けているよね? 受けている以上に返さなきゃ、ミリアたんはいつまで立っても、神の中で最底辺なんだよ? 他の神に貶されるんだよ? 他の神を駆逐する勢いで祈りを捧げないといけないんだよ?」


「他の神まで影響がでるような祈りなんて、私たちに出来るのかしら?」


「出来るかじゃない、やるんだ」


「妹のシアが怖い! まだ、一歳なのに!」


 そうだ。ミリアたんは信仰が集められずに、他の神から貶されている。神聖で尊くて誰からも愛されるミリアたんを貶すとは何事だぁっ!


 今すぐにその神の所へいって、殴り飛ばしたい! ……いや、その神の信仰を集まらないように、信者を殺すか?


「なんか、愛すべき娘が良からぬことを考えているような気がする……」


「そんなことないよー。ただ、ミリアたんの事を考えているだけだよー。そんなことよりも、みんなはちゃんとお祈り出来た?」


「俺、ちゃんとお祈りしたよ! でも、まだシアのような巨人になるのは無理だった!」


「可愛い子供たちが化け物になるのは、いやぁっ! だけど、祈りを止めるとシアが怖くなるから、逆らえない! どうしたらいいのぉっ!」


 相変わらず、お母様だけはミリアたんの力で強くなった私の姿は受け入れられないらしい。あれは、とても神聖なものだから、嫌がれるのは傷つく。


「ま、まぁ……ともかくだ。こうして祈りのお陰で領地が少しずつ豊かになっている。ミリア様のお陰で、みんなが幸せになっているんだ。祈りはこれからも続けていこう」


 村人に知識を与えてから半年が経った。村人は得た知識を存分に使い、村を豊かにさせていった。畑を充実させ、道具を作り、生活を豊かにしていった。


 それはミリアたんが信仰の恩恵を与えているから。集まった信仰を惜しげもなく信者に使い、そのお陰で領地はとても潤っていた。


 だけど、それだとミリアたん自身に信仰の力が残らないんじゃないか? と、思った。本当に平気なんだろうか? そう、不安に思っていた矢先――ある事実が知らされた。


 ◇


『……しょぼーん』


「ミ、ミリアたん! そんなにしょぼくれてどうしたの!? また、他の神に貶されたの!? 殺す!」


 珍しくミリアたんが項垂れていて、私の心臓はヒートアップした。誰だ! ミリアたんをこんなにしょぼくれた姿にしてくれた奴は!


『ご、ごめんね……ちょっと自分のポンコツさにショックが大きくて……』


「そ、そんな……ミリアたんは全然ポンコツじゃないよ! 誰にでも優しくて、尊くて、完璧な神様だよ!」


『うぅ……そんなことを言ってくれるのはシアさんだけだよ……』


 ミリアたんが涙を流しながら、さらに項垂れてしまった。こ、こんな時どうすれば!?


「何があったか、聞いてもいい?」


『……あのね、集まった信仰の力を創造神に上納しないといけなかったんだけど、それをすっかり忘れてて、ほとんど使ってしまったの。だから、上納する信仰が少なくて、とても怒られたの』


 そ、そんなシステムが!?


『ようやく信者がついたと思ったら、集めた信仰はほんの少しだけ。職務怠慢じゃないかってすっごく怒られて……。やっぱり、消滅するしかないのかって……』


 ミミミ、ミリアたんが消滅っ!?


『私、信者がとても嬉しそうにしてくれるのが嬉しくて、つい、信仰の力をそのまま返していた。私はこのために神様になったんだなって思った。良いことをしているなっていう気になっていたけれど、神としてはポンコツ以下……』


 まさか、ミリアたんの優しさが裏目に!?


『うぅ、ちゃんと神の仕事が出来ないなんて……』


「だ、大丈夫だよ! 今から沢山お祈りするから、命を削ってお祈りするから! その信仰で力を上納してくれればいいから!」


『命まで削らなくていいよ! シアさんだけが、辛い役目を負うのは違うと思う』


 ミリアたん……こんな時まで私を思ってくれるなんて……。そういうところが、大好き。


 じゃあ、ここで無理をしてミリアたんを悲しませるのは下策。だったら、村人に言って今よりも強くお祈りをさせて、信仰を集めないと。


「待っていて、ミリアたん。今すぐ、信仰を集めてくるから」

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